引越し料金はどうやって決まる?見積もりにおける料金の決定基準とは

ガイド:吉田 章

引越しの見積もり料金はどのように決定されるのでしょうか。

引越し業者を選ぶ時、料金を基準に選ぶ人は少なくありません。相見積もりで複数の業者を比較して、一番安いところを選ぶわけです。

グランドピアノなど、運搬に専門知識が求められる特殊な物品を除いて、引越し業者のサービスは違いが見えづらいもの。同じ結果が得られるなら安い方が良い、と考えるのは自然なことでしょう。

引越しの見積もりがどのような仕組みで決定されているのかについては、意外と知られていません。

今回は、引越し業者を正しく比較するために押さえておきたい、見積もり料金が決定される仕組みを解説します。

引越しの見積もり料金は「基礎運賃+料金+実費+オプション料金」で算出される

荷物の量や引越し元、引越し先の状況などによって料金は大幅に変わりますが、実はその内訳となる項目は共通しています。

・基礎運賃
・割増料金
・実費
・オプション料金

この4つです。以下に詳しく解説します。

基礎運賃の算出方法

「基礎運賃」とは、引越し業者の約款に基づいて算出される運賃のこと。

国土交通省でもモデル料金を示しているので、どの引越し業者もそれにならっていて、だいたい同程度の料金です。法外な金額になることはありません。

基礎運賃には、移動時間による「時間制」と、移動距離による「距離制」の2種類があります。

  • ●時間制
    基礎時間は「4時間」または「8時間」の2種類。1時間超過するごとに追加料金が発生します
  • ●距離制
    基礎距離は100km(軽貨物業者は30km)。超過距離によって追加料金が発生します。

割増料金の算出方法

依頼主側の事情で引越し車両を留置したり、深夜や早朝(22時〜翌5時)、休日(日曜祝祭日)に運送したりといった場合に発生する料金です。 深夜、早朝は3割増、休日は2割増で加算されます。 また、以下の地域は冬季割増適用地域に該当し、所定の期間は料金が2割増となります。
季割増適用地域 期間
北海道 11月16日〜4月15日
青森県・秋田県・山形県・新潟県・長野県・富山県・石川県・福井県・鳥取県・島根県の全県 12月1日〜3月31日
岩手県のうち、北上市・久慈市・遠野市・二戸市・九戸郡・二戸郡・上閉伊郡・下閉伊郡・岩手郡・和賀郡 福島県のうち、会津若松市・喜多方市・南会津郡・北会津郡・耶麻郡・大沼郡・河沼郡 岐阜県のうち、高山市・大野郡・吉城郡・益田郡・郡上郡 12月1日〜3月31日

参考元:引越運賃料金適用方(参考例) | 全日本トラック協会(http://www.jta.or.jp/zeiseikisei/shohizei/shohizei2.html)

料金割増の条件が複数重なる場合は、それぞれを乗じた上で加算します

オプション料金の算出方法

オプション料金とは、文字通り運送以外のオプションサービスを利用する場合に加算される料金です。

例えば、以下のようなサービスが該当します。

  • エアコンの取外し・取付け
  • ピアノの運送
  • 不用品の処理
  • ハウスクリーニング料金
  • 家具の防虫・消毒

引越し業者が直接対応してくれる場合、あるいは引越し業者から専門業者に委託する場合があり、プランの内容によって料金は大きく異なってきます。

また、業者によって用意されているオプションが異なりますから、望むサービスがラインナップされているかどうか、問い合わせの段階でしっかり確認しておくことをおすすめします。

引越しの見積もり料金に影響する要素

モノやサービスの料金は、需要と供給で決まります。需要に対して供給が少なければ料金は上がり、反対に供給に対して需要が少なければ、料金は下がります。

引越しの見積もり料金も、例外ではありません。

大きく分けると、人の移動が多く見込まれる時期とそうでない時期、負荷の高い労働とそうでない労働、という条件で、料金が変わってきます。

以下に、引越し料金が安くなったり高くなったりする具体的な理由を解説します。

季節によって混み具合が大きく変わる

引越しの需要は、季節によって大きく変わります。

一般的に、入学や就職の節目となる3、4月が引越し業界の繁忙期。それ以外を通常期という形で分けて捉えます(転勤が増える9、10月を繁忙期に含めることもあります)。

言い換えれば、このタイミングで需要と供給のバランスが変化するわけです。

見積もり料金が高くなりがちな繁忙期

繁忙期、特に3月中旬から4月初旬は、引越し業者の需要がピークに達します。

このタイミングで見積もりを依頼しようと思っても、料金を安く済ませるどころか、業者を見つけることすら難しいでしょう。

料金を下げて顧客を呼び込む必要がありませんから、閑散期に比べて料金を高く設定している業者がほとんどです。近年は引越し業者の人手不足が深刻化していますから、値下げ交渉に応じてもらえる可能性も小さいでしょう。

余談ですが、公益社団法人である全日本トラック協会は、繁忙期に需要が集中するのを避けるために混雑状況予想をまとめています。

希望通りの日取りで、しかも安い料金で引越しできるよう、こうした情報もぜひ参考にしてみてください。

参考元:令和2年 引越繁忙期 ~分散引越にご協力をお願いします~ | 全日本トラック協会(http://www.jta.or.jp/yuso/hikkoshi/spring2020/hikkoshi_hanbouki_2020.html)

通常よりお得に引越しできる可能性が高い閑散期

引越し業界の繁忙期、閑散期の定義には諸説ありますが、一般的には3、4月を繁忙期、それ以外の月を通常期、ないし閑散期と判断することが多いです。

特に、人の動きが落ち着く10月〜翌年の1月は、需要が落ち込むのが通例です。したがってこの時期であれば、安い料金でお得に引越しができる可能性が高いと言えます。

注意したいのは、何らかの事情で突発的に引越しの需要が高まるケースがあるということ。例えば六曜における大安や、祝日などが続いてできた大型連休などが、その典型です。

また、日取りや時間帯についても、なるべく需要が小さい選択肢を選ぶと、細かいコストを抑えられます。祝日より平日、早朝、深夜より午後、という具合です。

需要の高まりは見積もり料金に表れますから、確実を期したい場合は上記の内容も考慮されると良いでしょう。

見積もりの有効期限について

引越し業者の見積もりは、受給のバランスによって決定されます。繁忙期ほど高く、閑散期ほど安い見積もりが期待できるわけです。

ただ注意したいのが、見積もりには有効期限がある、ということ。需要の高まりを予測して何ヶ月も前に見積もりを取ったとしても、それが予定日にも適用されるとは限りません。

一般に、見積もりの有効期限は2ヶ月前後と言われています。余裕を持つことは大切ですが、あまり早く見積もりを依頼しても意味がありません。

荷造りや役所手続きなど、他にやることがたくさんありますから、繁忙期でなければ1ヶ月前くらいに依頼すれば十分でしょう。

荷物の量に比例する見積もり料金

引越しの見積もり料金は、荷物の量に比例して増えます。ただその増え方は、直線型ではなく階段型です。

どういうことかというと、トラックの容量に応じて料金が増えるわけです。一般に、引越しのトラックは以下のように分けられます。

荷物が少ないほど引越しの見積もり料金が安くなることは間違いないのですが、例えば15個ある段ボールを13個に減らしても、もともと軽トラックに積み込める分量ですから、料金は変わりません。

また、料金を抑えようとするあまり、容量の小さいトラックを依頼してしまうと、当日になって積み切れない可能性も。

荷物の量を減らすときは、トラックの容量を念頭に、余裕を持って積み込める分を目安にすると良いでしょう。

また、引越し業者の中には、荷物の梱包などを依頼主が行うことを条件に、料金の安いプランを設定しているところがあります。時間や体力に余裕があれば、そういった選択肢を検討するのも、コストを抑えるコツです。

見積もりの流れ

引越し業者の見積もりには、大きく3つの種類があります。Web見積もりと電話見積もり、そして訪問見積もりです。

料金は基本的にどれも無料ですが、訪問見積もりの場合は依頼主の了解を得た上で手数料を請求するケースもあります。

それでは、それぞれの見積もり方法について手続きの流れを見ていきましょう。

Web見積もりの場合

Web見積もりは、その名の通りWeb上で完結する見積もりです。IT化が進んだこともあって、ほとんどの業者が公式ページ上でWeb見積もりを受け付けています。

仕組みは簡単で、見積もりフォームに必要事項を入力して送信すると、それに基づいておおよその料金が提示されます。

見積もり額提示までの流れは、以下の通りです。

【1.】PCやスマートフォンで、引越し業者の公式サイト内にあるWeb見積もりページを訪れる
【2.】人数やおおよその時期、荷物の量、現住所と引越し先の住所を入力する
【3.】送信ボタンを押すと、金額が提示される

入力するのが住所ではなく郵便番号だったり、見積もり料金の伝達が電話だったり、各社によって細部は異なりますが、Web見積もりは概ね上記のような流れを辿ります。

手軽さや個人情報を渡さずに済む点は魅力ですが、あくまで概算というのが難点。また複数業者を比較したい場合、1回1回同じ情報を入力しなければなりません。

Web見積もりの情報は、業者を絞り込む際の参考程度に留めることをおすすめします。

電話見積もり

Web見積もりの次に手軽なのが、電話見積もりです。電話で必要事項を伝え、見積もりを出してもらいます。

【1.】Web等で目ぼしい業者をピックアップし、電話を掛ける
【2.】応答スタッフに問われた情報を共有する(不明点があれば尋ねる)
【3.】電話口で見積もり額が共有される

大抵の引越し業社も電話見積もりに対応していますが、荷物の量が多い場合は、訪問見積もりに移行することが多いです。

というのも、荷物の量が多いと、電話だけでは状況を把握し切れず、後になって料金が変動してしまうリスクがあるから。

また、確実に対応できるよう、トラックや人員が余裕を持って確保されるため、電話だけで見積もりを済ませると通常より割高になってしまう傾向がある点にも注意が必要です。

訪問見積もりの場合

訪問見積もりは、多少の手間は掛かるものの正確な見積もりが期待できます。

以下のような流れで進むのが一般的です。

【1.】Web等で目ぼしい業者をピックアップし、電話で日程調整
【2.】訪問時に、荷物の量や内容、大きさ、周辺情報等を共有
【3.】見積もり額の提示・料金交渉
【4.】成約の場合、段ボールやハンガーケースを受け取って終了

電話から訪問までの期間はケースバイケースですが、3〜4月のような繁忙期でなければ、即日で対応してもらえる可能性が。

また、内容にもよりますが、見積もり額を提示してもらうまでに10〜20分程度掛かるのが一般的です。

見積もりの精度が高い点はメリットですが、複数社を比較したい場合に、Web見積もりよりも遥かに手間が掛かるというのが難点。

また、業者によっては訪問時に強引な契約を迫られたり、検討後に断りの電話を入れた際に粘られたりするケースもあります。

念を入れたい場合は、「勤め先から業者の指定があった」「引越しを延期することにした」など、あらかじめ断り文句を用意しておくと良いでしょう。

ただし、契約後に解約や延期を申し出ると、以下の条件で手数料が発生します。相見積もりの段階で契約まで進まないよう、注意してください。

消費者用_約款面_2019_B (http://www.jta.or.jp/yuso/hikkoshi_anshin/kaisei_yakkan2019/point.pdf)

相見積もりをすべき理由

引越しの見積もり料金は、基礎運賃、割増料金、実費、オプション料金という要因で決定されます。

一見するとシンプルですが、荷物の量や移動距離、引越しのタイミングなど、諸条件により金額が大きく変動します。

また、大まかな目安はあっても、細かい料金設定は業者によってまちまち。例え定額プランが用意されていても、実際に見積もりをしてもらうまでは、そのプランの条件に適うかわかりません。

何回か引越しの経験があれば別ですが、初めての引越しで妥当な引越し料金を判断するのは至難の技でしょう。

そこでおすすめしたいのが、Webサービスを活用した相見積もりです。複数業者を一人で比較・検討するのは簡単ではありませんが、引越し業社の一括見積もりサービスを利用すれば、そうした手間の大部分を省くことが可能。もちろん、無料で使えます。

これから引越しを考えている方は、ぜひ一括見積もりサービスを活用して、賢く時間とお金を節約してみてください。

2020年8月14日掲載

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ガイドプロフィール
吉田 章(よしだ・あきら)
株式会社ウェブクルー 引越し関連サイト 営業担当

株式会社ウェブクルーが運営する引越し関連サイトの営業担当者。引越しに関する造詣の深さを活かし、営業担当として活躍中。

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