自動車を引越しで輸送する方法と車庫証明・住所変更の手続き

ガイド:吉田 章

自動車を引越し先に運ぶには、自分で運転して移動する、引越し業者に依頼する、自動車輸送の専門業者に依頼する方法があります。それぞれに一長一短があるので、自分の希望に適した方法を選びましょう。特に長距離の引越しでは、疲労による事故も考えられるので、安易に自分で運転しないようにしましょう。また、自動車を引越し先で利用するには、車庫証明や住所変更の手続きが必要です。軽自動車の場合は、手続きの方法が変わるので注意しましょう。

引越し先へ自動車を運ぶとき、自分で運転して移動したほうが安上がりですが、長距離の引越しであれば、専門業者に任せたほうが安心です。自動車を専門業者に任せるときのポイントと、自動車の住所変更や車庫証明などの手続きについて紹介します。

自動車の引越し

自動車を引越し先に持っていく方法

引越しをするとき、自動車を運ぶ場合、自分で運転して移動する人が多いでしょう。自動車を自分で運転した場合、家族と一緒なら交通費が節約できるうえに、引越し業者に依頼できない荷物を運べるなどのメリットがあります。しかし、東京から大阪のような長距離になると、引越しの疲労も重なって事故を起こす恐れがあるので、慎重に判断しましょう。業者に自動車を運んでもらう場合、一般的には引越し業者か自動車輸送の専門業者に依頼することになります。

引越し業者に依頼して自動車を輸送する

多くの引越し業者で、引越し先への自動車の輸送を請け負っています。しかし、自社で専門の作業員やキャリアカー(車両運搬車)を所有しているところは少なく、多くの場合、提携する自動車輸送の専門業者に委託しています。引き続き引越し業者が窓口になりますが、依頼者が自分で専門業者に依頼する場合と比べて、手数料が加算されているため、料金が割高になります。

引越し業者が自動車輸送の作業員やキャリアカーを所有している場合でも、料金は専門業者に比べて割高であることが多いようです。しかし、家財の引越し料金とあわせて交渉することで、トータルの料金を値引きしてもらえるかもしれません。

手数料の分だけ割高になりますが、引越し業者に自動車の輸送を依頼する一番のメリットは、引越し業者とは別に専門業者と連絡や打ち合わせをする手間を省き、見積もりを一度で済ませられることです。また、引越し日を考えて自動車を引き取るタイミングを決めるなどの配慮も期待できます。

自動車輸送の専門業者に依頼する

自動車を購入したディーラーなどに相談すると、自動車メーカー系の自動車輸送の専門業者を紹介してもらえます。専門業者だけに、自動車輸送のノウハウを持っており、作業員やサービスの質が高いのが特徴です。しかし、同じ自動車メーカーの系列会社ではありますが、引越し業者に依頼するのと同様に、基本的に手数料の分だけ料金が割高になります。

輸送にかかる費用を少しでも節約するのであれば、インターネットなどを使って、自分で自動車輸送の専門業者を探して連絡しましょう。専門業者を自分で選ぶメリットとして、料金が安くなるだけでなく、特殊な自動車も運んでもらえる点があります。事故車やエンジンのかからない不動車、競技用の改造車などは、ノウハウが豊富な専門業者でなければ扱ってもらえません。また、希少で高価なスーパーカーやクラシックカーの輸送は、専門業者でも断られることが多いため、希少車の輸送を扱える専門業者を探して依頼することになります。この場合、輸送料金以外にも、保険料を支払うことが多いようです。

自動車を輸送する前に車内やトランクの荷物を片付ける

自動車を輸送してもらうときに、引越しの荷物を車内やトランクに乗せることはできません。輸送される自動車は、キャリアカーに乗せるときや移動のときに、さまざまな人が乗ります。そのため、乗せていた荷物が紛失するとトラブルの原因になります。また、自動車に荷物が載っていると、輸送中にキャリアカーが急ブレーキをかけた拍子に荷物が破損したり、自動車にキズが付いたりする可能性があります。

トラブルを避けるため、また自分の自動車を守るため、車内には荷物を残さないようにしましょう。特に貴重品は、自動車内に残さないようにしてください。

自動車の写真を撮っておく

多くの専門業者は、自動車を預かる前に依頼者の立会いのもと、自動車の確認を行います。走行距離計や付属品、キズの有無を確認することが目的ですが、このときに依頼者も自動車の写真を撮影しておきましょう。そうすれば、引越し後にキズを発見したときに、輸送前からあったキズかどうかを確認することができます。専門業者と意見が食い違ったときには、交渉の材料になります。

到着予定日を確認する

自動車の輸送は、引越し業者に輸送を依頼したとしても、家財を積んだ引越し便とは異なるキャリアカーなどで輸送しているため、自動車は1~数日遅く到着するのが一般的です。輸送された自動車を引き取るには、依頼者か家族の立会いが必要になります。家に人がいないときに自動車が届くことがないように、引越し前に到着予定日、時間を確認しておきましょう。

引越しにともなう普通自動車の手続き

引越しをしたら、自動車の持ち主は、所有者の住所が変わったこと、そして保管場所が変わったことを、警察署や運輸支局、自動車検査登録事務所あるいは軽自動車検査協会に届けなければいけません。また、普通自動車と軽自動車は登録業務や税制が異なるため、手続きの届出先が違います。

普通自動車に必要な手続き

引越しをすると、自動車の所有者の住所が変わるため、新しい住所を管轄する運輸支局、自動車検査登録事務所で住所変更の手続きが必要になります。また、自動車の保管場所が変わる場合は、警察署で「自動車保管場所証明書」いわゆる車庫証明の変更も行います。住所変更の手続きには、新たに発行された「自動車保管場所証明書」が必要になるので、先に「自動車保管場所証明書」を取得しましょう。また、新しい住民票が必要になるので、役所、役場で転入届、転居届を済ませておいてください。

「自動車保管場所証明書」の手続き

「自動車保管場所証明書」の手続きに必要な書類は、最寄りの警察署のほか、地域によっては警察のウェブサイトからダウンロードできます。警察署へ足を運ぶ前に、自宅で予め記入しておいたほうが手続きをスムーズに進められます。ただし、自宅で書類を記入した場合でも、書類の不備で書き直しを指示される可能性があるので、印鑑は必ず用意しておきましょう。

自動車保管場所証明書が発行されるまで、申請した日から1週間ほどかかります。この間に警察官が保管場所の確認をするので、保管場所に関係のない荷物などを置かないよう注意しましょう。また、自動車の保管場所として申請できるのは、新居から直線距離で2キロメートル以内です。

■申請に必要な書類
書類 解説
自動車保管場所証明申請書 警察署でもらうか、ウェブサイトからダウンロードできます。記入項目に「型式」や「車体番号」があるので、車検証で確認しましょう。
保管場所標章交付申請書 警察署でもらうか、ウェブサイトからダウンロードできます。警察署でもらう申請書は複写式なので、「自動車保管場所証明申請書」と同時に記入できます。
所在図及び配置図 警察署でもらうか、ウェブサイトからダウンロードできます。所在図記載欄には自宅周辺の地図をコピーして貼り、自宅と自動車保管場所を赤鉛筆で塗りつぶします。配置図記載欄には、保管場所周辺の地図を描き込み、申請する自動車の保管スペースを赤鉛筆で塗りつぶします。保管場所への出入り口と道路までを描き込んでください。
保管場所使用権原疎明書面(自認書)
※駐車場所が所有地の場合
自動車の保管場所が自分の所有地の場合に提出します。警察署でもらうか、ウェブサイトからダウンロードできます。
保管場所使用承諾証明書
※所有地でない土地、月極駐車場の場合
自動車の保管場所が自分の所有地ではない場合に提出します。保管場所の権利者(月極駐車場なら管理会社)に記入してもらう必要があります。同等の情報が記載されていれば、契約書のコピーでも代用できます。警察署でもらうか、ウェブサイトからダウンロードできます。

※地域によっては、警察のウェブサイトに書類のデータが用意されていません。その場合は、警察署で入手しましょう。

所在図及び配置図の「収容可能台数」は、保管場所に最大何台まで収容できるかを記入します。個人の敷地内に保管する場合は目測で、月極駐車場に保管する場合は何台分のスペースがあるのかを数えて記入します。「現在収容台数」は、現状で保管場所に何台の自動車が停まっているかを記入します。

普通自動車の住所変更手続き

自動車保管場所証明書を受け取ったら、新しい住所を管轄する運輸支局、自動車検査登録事務所で住所変更の手続きを行います。管轄する運輸支局、自動車検査登録事務所がどこになるのかは、国土交通省のウェブサイトから調べることができます。申請書に印鑑を押す必要があるので、必ず持参しましょう。

■申請に必要な書類
書類 解説
申請書 住所変更手続きの申請書です。運輸支局、自動車検査登録事務所に用意してあります。
手数料納付書 変更登録手数料分の印紙を購入して貼り付けます。運輸支局、自動車検査登録事務所に用意してあります。
自動車保管場所証明書 警察署が発行した、いわゆる車庫証明です。紛失したときは、管轄の警察署で再発行の手続きを行います。
自動車検査票 いわゆる車検証です。紛失した場合は、運輸支局で再発行の手続きが必要です。
新しい住民票 引越し先の新しい住民票が必要です。発行から3ヵ月以内の住民票が使用できます。
ナンバープレート 運輸支局、自動車検査登録事務所の管轄が変わったら、新しいナンバープレートが必要です。ナンバープレートを外して提出し、新しいナンバープレートを発行してもらいます。発行には手数料が必要です。自動車で運輸支局、自動車検査登録事務所に訪れた場合は、新しいナンバープレートを忘れずに取り付けてください。

引越しにともなう軽自動車の手続き

軽自動車の引越しの手続きは、新しい住所を管轄する軽自動車検査協会で住所変更の手続きを行います。軽自動車の保管場所が変わった場合は、地域によっては「保管場所届出」を警察署に提出が必要です。引越し先で保管場所届出が必要かどうかは、管轄する警察のウェブサイトで調べられます。

「保管場所届出書」の手続き

保管場所届出書の手続きに必要な書類は、最寄りの警察署でもらうことができます。また、地域によっては、警察のウェブサイトからダウンロードできます。警察署で手続きをしているときに書類の不備が見つかって書き直す可能性があるので、自宅で記入していたとしても、印鑑は必ず用意しておきましょう。なお、保管場所届出書の申請には、新しい住所から直線距離で2キロメートル以内の場所に自動車保管用のスペースが必要です(地域によって異なります)。

■申請に必要な書類
書類 解説
自動車保管場所届出書 警察署でもらうか、ウェブサイトからダウンロードできます。記入項目に「型式」や「車体番号」があるので、事前に車検証を用意しておきましょう。
保管場所標章交付申請書 警察署でもらうか、ウェブサイトからダウンロードできます。警察署でもらう申請書は複写式なので、「自動車保管場所届出書」と同時に記入できます。
所在図及び配置図 警察署でもらうか、ウェブサイトからダウンロードできます。コピーした自宅周辺の地図に自宅と自動車保管場所を赤鉛筆で塗りつぶし、所在図記載欄に貼ります。配置図記載欄には、保管場所周辺の地図、保管場所への出入り口と道路を書き込み、申請する自動車の保管スペースを赤鉛筆で塗りつぶします。
保管場所使用権原疎明書面(自認書)
※駐車場所が所有地の場合
自動車の保管場所が自分の所有地の場合に提出します。所有者が両親や親類でも必要です。警察署でもらうか、ウェブサイトからダウンロードできます。
保管場所使用承諾証明書
※所有地でない土地、月極駐車場の場合
保管場所の所有者が自分でない場合に提出する書類で、警察署でもらうか、ウェブサイトからダウンロードできます。保管場所の権利者(月極駐車場なら管理会社)に記入してもらいます。同等の情報が記載されていれば、契約書のコピーでも代用できます。

※地域によっては、警察のウェブサイトに書類のデータが用意されていません。その場合は、警察署で入手しましょう。

所在図及び配置図の「収容可能台数」は、保管場所に最大何台まで収容できるか、「現在収容台数」は、現状で保管場所に何台の自動車が停まっているかを記入します。個人の敷地内に保管する場合は目測でかまいません。

軽自動車の住所変更の手続き

軽自動車の住所変更の手続きは、新しい住所を管轄する軽自動車検査協会で行います。管轄する軽自動車検査協会がどこになるのかは、軽自動車検査協会のウェブサイトで調べることができます。申請書に印鑑が必要なので、忘れずに持参しましょう。

■申請に必要な書類
書類 解説
自動車検査証記入申請書 住所変更手続きの申請書です。軽自動車検査協会や近隣の関係団体で入手できます。
軽自動車税申告書 軽自動車検査協会に用意してあります。軽自動車検査協会や近隣の関係団体で入手できます。
自動車検査表 いわゆる車検証です。
住民票など新しい住所のわかる書類 住民票や免許証が該当します。住民票は発行から3ヵ月以内でなければなりません。
ナンバープレート 軽自動車検査協会の管轄が変わる場合は、新しいナンバープレートが必要です。これまで使用していたナンバープレートを外して提出し、新しく交付されたナンバープレートを受け取ります。ナンバープレートの交付手数料が必要になります。軽自動車で軽自動車検査協会を訪れた場合は、ナンバープレートの取り付けを忘れないようにしましょう。

自動車の引越しの手続きは代理人でも可能

代理の手続きは行政書士が安心・確実

自動車を新車で購入したときは、普通自動車、軽自動車に関係なく、登録に必要な書類はディーラーや販売店が代理で提出してくれます。同じように、引越しにともなって必要な手続きも、本人ではなく、代理人に依頼することができます。

代理人は、身内や知人に依頼してもいいのですが、1万円ほどの料金で行政書士に依頼することもできます。友人に謝礼を渡して手続きを代わってもらうなら、行政書士に依頼したほうが安心で、確実に手続きできるのでおすすめです。

●普通乗用車の代理人手続き

「自動車保管場所証明書」の手続きや自動車の住所変更の手続きは、代理人に任せることができます。住所変更を代理人に任せるには、「委任状」が必要になります。委任状は、国土交通省のウェブサイトからダウンロードできます。

●軽自動車の代理人手続き

「自動車保管場所届出書」の手続きや軽自動車の住所変更の手続きは、代理人に任せることができます。住所変更を代理人に任せるには、「申請依頼書」が必要になります。申請依頼書は、軽自動車検査協会のウェブサイトからダウンロードできます。

2016年10月21日掲載

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ガイドプロフィール
吉田 章(よしだ・あきら)
株式会社ウェブクルー 引越し関連サイト 営業担当

株式会社ウェブクルーが運営する引越し関連サイトの営業担当者。引越しに関する造詣の深さを活かし、営業担当として活躍中。

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