5日前~引越し前日は荷造り作業の山場

ガイド:吉田 章

引越しは通常、ある程度時間に余裕を持って行うものです。
ただ、仕事が忙しすぎたり、家庭の事情で急遽帰省しなければならなくなったり、どうしようもない理由で予定日の前日までなにも準備出来なかった、というケースは少なからず存在します。 また、引越し自体が急に決まることもあります。例えば家主の事情で退去を求められた場合、社会生活を維持しながら引越しの準備をするのは難しいことでしょう。

そこで今回は、予定日の前日というギリギリの状況でも、引越し業者を見つけることが出来るのか。また、そういった場合に何に気を付けたら良いのかについて、順を追って解説してみたいと思います。

引越し5日前~引越し前日の期間は、荷造りがおもな作業。この期間にしておくべき作業とともに荷造りのコツも解説するので、ぜひチェックしてください。

そもそも予定日前日からの引越しは可能か

まず気になるのが、予定日前日から準備を始めて、無事に引越しを完了することが出来るのか、ということでしょう。 結論から言えば、これは可能です。
もちろん、スケジュールに空きのある引越し業者を見つけられることが前提ですが、予定日の前日だからといって諦める必要はありません。

ただ、引越し業者には繁忙期があります。特に依頼が集中するのは、3月から4月にかけての、入学・就職シーズン。この時期の急な依頼に対応出来る業者は、ほとんどいないでしょう。

対応出来る業者を見つけられる可能性もゼロではありませんが、業者探しをして時間を無駄にするより、関係者に事情を話して、引越し予定日の調整に動いた方が建設的と言えます。

急な引越しの主な流れ

急に引越しが決まった場合に、まず行うべきことを以下にまとめます。

  • 業者探し
  • 荷造り
  • 退去手続き

最低限行うべきことは、この3つです。
第一に、前日の依頼に対応出来る引越し業者を探すことが重要。業者がいなければそもそも引越しが出来ませんから、可能な限り早く、依頼先を押さえましょう。

業者が見つかったら、次は荷造りです。通常、引越し業者が見積もり時にダンボールを持ってきてくれるのが一般的ですが、急な依頼の場合、電話だけで話が済んでしまうことも考えられます。手元にダンボールがない場合は、最寄りのコンビニやスーパーを訪ねて、ダンボールを調達しましょう。

また、梱包の際は、引越し業社に運んでもらいたい物から順に優先度をつけて作業することが大切です。自分で持ち運べる物や、処分出来る物はあと回しにして、とにかく荷造りを急ぐことをおすすめします。

また、退去手続きがまだ終わっていない場合は、そちらも手配します。急な引越しの場合、違約金を支払わなければならないケースも少なくありません。家主と交渉して、可能な限り損の小さい落とし所を探しましょう。

ほか、電気、ガス、水道といったライフライン。郵便局、住民票の異動も、抜け漏れがないように手続きを済ませておくことが大切です。

これを忘れると、二重支払いで損をすることにもなりかねません。重々注意することをおすすめします。


前日・当日対応可能な引越し業者の探し方

引越し予定日の前日や当日に、引越し業者を見つけるのは必ずしも不可能ではありませんが、かと言って簡単でもありません。
大切な時間を無駄にしないためにも、どういうアプローチ方法があるのかを押さえておきましょう。

業者に直接アプローチ

シンプルですが、引越し業者の空き状況が確認出来ない以上、とにかく数を当たるのが先決と言えます。
ネットには、引越し業者の情報を網羅的に紹介しているサイトがたくさんあります(当サイトでも紹介しています。



手元に以下の情報を用意した上で、依頼業者が見つかるまで片っ端から電話で問い合わせましょう。

  • 希望の日時
  • 荷物の量
  • 引越し元の住所と建物及び周辺の状況
  • 引越し先の住所と建物及び周辺の状況

時間に余裕があれば、各社の見積もりを比較して最安の業者を選ぶことも可能です。ただ、前日や当日の引越しとなると、対応出来る業者が限られます。そもそも訪問による正確な見積もりを省略しなければならないことも少なくありません。

料金については度外視して、まずは対応可能な業者を見つけることを優先しましょう。

一括見積もりサービスの利用

複数の業者に効率的にアプローチ出来る方法に、一括見積もりサービスがあります。即日で返事をしてくれるとは限りませんが、各社の問い合わせフォームを個別に利用するよりも時間を節約出来ます。
電話問い合わせと並行して活用すれば、対応可能な引越し業者を見つけられる可能性が高まるでしょう。

万が一業者が見つからない時の対処法

もし、どうしても業者が見つからない時は、以下のような方法もあります。

宅配を活用する

荷物を小分けにして、宅配サービスで送ってしまうという方法です。

荷物がMサイズ(3辺の合計が120センチメートル以下)のダンボールにして15箱程度であれば、引越し業者よりもむしろ安く済んでしまう可能性も。

ただ、量があまりに多いと割高になり、また荷物の種類や大きさによってはそもそも依頼出来ない、というデメリットがあります。 それらを踏まえて、納得出来る場合にのみ活用すると良いでしょう。

マイカーorレンタカーを借りる

宅配で賄えないほど荷物が多い場合は、自分で運搬するというのも手です。自家用車の積載容量が心許なければ、レンタカーを利用すると良いでしょう。

交通費や車両費が馬鹿にならない上、過酷な肉体労働を強いられますから、万人におすすめ出来る選択肢とは言えません。

荷物の量や重さ、自身の体力、手伝ってくれそうな身近な友人、家族などを踏まえ、実際の作業を順を追って想像し、無理なく実行可能だと断言出来る場合にのみ、検討することをおすすめします。

クラウドソーシングサービスを活用する

ふだんからウェブをよく利用しているなら、クラウドソーシングサービスを活用して、引越しの人員を募集する、という方法もあります。

クラウドソーシングサービスとは、何か課題を抱える企業や個人と、労働力や特技を持つ個人をネット上で仲介するサービスのこと。イラストや翻訳、家事代行など、種々雑多な仕事を個人に安価に依頼出来るのが魅力です。

前日や当日に依頼を出して人員が見つかるかどうかは、やってみなければわかりません。また、素性の知れない人たちに自宅の場所を教えなければならない、というリスクもあります。

ただ、引越し日の調整が効かず、また業者も見つからず、さらに自分だけでの運搬が困難、というような状況であれば、試してみる価値はあるでしょう。

引越し前後に困らない荷造りのコツ

引越しの5日前~引越し前日は、おもに荷造りをしていきます。ただし、不用意にダンボールへ荷物を詰めていってしまうと、日常生活に支障が出たり、新居での荷解きに時間が掛かってしまう場合があります。そこで、上手な荷造りのコツを紹介しておきましょう。

使わないものから計画的に梱包する

すべての荷造りを一気に済ませるのは難しいものです。引越し日から逆算して、計画的に箱詰めしていきましょう。
シーズン外れの衣類や本など、すぐに利用しないものから荷造りしていくのがコツです。

梱包したら中身を必ず記載する

「衣類」「食器」「日用品」など、中身がひと目でわかるように、ダンボール箱の上面や側面に明記しましょう。開封の際の手間が格段に少なくなります。

引越し直前・直後に必要な生活用品は別にまとめる

引越し直前まで利用する生活用品は、最低限の物を選び出して別にまとめておきましょう。以下の例を参考にしてください。これらの品は、当日に箱詰めし、新居に着いたらすぐに開封します。

引越し直前・直後に使用する物の一例

  • 洗面、入浴用具
  • 携帯電話の充電器
  • 最低限の食器や料理道具
  • ティッシュペーパー、トイレットペーパー
  • 工具、掃除機
  • はさみ、カッター
  • 雑巾
  • ガムテープ
  • ゴミ袋

引越し5日前~引越し前日にしておくべき手続き・作業

引越し5日前~引越し前日にしておくべき作業を下にまとめました。作業内容とコツをチェックしておきましょう。旧居の清掃や、新居での荷物の配置図の作成なども欠かせない作業となります。

作業内容 作業内容
転居先での挨拶品の準備 相場は500円~1,000円で、タオル、石鹸、洗剤類など日用品が人気。苗字を入れた「のし」をつける。
現在の住まいの清掃 当日の清掃作業を軽くするためにも、水周り、窓など、出来る部分から少しずつ掃除していく。
梱包・搬出準備 書籍・食器・パソコン・電化製品・家具など、それぞれにあわせて適切な方法で梱包していく。
引越し当日の段取りチェック 引越し当日にやるべきことを優先度順に書き出して、段取り表を作成する。
手持ちの品や荷物(ダンボールの数)の確認 貴金属、現金、印鑑、大切な物は自分で管理すること。
化粧品や薬、着替えなど、当日必要になる物は別にしておく。
また、ダンボールのサイズ別に何個ずつあるかをメモしておく。
冷蔵庫、洗濯機の水抜き 冷蔵庫は、電源を切り、製氷機の氷や蒸発皿の水を忘れずに捨てる。洗濯機は、傾けて中の水をすべて出し切り、ホース内の水も抜き、外してコードとともに固定しておくこと。
家具の配置図の作成 転居先の見取り図をもとに、配置図を作成。当日作業前に作業員に渡し、大型家具などの設置場所がわかるようにしておく。

もし引越しの準備が終わらないときは

新居への入居日も引越し業者も決まっているのに、前日や当日というギリギリのタイミングになっても準備が終わっていない場合、いったいどうしたら良いのでしょうか。
考えられる選択肢を、以下に解説します。

業者の梱包サービスを利用する

引越し業者の中には、運搬にくわえて荷物の梱包、荷解きといったオプションプランを用意しているところがあります。ホームページなどに明記していなくとも、相談次第で対応してくれる可能性が。
オプションプランですから、そのぶん費用は掛かりますが、必要な荷物を運んでもらえないという最悪の事態は回避出来ます。どうしても荷造りが間に合わない場合は、そのことが判明した段階で早めに手伝いを打診してみることをおすすめします。

破損してもいいから持ち運べる状態にする

持ち運びが可能であれば、ゴミ袋に雑多に入っている荷物であっても、引越し業者は運んでくれます。

ダンボールでの梱包作業が間に合わないときは、紙袋やゴミ袋にとにかく荷物を詰め込んでいくのも方法の1つです。割れ物などは衣類で包んでしまえば、ある程度までの衝撃には耐えることが出来るでしょう。

見栄えが悪いですし、不安定な荷物の責任を引越し業者に負わせることになります。この手段を選ぶ時は、運搬前に業者に事情を説明し、了解をもらっておくことをおすすめします。

引越しの日程を調整してもらう

もし、引越し予定日の調整がつくようなら、日程を変更してもらうのも手です。

前日、当日に変更を打診すると違約金が発生してしまう可能性がありますから、間に合うかどうか不安な時は、早いうちに決断をして各所への連絡を済ませましょう。

ちなみに、引越し延期の連絡が前々日よりあとに行われた場合の手数料の上限は、標準引越し運送約款で以下のように定められています。

違約金発生のタイミング 金額の上限
前々日 見積もり金額の20パーセント以内
前日 見積もり金額の30パーセント以内
当日 見積もり金額の50パーセント以内

決して小さくない金額ですから、出来れば支払わなくて済むように、余裕を持って行動することをおすすめします。

思い切って処分する

自分で運んだり、別の場所に保管したりと言った手間を掛けられないときは、いっそ処分してしまうのも一つの方法です。荷物の中から不要な物品を探して、優先度の高い物だけを運んでもらうわけです。

すべての荷物に優先順位をつけるのは相応の時間が掛かりますが、それでもすべての荷物を梱包するより、短い時間で作業を終えることが出来るはず。

まだ使えたり、捨てるにはもったいないような品物があるなら、あとでブランド品やリサイクル品の買取ショップに持っていくのも良いでしょう。物によっては、引越しに掛かる費用以上の金額を手に入れられるかもしれません。

引越しの前日によくあるトラブルとその対処法

時間がないタイミングで予想外のトラブルに見舞われるのは、大きなストレスですよね。イライラして、物事を冷静に判断することも難しくなります。
そういった自体を避けるためにも、引越し日の前日にありがちなトラブルと、その対処方法についても把握しておくことをおすすめします。

ダンボールが足りない

引越しのトラブルとしてよくあるのが、荷物を梱包するダンボールの不足です。

荷物量から必要なダンボール量を把握するのは、経験がないと難しいもの。余裕を持って準備したつもりでも、荷物の大きさや形、重さなどの兼ね合いで、すべてが入らなくなってしまうことがあります。

最寄りの商業施設で余ったダンボールを分けてもらう、というのが現実的ですが、引越し前日の慌ただしいタイミングでは、1分1秒が惜しいもの。別の選択肢があれば、そちらを採用したいですよね。

あくまで最終手段ですが、そういった場合には思い切って荷物を処分してしまうか、ダンボールを使わず、最低限持ち運べる形に加工してしまうことをおすすめします。

カバンやスーツケースがあればベストですが、なければ紙袋やゴミ袋に詰めてしまうのも手です。重心が安定し、持ち運びの際に荷崩れしない形であれば、ダンボールに梱包されていなくても運んでもらえます

想像した以上に荷物が多い

急ぎの引越しの場合、業者が訪問することなく、口頭だけで見積もりを済ませることが多いです。

そのため、いざ梱包作業を初めてから、伝え忘れていた荷物に気づくことも考えられます。ただ、電話見積もりの場合、ある程度余裕を持ってトラックや人員が割り当てられます。そのため、よほど荷物量が増えない限りは、当日に積み込めなくなってしまうことはありません。

念のため確認しておくと安心ですが、大きな家具や運搬に気を使う必要のある特殊な荷物でない限り、当日の相談でも問題ないことが多いでしょう。

もし、一箱二箱の荷物でトラックに乗り切らなくなってしまうなら、その荷物を宅配便で送れないか検討することをおすすめします。トラックの容量を大きくすると、料金プランもワンランク高くなります。どちらが安いかを比較して、損のない選択をするようにしましょう。

不安が強い・眠れない

引越し前日は、神経が高ぶっているもの。強い不安を感じる、なかなか眠れない、という内面的なトラブルは、意外によく見られます。「引越しブルー」や、「引越しうつ」といった言葉もあるほどです。

慣れた環境を離れなければならないストレスや、引越しに伴うさまざまな手続きの重圧に心が参ってしまうことが、主な原因とされています。

普段の自分とは明らかに違う、不安感や動悸、不眠などの症状が見られたら、積極的に息抜きをして、リフレッシュに努めてみてください。

近しい誰かに、話を聞いてもらうのも効果的。とにかく、もやもやした気持ちを長期間抱え込まないことが大切です。

2020年09月16日更新

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ガイドプロフィール
吉田 章(よしだ・あきら)
株式会社ウェブクルー 引越し関連サイト 営業担当

株式会社ウェブクルーが運営する引越し関連サイトの営業担当者。引越しに関する造詣の深さを活かし、営業担当として活躍中。

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