2階に玄関!?謎の巨大タンク!!
すごすぎる、雪国の秘密!
雪国の冬は、豪雪との戦いです。大量の雪が降り積もる厳しい冬を乗り越えるために、住宅にはさまざまな工夫がされています。例えば、雪国の住宅では、雪下ろしを軽減するための屋根のつくりや雪が降っても出入りしやすい玄関など、雪があまり降らない地域で見られない工夫や設備を見ることができます。雪国に引っ越す場合は、その風土にあった住宅のつくりなどを理解しておくと良いでしょう。
雪国には、雪の降らない土地で育った人には、思いもよらない工夫がさまざまなところにされています。大量に雪が降る土地ならではの、住宅のつくりや工夫を紹介します。
豪雪の中で暮らす雪国ならではの対策
雪国(東北)出身のズバットの編集スタッフOは、東京に来たとき、電話ボックスを見て違和感を覚えたそうです。「電話ボックスに階段がない!」。東京の電話ボックスには、階段がなかったのです。なぜなら、雪国の電話ボックスは、写真のように、階段の上にあるのが当たり前。もし階段がないと、雪が積もったときに、ドアが開かなくなってしまうのです。これでは、うっかり長電話もできません。もちろん、雪対策は電話ボックスだけではありません。住宅にもさまざまな工夫がされています。
屋根や玄関、窓などに降雪や防寒の工夫
軽そうに見える雪も、大量に積もるとかなりの重さになります。豪雪地帯の住宅は、その雪の重みに耐えられるように、頑丈に作られています。しかし、それだけではありません。雪国の住宅をよく見ると、雪の降らない地域の人が不思議に思うようなさまざまな特徴を発見できます。
屋根の上のとがったでっぱり
雪国では、屋根の棟(屋根の頂点)にとがったでっぱりのある家をよく見かけます。もちろん、おしゃれで設置しているのではありません。「雪割板(ゆきわりいた)」または「雪切板(ゆききりいた)」といって、雪下ろしの作業を減らすためのものです。
スタッフのOは「屋根の上の雪は、屋根の頂点である棟でつながるとなかなか落ちてきません。しかし、雪割板があると、棟で雪がつながらないので雪の重みで自然に落ちてきます。だから、雪割板があると、屋根に上って雪下ろしをしなくても済むのです」と言います。
雪割板は、2階や3階など、雪下ろしをするのが危険な高い屋根に設置し、すべての屋根には付けません。1階の屋根は、比較的雪下ろしが簡単なので、つけないことが多いようです。
最近は、屋根を平らにして、雪を屋根の上に置いたまま太陽の熱で溶かしたり、風で飛ばししたりする設計の住宅や、屋根の雪を熱で溶かす機能を持った住宅が作られています。ただし、こういった住宅は、建物を頑丈に作ったり、メンテナンスのコストが必要になります。
ちなみに、雪を軒下に放置して、屋根まで届く高さになると、積もった雪で家が壊れてしまうので、下ろした雪を別の場所に運ばなくてはいけません。積もった雪はかなりの重さになるので、これが雪下ろし以上の重労働だそうです。しかも、何度雪を運んでも、新しい雪がまた空から降ってきます…。
階段のある玄関や2階に玄関がある家
雪国の家は、玄関にも工夫がされています。冒頭で紹介した電話ボックスのように、玄関に階段の付いた家もあります。これなら、多少雪が積もっても、家に出入りできます。中には、2階に玄関がある家もあるそうです。
スタッフOによると「最近は少なくなりましたが、昔は夏用と冬用で2つの玄関を持つ家も見かけました。夏用の玄関は庭を通ってから入る、奥まったところに作られるのに対し、冬用の玄関は道路に面したところに作られています。かなりの豪雪地帯だと、2階に冬用の出入り口を作る家もありますね」とのことです。
窓やテラスに雪囲い用の杭がある
雪国では、建物や庭の植木などを、雪から守るために、「雪囲い」をします。雪囲いとは、家の周りに柱を立てて板などで覆い、雪が屋内に入ったり、積もった雪の重みで家が破損するのを防ぎます。雪囲いに使用する木材や板は、頑丈で重く、家族が力を合わせて行う大仕事でした。
しかしそれは、昔の話。現在の雪囲いは、トタンやプラスチック製のパネルで窓などを覆うだけになり、負担もだいぶ軽減しています。
スタッフOは「窓やテラスには、写真のように雪囲いのパネルをはめ込むための杭が設置されています。ほかにも、網戸のレールにはめ込むタイプ、屋外に支柱を立てて家全体を覆うタイプなどがあります」と言います。
一冬分の灯油を貯めるタンク
雪国では、暖房に使う灯油を大量に消費します。関東ではポリタンクで灯油を買いますが、それでは追いつきません。そこで巨大なタンクを設置して、一冬分の灯油を貯蔵しておきます。写真のタンクには490リットルの灯油が入ります。
スタッフOによると、「毎日大量に使う灯油を石油ファンヒーターに入れるのも大変な作業です。しかしこの巨大な灯油タンクは、各部屋の石油ファンヒーターとパイプで接続されているので、いちいち給油する必要もありません」とのこと。灯油をたくさん使うだけあって、便利なシステムになっているようです。
雪国の家について解説しましたが、雪対策はそれだけではありません。マンションなどの共同住宅では、雪が降った朝は、車や人が通れるように、各戸の住人でマンションの周りや駐車場の雪かきをします。中には、寝坊して雪かきに参加しないと罰金を取られるなどのルールを設けているところも。また、一戸建てでも隣家との距離が近いと、下ろした雪の処理でトラブルに発展することもあります。雪があまり降らない地域から雪国へ引っ越す人は、雪国ならではの雪対策やルールにも気をつけましょう。
2016年1月29日掲載
出版社勤務を経て、出産を機に独立。雑誌、書籍等で教育や家庭生活をテーマに幅広く取材、執筆。家事セラピストとして、自分らしく気持ちのいい暮らし方を提案。「引越し9回&立ち退き2回」の経験から引越しにも一家言あり。
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