一人暮らしの学生も住民票の移動が必要?
手続きをしないと、こんな問題も!

ガイド:吉田 章

引越しをしたら14日以内に転入届を提出して、住民票を移さなくてはいけません。住民票を移さなければ、役所の公的サービスが受けられなかったり、納税や選挙の案内が旧住所に届いたりします。しかし、一人暮らしを始める学生だと状況が異なります。ときどき実家に帰省する、自分の持ち物を実家に置いたまま、という実態があれば、「生活の拠点は実家。学校の近くの住まいは一時的なもの」とみなされるからです。ただし、住民票を移さないと、健康保険証や成人式の案内が実家に届く、自動車免許証を取得するために帰省が必要といったデメリットもあります。メリットとデメリットをよく考えて、住民票を移すかを考えましょう。

引越しをしたら、14日以内に市区町村の役所・役場に行って、転入届の手続きをする必要があります。しかし、学生の中には、住民票を移動しないで実家のままにしている人も珍しくはないようです。これは許されるのでしょうか?

大学進学

学生の一人暮らしは一時的なもの。生活の拠点はあくまでも実家

大学や専門学校などへの進学で、親元から離れて一人暮らしを始めた学生もいるでしょう。住民基本台帳法では、住所を変えた場合、14日以内に住民票を移さなくてはいけません。つまり、旧住所で転出届を提出し、新住所で転入届を提出する手続きが必要なのです。

ところが実際は、学生の場合、住民票を移さないケースがよく見られます。引っ越したのに、住民票をそのままにしておくことになるので、本当は法律違反です。14日以内に手続きをしなかった場合、5万円以下の過料を課せられることがあります。

しかし、住民票を移さなかった学生が過料を取られたという話は聞いたことがありません。それは、現状では学生時代の住まいは「一時的なもの」とみなされているからです。自分の所有物の多くが実家に残っているでしょうし、夏休みや年末年始などに帰省をすることも多いでしょう。つまり、生活の拠点は実家にあり、通学のために一時的に学校の近くに住んでいると解釈されるため、住民票を移さなくても罰則を受けないのです。


【2020年4月時点】新型コロナウイルスの影響で手続きができない場合、届出期間を過ぎても問題無し

現在、特例として総務省から各自治体へ、新型コロナウイルスによる影響で発生した届出遅延については、当分の間過料についての通知を要しないという通達がなされています。

2 届出期間を経過した者の取扱い

法第 22 条、第 23 条、第 25 条又は第 30 条の 46 から第 30 条の 48 までの規定による届出については、これらの届出の事由が生じた日から 14 日以内に行わなければならず、正当な理由がなく当該期間を経過した者は、法第 52 条第2項の規定により、過料に処することとされているが、今般のコロナウイルス感染症の感染拡大の影響に伴う諸情勢等に鑑み、当分の間、当該期間を経過した者については、「正当な理由」があったとみなして、「住民基本台帳事務処理要領」第5-9-(1)の通知を要しないものとすること。

参考・引用:総務省公式HP
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響及び感染拡大の防止に伴う住民基本台帳事務等の取扱いについて(通知)
※2020年4月14日現在の情報です。
※最新の情報はお住まい、もしくはお引越し先の自治体にご確認ください。

マイナンバーカードの交付を受けている場合は転出届の郵送も可能

マイナンバーカードの交付を受けている場合は、転出届を郵送で提出することが可能です。

また、マイナンバーカードの交付を受けていない世帯員と併せて提出する場合も、同様の手続き方法が可能となっているようです。

まだ一般的でないこともあり、実際は自治体によって対応可否が変わる可能性がありますので、必ず各自治体にお問い合わせください。


参考:総務省公式HP
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響及び感染拡大の防止に伴う住民基本台帳事務等の取扱いについて(通知)

進学しても住民票をそのままにしたときのデメリット

住民票を移さなくても罰則を受けないとはいえ、現在住んでいる場所に住民票がないのは不便な面もあります。住民票を移さないことで、どんなデメリットがあるのかチェックしておきましょう。

健康保険証、年金保険料などの書類が実家に届く

病気になったときに必要となる健康保険証や、20歳から納付義務のある国民年金保険料の納付書類などは、住民票のある実家に届きます。国民年金の保険料は、実家の家族が立て替えられるかもしれませんが、健康保険証は生活に必要なものです。保険証が届いたら、実家から送ってもらうようにしましょう。

運転免許の試験や最初の更新の会場が実家近くになる

自動車の運転免許を取得する試験は、住民票のある地域の免許センターなどで受ける必要があります。また、免許証の最初の更新も住民票のある地域でしか受け付けてもらえません。運転免許の試験は自動車学校を卒業して1年以内、最初の更新は誕生日の前後1ヵ月の間に行う必要があります。

成人式の案内が実家に届く

20歳になると、成人の日やお盆の時期に催される成人式に招待されます。ところが、成人式の案内は、市区町村に住む新成人に送られるため、住民票がある住所、つまり実家に届きます。いま住んでいる地域の成人式には呼ばれません。ただし、地元の成人式に出席して旧友と会いたいのであれば、住民票を移さないほうがいいでしょう。

選挙の案内が実家に届く

18歳になると選挙権が得られます。しかし、選挙の投票には、選挙管理委員会から送られる投票受付用紙(投票用紙)が必要ですが、それも住民票のある実家に届きます(正確には、住民票から作る選挙人名簿をもとに送られます)。実家に住民票を置いたままの場合は、不在者投票を行いましょう。

不在者投票とは、滞在している地区町村で、住民票のある地区の投票を行うことです。不在者投票をするには、住民票のある地区の選挙管理委員会に対して、投票受付用紙(投票用紙)を請求する必要があります。投票用紙を受け取ったら、現在住んでいる市区町村の選挙管理委員会が指定した場所から投票できます。請求の手続きは、住民票のある自治体のウェブサイトで確認できます。投票日を過ぎた投票用紙は無効になるので、時間に余裕を持って、請求の手続きを行いましょう。

学生の場合、住民票を移さなくても罰則を受けるわけではありませんが、メリットやデメリットを考えて、住民票の手続きをどうするか決めましょう。


2017年4月21日掲載

2020年4月14日更新

ガイドプロフィール
吉田 章(よしだ・あきら)
株式会社ウェブクルー 引越し関連サイト 営業担当

株式会社ウェブクルーが運営する引越し関連サイトの営業担当者。引越しに関する造詣の深さを活かし、営業担当として活躍中。

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