引越しの見積もりをFAXで取る時の流れと損をしないコツ

ガイド:吉田 章

FAXを使って引越しの見積もり取る際の主な流れを解説。ほか、値切り交渉のコツや、スマートフォンだけでできるFAX以外の見積もり方法なども紹介しています。

引越しの見積もりもネット環境を前提とした形が主流となっていますが、中には使い慣れているFAXで手続きを済ませたい、という人もいることでしょう。

しかし、情報革命が進む昨今、FAXに対応している引越し業者がまだあるのかどうか、ちょっと疑問ですよね。

本記事では、引越しの見積もりがFAXを使ってできるのかどうかや、手持ちのスマートフォンでできる、FAX以外の見積もり方法などについて解説します。

FAXで引越しの見積もりを取ることはできる?

すべての引越し業者が対応しているわけではありませんが、FAXによる見積もりを受け付けている業者は少なからず存在します。

また、ウェブページなどにFAX番号が出ていなくても、問い合わせれば対応してくれる可能性が。もし希望する引越し業者があるようなら、FAXでの見積もりのやりとりが可能かどうか、最初に問い合わせてみることをおすすめします。

以下は、FAXで見積もりを依頼する場合の基本的な流れです。参考にしてみてください。

準備するもの

FAXに限らず、引越しの見積もりを依頼する際は、最低限以下の情報を用意しておく必要があります。

  • 氏名
  • 電話番号 or FAX番号
  • 引越し予定日
  • 訪問見積もりの候補日(3つ程度)
  • 引越し元の住所、及び建物や周辺環境の情報
  • 引越し先の住所、及び建物や周辺環境の情報
  • 移動距離
  • 運搬する荷物の総量(特殊荷物がある場合はその旨も共有)
  • 引越しに関する要望

FAXに対応している引越し業者であれば、公式サイトなどで見積もり依頼書のテンプレートを用意しているはずです。

そちらをダウンロードして印刷し、必要事項を記入すると良いでしょう。テンプレートがワードファイルやエクセルであれば、パソコン上で入力してから印刷、という形でももちろん大丈夫です。

もし希望する業者が専用のテンプレートを用意していない、という場合は、荷物に関して可能な限り詳細に記載することが大切です。細々した荷物は、段ボール換算で何箱。大型家具、家電の場合は、大きさと数を列挙して、正確な見積もりを出してもらうよう努めましょう。

FAX見積もりの方法と注意点

必要な書類を用意したら、あとは送信して結果を待つだけなのですが、FAXだけでは確定料金が出ない可能性もあります。というのも、引越しの見積もりは、問い合わせ時の概算見積もりと、訪問による詳細見積もりの二段階を踏むのが一般的だからです。

荷物量が少なく、明らかに最小限の人員・トラックで運搬できる場合を除き、訪問見積もりを依頼することになるでしょう。

もちろん要望を出せば、訪問見積もりなしという形も取れます。ただその場合、万が一にも積み残しが出ないよう、引越し業者は余裕を持ってトラックや人員を割り当てます。料金が上振れする可能性が否めません。

FAXで問い合わせをする際は、訪問見積もりの要否等を含めて、きちんと要望を伝えることが大切です。

FAX以外に引越し見積もりを取る方法

FAXによる見積もりは、一度書面にしなければならない分、やりとりに時間や手間が掛かります。

だからと言って電話は、業者のスタッフと直接話をするのが地味に負担ですよね。強引な営業があるのではないか、と不安に感じる人もいることでしょう。IT技術の発展もあって、最近はより手軽に見積もりを依頼することができるようになっています。

たとえば、以下のような手段です。

自動の引越し見積もりシミュレーションツール

大手の引越し業者の中には、公式サイトで無料のシミュレーションツールを公開しているところがあります。

診断テスト形式のようになっていて、用意されている選択肢から該当項目をクリックしたり、必要事項を入力したりすることで、即時に見積もり額を算出してくれます。

正確性に欠けるのが難点ですが、おおまかな見積もり金額を知りたい時には重宝するでしょう。

問い合わせフォーム

問い合わせフォームは、公式サイトに用意されている専用の入力欄に必要事項を入力し、送信ボタンを押すことで、業者への連絡や見積もり依頼が出せるという仕組みです。人がチェックしますから即時というわけにはいきませんが、シミュレーションツールよりは正確な見積もりが期待できます。

希望の連絡先にメールアドレスを指定しておけば、業者と直接やりとりする必要もありません。

写真アプリ

スマートフォンを持っているなら、引越し見積もりに特化した専用の写真アプリを使うのも手です。都市圏に限られますが、引越し予定日や住所、間取りを入力し、部屋と荷物の写真を撮影するだけで、見積もり額を算出してもらうことができます。

アプリによっては、見積もり機能以外に、引越し時の作業のチェックリスト、スケジューリングなどの便利機能が組み込まれているものもあります。

ビデオチャット

ビデオチャットアプリを使った見積もりに対応している業者もあります。

こちらは、遠隔での訪問見積もりとも言え、荷物量が多くともその場で確定金額を出してもらえるというのが大きなメリット。対応している業者は多くありませんが、必要最小限の手間で引越し日当日を迎えることができます。

一括見積もりサービス

引越しの料金を抑えたいなら、相見積もりを取って料金を比較するのがもっとも効率的。

一括見積もりサービスは、そうした場合に役立つ、複数の業者にまとめて見積もりを依頼できるウェブサービスです。

引越しの料金は条件により大きく変わりますから、手っ取り早く自身のケースの相場感を把握したい場合などにも、活用できるでしょう。

本当に必要?引越しの訪問見積もりの基礎知識

引越しは、一般的なサービスと違って手続きが少々入り組んでいます。万が一にも積み残しが出てしまうのを避けるために、概算見積もりの後に訪問での正確な見積もりを出す、という流れになっているのです。

続いては、意外に知られていない、訪問見積もりの基礎知識を解説します。

メリット

訪問見積もりのメリットは、正確な見積もりを出してもらえるという点です。電話やFAXなどで荷物量を伝えることもできますが、梱包もされていない荷物の分量を専門知識もなしに判断するのは難しいでしょう。

また、建物や周辺の道路状況も読めませんから、業者は必然的に、ある程度余裕を持って見積もりの金額を出します。つまり、高めの料金が提示されるわけです。

訪問見積もりであれば、こうした調整がいらず、必要十分な金額を見積もってもらうことができます。

デメリット

一方のデメリットは、対応の手間が発生することです。見積もりに掛かる時間はケースバイケースですが、訪問の段取りや掃除の時間などを含めると、見積もりだけのために1時間弱は拘束されることになります。

また、引越し業者とはいえ赤の他人を自宅に上げなければならない、という点も、抵抗を感じる人にとってはデメリットになるでしょう。

訪問見積もりなしの場合

引越しの料金は、線形ではなく、階段状に上がっていきます。基準は、トラックのサイズで考えるとわかりやすいでしょう。当然と言えば当然ですが、軽トラックより2トントラック、2トントラックより3トントラックの方が、高くなるわけです。

そのため、荷物が明らかに一番小さいトラックに乗り切る場合は、訪問してもしなくても、料金はさほど変わりません。こういうケースでは、電話問い合わせだけで、訪問見積もりなし、という形の対応となることが多いです。

また、引越し業者の中には、荷物が多くても希望すれば訪問見積もりなしで手続きを進めてくれる業者も。そのぶん料金は高くなりますし、万が一積み残しが出た場合には追加料金が発生する可能性もあります。

自己責任が前提ですが、もし訪問見積もりを省略したい場合は、事前にその旨を相談してみると良いでしょう。

当日までの準備

訪問見積もりは、建物や周辺の道路状況、運搬する荷物量を確認するために行うものです。簡単な掃除や、運搬する荷物の整理などはやっておいた方が無難ですが、基本的には業者を出迎えるだけで大丈夫です。

注意したいのが、屋外に置いている自転車や家電製品などを忘れずにチェックしてもらうことです。サイズが大きい荷物を伝え忘れると、後で見積もり額が高くなってしまう可能性があります。運搬してもらう荷物はすべて申告することが大切です。

引越し業者に確認すること

一口に見積もりと言っても、その内訳は引越し業者によって違います。たとえば梱包だったり掃除だったりといったサービスが、料金に組み込まれている業者とそうでない業者(別途オプション料金が掛かる業者)がいます。

見積もりを確認する際は、金額だけでなく、内訳をしっかり確認することが大切です。

ほか、引越し作業に関する希望や不明点などがあれば、この段階で洗いざらい問い合わせておきましょう。

注意点

訪問見積もりを依頼したからと言って、必ずしも契約をしなければならないわけではありません。

また、国土交通省が定める標準引越運送約款で、見積もりには料金が掛からない旨が明記されていますから、たとえ契約しなかったとしても料金は掛からないのが一般的です(見積もり以外の部分で料金が発生する可能性はあります)。

とは言え、依頼する側も業者側も、小さくない手間が発生します。闇雲に依頼するのではなく、あらかじめ概算見積もりなどで候補を絞り込んでおくと、ミスマッチのリスクを抑えることができるでしょう。

一般的には、訪問見積もりを依頼するのは三社程度であることが多いです。

余裕を持って準備を!引越しの見積もりから契約までの流れ

続いて、見積もりを取るまでに必要なステップを紹介します。

新居を探す

見積もりを出すには、最低限、荷物の量と移動距離を把握する必要があります。

したがって、業者探しをする前に、まず新居を決定するのが一般的。ただ、何らかの事情で早期に引越し先がわからないこともあるでしょう。たとえば転勤など会社都合が絡むケースでは、自分のペースで新居を探せないことが考えられます。

その場合は、市町村程度まで絞り込んでいれば、見積もりに対応してくれる業者が多いです。

依頼する引越し業者を複数ピックアップする

新居に目星をつけたら、依頼する引越し業者を探します。最初から希望する引越し業者が決まっていれば別ですが、大抵の場合、料金や評判などを基準に候補を絞り込んでいくこととなります。

ただ、一社一社に問い合わせをするのは手間も時間も掛かります。手間を省きたいなら、一括見積もりサービスなどを利用するのがおすすめです。

概算見積もりを出してもらったら、三社程度まで候補を絞り、訪問見積もりを依頼します。

訪問見積もりで得た内容をもとに依頼業者を決定する

同じ時間に複数の業者を集めるのは、業界の慣習的にNGとされています。訪問見積もりは、一社一社個別に手配しましょう。

段取りを組む際は、概算見積もりが高い順にスケジューリングすることをおすすめします。競合他社の金額を出して交渉すれば、値段の交渉もしやすいからです。

概算見積もりは、値引き交渉を前提に提示されている側面があります。頭ごなしに値下げを要求するのは良くありませんが、節度を保って交渉すれば、高確率で最初の金額よりも安くなるでしょう。 訪問見積もりを終えたら、得た情報をもとに依頼業者を決定し、それ以外の業者には断りの連絡を入れます。

引越しのトラブルを防ぐために

あまり考えたくないことですが、引越しで思わぬトラブルが発生する可能性もゼロではありません。そうしたリスクをできる限り低くするために、押さえておきたい注意点を解説します。

引越し業者にはハッキリと意思表示する

引越しの契約は、見積もりなしには締結されません。そして見積もりまでは、基本的に料金が発生しない取り決めとなっています。引越し業者も商売ですから、何とか契約に漕ぎつけようと営業トークに熱が入ってしまうことがあります。気をつけたいのは、そうした熱意に押されて、答えを濁してしまうことです。

たとえば訪問見積もりの際などに、その場をやり過ごすためだけに曖昧な返事をしたり、不用意に書類にサインしてしまったりすると、自覚なしに契約を結んでしまうことが考えられます。

特に複数の業者に相見積もりを取る時は、全業者が出揃ってから結論を出す旨、あらかじめきっぱり伝えておくことをおすすめします。メールやFAXなど、電子的に記録が残る通信ツールを使うのも良いでしょう。

解約や延期の連絡は三日前までに済ませる

国土交通省が提示する標準引越運送約款には、解約や延期に関して、三日前までなら無料で実施できる旨が定められています。これより遅いと違約金が発生し、前々日の連絡で料金の20%以内、前日の連絡で30%以内、当日の連絡で50%以内、と上限が高くなることに。

そのため、もし何らかの事情で解約や延期をする場合は、遅くとも三日前までに連絡を済ませておくことが重要です。

ちなみに、ほとんどの引越し業者は、予定日の三日前までに確認連絡をくれます。これも標準引越運送約款に定められているルールです。

もし、三日前までに連絡ができなかった場合でも、確認連絡がなければ、違約金は発生しません。こうしたケースに陥る可能性は低いかもしれませんが、参考までに頭の片隅に置いておいていただければと思います。

契約内容をきちんと確認する

引越しの見積書は、契約書を兼ねていることが多いです。

数字だけに目が行きがちですが、どのような項目に料金が発生しているのか、契約前にしっかり確認しておきましょう。

期待していたサービスが実はオプションプランで、別途料金が発生する、というケースも見られます。

また、明文化されていない口約束は、後で「言った」「言わない」のトラブルに発展するリスクがあります。契約内容に関して、不明点・疑問点がないよう、あらかじめしっかり確認しておくことが大切です。

2020年12月27日掲載

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ガイドプロフィール
吉田 章(よしだ・あきら)
株式会社ウェブクルー 引越し関連サイト 営業担当

株式会社ウェブクルーが運営する引越し関連サイトの営業担当者。引越しに関する造詣の深さを活かし、営業担当として活躍中。

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