東京23区に引っ越す人必見!
助成金制度を活用してお得に引越しができる!

ガイド:船木 麻里

日本各地の自治体では、定住を支援する助成制度を設けています。その多くは過疎地域の制度なのですが、意外にも東京23区内でも人を定住させるために、家賃や引越し費用を支援する公的助成制度を用意しています。23区の会社や学校に通うものの、家賃が高いので住む場所は23区外を検討している人もいるでしょう。しかし、公的助成を有効活用すれば、会社や大学から近い物件でも家賃を安く抑えた上に、引越し費用も助成でまかなえるかもしれません。

引越しは、引越し料金や敷金、礼金だけでなく、新居にあわせて家具を買替えたり、新生活のために何かとお金がかかります。特に東京への引越しでは、家賃が高い物件が多いため、負担が重くなります。そういった負担を軽減するために、公的助成の利用を検討してはいかがでしょうか。

子育てファミリー層、学生などの定住を区が推進

転勤や進学などで東京への引越しを予定している人が大勢いると思います。しかし、東京は家賃が高い地域で、中心部の23区は、さらに高くなります。東京23区は、働いたり勉強したりするには良いものの、住むにはお金がかかりすぎる場所と言えます。

しかし、区によっては子供のいるファミリーや大学生向けに、引越しにかかった費用や家賃を支援する助成制度を設けています。子供のいる家庭なら、「子供のために転校は控えたい」と考えて長く住むかもしれませんし、上京した学生が住んだ地域を気に入って、社会人になってからも住み続けてくれるかもしれません。そこで、定住する人を増やしたい区が、ファミリーや大学生を対象に助成制度を設けているのです。

まずは、自分が助成制度の対象になるのかを確認しましょう。上手に助成制度を活用すれば、引越し料金や家賃を大幅に削減できるかもしれません。

家賃や敷金、礼金、引越し料金などを助成――新宿区のケース

23区のすべての区が助成制度を設けているわけではありません。編集部で各区のWebサイトを調べたところ、板橋区、北区、新宿区、世田谷区、千代田区、豊島区、目黒区で、ファミリーもしくは学生を対象とした引越しの助成制度がありました。その中でも、3種類も制度を用意している新宿区を例に紹介します。

新宿区では、「子育てファミリー世帯居住支援」「民間賃貸住宅家賃助成」「住み替え居住継続支援」という3種類の助成制度を設けています。

子育てファミリー世帯居住支援(転入転居助成)

新宿区の民間賃貸住宅に引っ越す、子育てをしている世帯を対象とした制度で、転居一時金と引越し費用を助成します。対象となる子育て世帯は、「義務教育修了前の子供」を扶養していることが条件となります。

この制度はふたつに分かれていて、ひとつは区外から区内への転居、もうひとつが区内での転居です。つまり、区内に新しく住む子育て世帯と、子供が成長して転居するときに、区内にとどまって新居へ引っ越す世帯に対して助成しているのです。助成される金額が大きいので、対象となる人は忘れずに申請しましょう。ただし、助成を受けられる世帯数に上限があります。

<助成内容>

・新宿区外からの転居(募集数30世帯)
礼金、仲介手数料の合計で最大36万円。
引越し料金の実費で最大20万円(引越し荷物の搬送代で、引越し業者に依頼した場合)。

・新宿区内での転居(募集数30世帯)
転居前後の家賃差額として月額最高2万5000円。最長2年間。
引越し代の実費で最大20万円(引越し荷物の搬送代で、引越し業者に依頼した場合)。
※所得や家賃の金額などに条件があります。

民間賃貸住宅家賃助成

区民の定住化を目的とした助成制度で、民間賃貸住宅の家賃を支援します。学生や勤労単身者向けと子育てファミリー世帯向けで助成する金額と期間が異なります。対象になる人が多い制度ですが、申し込みが多かった場合は抽選になります。平成27年度の場合、「学生及び勤労単身者向け」が4.37倍、「子育てファミリー世帯向け」が5.54倍でした。募集する期間が決まっているので、申し込み忘れに気をつけましょう。

<助成内容>

・学生や勤労単身者向け(募集数30世帯)
月額1万円を最長3年間。

・子育てファミリー世帯向け(募集数50世帯)
月額3万円を最長5年間。
※家賃の金額などに条件があります。

住み替え居住継続支援

「ひとり親世帯」「高齢者世帯」「障害者世帯」を対象とした助成制度で、建物の取り壊しなどによって、立ち退きを迫られた世帯を支援するためのものです。転居前の住宅と転居先の家賃の差額を支援することで、引越しがしやすくなります。

<助成内容>

・家賃にかかわる支援
転居先の家賃から転居前の家賃を引いた金額の2分の1の24ヵ月分を一時金として支援します。ただし、家賃の差額には下のような上限があります。
ひとり世帯 3万円
ふたり以上の世帯 4万5,000円

・引越し費用にかかわる支援
上限15万円
※居住期間や所得金額などに条件があります。

板橋区、北区、豊島区の助成制度

新宿以外にも、以下の区でファミリー向けの助成制度があります。

板橋区 区立住宅 新婚世帯及び子育て世帯支援制度

婚姻予定、もしくは婚姻後3年以内の世帯、小学6年生以下の子供がいる世帯を対象に、区立住宅の家賃を月額3万円減額する助成制度です。小学6年生以下の子供以外に加えて、18歳未満がひとりいる場合は3万5,000円、ふたり以上いる場合は4万円減額されます。

北区 ファミリー世帯転居費用助成

18歳未満の子供をふたり以上扶養・同居している親子世帯の場合、区内の民間賃貸住宅から民間賃貸住宅へ転居したときの、礼金と仲介手数料が合計30万円まで助成されます。
※所得金額や北区に住民登録をしている期間などに条件があります。

豊島区 子育てファミリー世帯への家賃助成制度

区内の民間賃貸住宅や区民住宅に引っ越した、15歳以下の子供がいる世帯に対して、転居後の家賃と豊島区が定める基準家賃の差額の一部を、1万5,000円を上限に助成する制度です。助成を受けられる期間は、子供が15歳に達する年度までで、4年目からは上限が2分の1になります。
※所得金額や月額家賃などに条件があります。

千代田区、目黒区、世田谷区の助成制度

千代田区 次世代育成住宅助成

区内に住む親世帯の近くに引っ越す新婚、子育て世帯を対象とした「親元近居助成」と子供の成長にあわせて区内の広い住宅に住み替える世帯を対象とした「区内転居助成」のふたつの制度があります。賃貸住宅だけでなく、持ち家も対象になります。

どちらも最大8年間助成を受けることができますが、年を追うごとに助成額は減っていきます。例えば、8人家族が区内転居した場合、1年目は月額8万円ですが、8年目になると2万4,000円になります。4人家族なら、1年目は4万円、8年目1万2,000円となります。
※所得金額や住居の面積などに条件があります。

目黒区 ファミリー世帯家賃助成

区内の民間賃貸住宅に住む、18歳未満の子供を扶養する世帯を対象に、家賃を月額2万円、最長2年間助成する制度です。募集期間と募集世帯数が決まっているので、申請を忘れないように気をつけましょう。応募多数の場合は、抽選になります。
※所得金額や区内の居住期間などに条件があります。

世田谷区 せたがやの家(ファミリー型)子育て世帯家賃助成

一般財団法人世田谷トラストまちづくりが管理している賃貸住宅「せたがやの家」に入居する、18歳未満の子供がいる世帯を対象に、月額4万円の助成を最長5年間受けることができます。
※所得金額などに条件があります。


東京都の家賃は決して安くありませんが、多くの学生やファミリーを集めるため、さまざまな助成制度を用意しています。利用するには、所得金額や居住期間など、さまざまな条件がありますが、利用できる制度があるなら、積極的に活用しましょう。助成制度は年度ごとに異なることもあるので、まずはそれぞれの区のホームページを確認してください。

2016年2月23日掲載

ガイドプロフィール
船木 麻里(ふなき・まり)
家事セラピスト、整理収納アドバイザー、フリー編集者/ライター

出版社勤務を経て、出産を機に独立。雑誌、書籍等で教育や家庭生活をテーマに幅広く取材、執筆。家事セラピストとして、自分らしく気持ちのいい暮らし方を提案。「引越し9回&立ち退き2回」の経験から引越しにも一家言あり。

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