4月に改正「省エネ基準」が完全施行
ハウスメーカーが提案するこれからの低燃費住宅

ガイド:船木 麻里

2015年4月より、「平成25年改正版」の「住宅・建築物の省エネルギー基準(以下、省エネ基準)」が完全施行されます。この改正により、住宅の断熱性だけでなく、暖房や自家発電といった設備も含めた住まい全体の省エネ性能が評価されることになりました。今後は、省エネ家電や太陽光発電などを設置した燃費のいい住宅が増えることになりそうです。ハウスメーカーでも多彩な手法で低燃費住宅を打ち出しているので、生活スタイルにぴったり合う家が見つけられるかもしれません。

住宅の省エネ性能を評価する指標が変更され、住まい全体で省エネを考える時代に突入します。太陽光発電や省エネ家電などを設置した燃費のいい家がスタンダードになりそうです。

太陽光発電を利用した省エネ住宅

改正「省エネ基準」が完全施行 住まい全体の省エネ性能が評価される

2013年に施行された改正「住宅・建築物の省エネルギー基準(以下、省エネ基準)」が、1年半の経過措置を経て、今年4月から完全施行されます。

国土交通省は、2020年以降の新築物件に対して新基準への対応義務化を目指しており、事業者やハウスメーカーは、新基準に沿った省エネ性能算出のためのプログラムを導入し、それに見合った資材や設備を選定するなど、対応に追われています。

省エネ基準は、エネルギー消費の少ない建築物・住宅の実現を目指して制定されたもので、住宅などの新築・増改築をする際に行うべき省エネ措置の目安となるものです。

しかし、改正前の省エネ基準は大きな課題を抱えていました。住宅の場合、断熱性能しか評価の対象となっていなかったのです。たとえ断熱性能が高かったとしても、家の中で使う暖房器具や照明が大量のエネルギーを消費していれば、住宅の省エネが実現できているとは言えません。

そこで、改正版で新たに取り入れられたのが「一次エネルギー消費量基準」です。一次エネルギー消費量とは、暖冷房や換気、照明、太陽光発電など建物全体のエネルギー消費を一括で算出したもの。

一次エネルギー消費量を、基準値以下に抑えることで、住宅の省エネ化を促進することになったのです。

住宅の一次エネルギー消費量

さらに、これまで公平に評価されていなかった断熱性能についても計算方法が変わります。改正前は、建物から逃げる総熱量を床面積あたりで計算していたため、床面積の少ない小住宅や複雑な形をした住宅では基準をクリアするための補正が必要でした。

今後は断熱性能を床や壁、天井などの総面積あたりで計算することになり、家の形や大きさによる影響を受けづらくなります。

断熱性能の評価方法も地域区分を細分化
温暖な地方か寒い地方か、住む場所によって求められる住宅の断熱性能は異なります。そのため、断熱性能の基準値は全国一律ではなく、地域に合わせて設定されていました。改正版では、その地域区分が細分化されて6地域から8地域に。より公平な評価が可能になります。

ハウスメーカーがさまざまな手法による低燃費住宅を提案

「省エネ基準」の改正を経て、今後は住まい全体で省エネを考えていくことになります。新基準を軸に、高断熱構造を施した家や、省エネ型設備を設置した家など、家づくりの在り方も変わっていくでしょう。

ハウスメーカーからはすでに、次世代住宅とも言える低燃費住宅の提案が始まっています。

ダブル発電したエネルギーをより効率的に利用

ダイワハウス「スマ・エコ」

ダイワハウスが打ち出す「スマ・エコ」の大きな特徴は、パナソニックと共同開発した「D-HEMS 3(ディー・ヘムス・スリー)」の搭載です。タブレットで家じゅうのエネルギー状況を確認しながら操作することで、こまめな節電が可能に。

家の外からも操作でき、中でもテレビの録画操作ができるのは業界初。太陽光とエネファームでたっぷり貯めたエネルギーを、より効率的に利用できます。

ダイワハウス「スマ・エコ」を詳しく見る

自然の良さを取り入れてエネルギーを賢く活かす

住友林業「グリーンスマート」

住友林業が打ち出すのは、環境配慮機器搭載住宅「グリーンスマート」。再生可能な資源である木を活かし、材料の調達から建設までのCO2の排出量を低減しています。

さらに、自然の風や日差しを効果的に取り入れる設計提案により、夏は涼しく、冬は取り込んだ熱を逃しにくい快適な室内空間を実現。自然素材の木と先進技術を共存させたスマートハウスです。

住友林業「グリーンスマート」を詳しく見る

住宅の省エネ化は国の方針 住まいはますます進化する

省エネ住宅はエネルギー消費を抑えられる上に、光熱費を減らすことができるのがメリットのひとつ。加えて、家電のIT化、自然エネルギーの利用、耐震の強化など、ライフスタイルに取り入れたい設備を組み合わせれば、より理想的な暮らしを実現できそうです。

国は、住宅における省エネ化計画をさらに進めており、2030年にはエネルギー消費をゼロにするゼロエネルギー住宅の普及、2050年にはすべての住宅のゼロエネルギー化を目標に掲げています。今後、住宅はますます進化を遂げていくでしょう。

2015年2月16日掲載

ガイドプロフィール
船木 麻里(ふなき・まり)
家事セラピスト、整理収納アドバイザー、フリー編集者/ライター

出版社勤務を経て、出産を機に独立。雑誌、書籍等で教育や家庭生活をテーマに幅広く取材、執筆。家事セラピストとして、自分らしく気持ちのいい暮らし方を提案。「引越し9回&立ち退き2回」の経験から引越しにも一家言あり。

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