引越し業者の対応は?引越し中に物損事故が起きた際の注意点

ガイド:吉田 章

引越し中の事故によって荷物が破損してしまった場合、補償を受けることはできるのでしょうか。事故が起きた際の対処方法についてや、トラブルを起こさないための引越し準備の方法を詳しく解説しています。

引越しの際は、大きな家具や家電、重いダンボールなどを運ぶ作業があり、思わぬ事故が起きてしまうことがあります。ここでは、万が一引越し中に事故が起きてしまった場合の対処法や、トラブルを起こさないための引越し準備について解説しています。

これから引越しを控えているという方は、ぜひ参考にしてみてください。

引越し業者の対応は?引越し中に物損事故が起きた際の注意点

物損事故が起きた場合、引越し業者に補償してもらえる?

引越し作業中、引越し業者が壁や床を傷つけてしまったり、家具などを壊してしまったりした場合、引越し業者にはそれを補償する義務があります。

依頼主の大切な荷物を守るために保険に加入しているため、万が一のトラブルの際には、その保険の補償範囲で荷物の補償を受けることができるのです。

引越し中の物損事故で使える2つの保険

引越しに関する2つの保険についてそれぞれ解説します。

運送業者貨物賠償責任保険

引越し業者は、運送業者貨物賠償責任保険という損害保険に加入しています。

これは引越し業者と依頼主間のトラブルを防ぐために加入する保険で、もし引越し作業中に物損事故が生じた場合には、この保険の補償範囲内で補償を受けることができます。ただし内容によっては補償の対象外となるものもあるため、見積もり時に提示される約款をきちんと確認しておきましょう。

引越荷物運送保険

この保険は、依頼主側が個人で加入する保険です。引越し業者によっては、この保険がすでにプラン内に入っている場合もあるため、事前に確認してみましょう。

保険料の相場は1,000~2,000円程度。依頼主が荷物を落としてしまった場合や、引越し中に盗難にあってしまった場合など、引越し業者の過失以外でも補償を受けられる可能性が高いため、任意ではありますが加入しておくと安心でしょう。

引越し中に物損事故が発生した場合の対処方法

もし引越し中に物損事故が発生したら、どのように対処すれば良いのでしょうか。事前に理解しておけば、その後のやりとりをスムーズに行うことができます。

物損事故を目撃したら

引越し作業中に、引越し作業員がダンボールを落としたり、家具をぶつけたりしてしまったところを目撃したら、すぐに現場の責任者に報告をしてください。

その際、可能であれば壊れてしまったものや傷がついてしまった箇所をスマートフォンなどで撮影しておくのがおすすめです。写真を撮っておけば撮影日や撮影時間が記録されるため、証拠として残すことができます。

また、引越し業者は、事故証明書の発行を要請された場合それに応じなければいけません。双方でどのように事故が起こったのかをきちんと確認して、事故証明書の発行をお願いしましょう。

作業後に物損を見つけたら

引越し作業完了後に物損を発見することもあるでしょう。引越し作業中は何かと忙しいですから、作業員が帰って荷ほどきが落ち着いた頃に発覚するというケースも少なくありません。

作業後に物損を見つけたら、できるだけ早く引越し業者に連絡を取ります。気が付いた段階ですぐに写真を撮るなどして記録を残しておくのがおすすめです。

業者にもよりますが、多くの場合、スタッフが破損の状態を確認に来て、その後の対応を話し合うことになります。

引越し業者が応じてくれない時は?

引越し作業中に物損事故があった場合補償を受けることができますが、なかにはそれに応じてくれない悪質な業者もいます。

というのも、業者は物損事故に備えて保険に加入しているものの、多少の修理代は会社の利益から負担していることがほとんど。そのため、できるだけ損失を出したくないという思いから、言い逃れをして交渉に応じてくれない場合があるのです。

しかし、確実に業者の過失であれば泣き寝入りする必要がありません。引越し作業中に起きた損害であるという証拠をできる限り提示して、冷静に交渉を行うようにしましょう。

大きなトラブルに発展させないための引越し準備

気持ちよく新生活をスタートさせるためには、大きなトラブルなく引越しを終えたいもの。ここでは引越し業者とのトラブルを防ぐための引越し準備について解説します。

補償内容を事前に確認しておく

万が一の事故のことを考えて、引越し業者との契約時には補償内容をしっかりと確認しておきましょう。

保険に加入しているからといって、すべてのものが補償されるというわけではありません。たとえば、宝石や貴金属、美術品、骨董品などは補償の対象にはならないため、万が一引越し中に破損してしまっても補償を受けることができないのです。

引越し業者には、見積もり時に約款を依頼主に提示するよう義務付けられています。どんなものが補償の対象になるのか、補償の上限額はどれくらいかなど、細かい部分まできちんと事前にチェックしておくと安心です。

事前に荷物の状態をチェックしておく

当たり前のことですが、引越し作業中以外に、家具に傷がついたり、物が壊れてしまったりしても、それを補償してもらうことはできません。

もし引越し後に破損を見つけたとしても、それが引越し作業中に起きたものだということを理解してもらえなければ、補償を受けることは難しいのです。

そのため、大切にしているものや壊れやすいものは事前に状態をチェックしておきましょう。また、特に慎重に運んで欲しいものがある際は、業者のスタッフにその旨を伝えて注意して運んでもらうようにすると安心です。

荷物はわかりやすく梱包しておく

ダンボールは、ガムテープで綴じてしまうと中に何が入っているかわからなくなってしまいます。丁寧に梱包することはもちろん、さらにダンボールの外側のよく見えるところに何が入っているかをきちんと書いておくことで、引越し業者のスタッフも、慎重に扱うことができます。

書くのが面倒な場合は、壊れ物のダンボールだけ違う色のガムテープで梱包し、その旨をスタッフに伝えておくという方法がおすすめです。

きちんと養生をしてもらう

いくら引越しのプロだといっても、大きな家具などを運ぶ際には、壁などにぶつかってしまうこともあります。そのため、養生はとても大切。中には養生をせずに作業をする業者もあるため、契約時に確認しておきましょう。

養生をする前には、まず部屋の中に傷がないか確認しておきます。部屋のコーナーや階段の壁は、大きな家具を運ぶ際に特に傷がつきやすいので注意が必要です。

引越し時に壊れやすいものの梱包方法

きちんと梱包をすれば、引越し中に物が破損するのを防ぐことができます。特に壊れやすいものの正しい梱包方法を見ていきましょう。

食器・コップ

もっとも壊れやすいのが食器類。新聞紙や専用の緩衝材などを使って丁寧に包みましょう。

平皿や茶碗は、一つずつ新聞紙などの緩衝材の上に乗せて、包み込むように内側に折り返します。重ねた状態で包むと食器同士が当たって割れやすくなるため注意しましょう。

コップ類も同じように内側に織り込むように全体を包みます。取っ手がついているものは、取っ手部分も忘れずに包むようにしてください。

ダンボールに詰める際は、できるだけ隙間がないように詰め込み、空いている部分にはさらに緩衝材を詰めて、揺らしても食器が動かない状態がベストです。

調味料類

調味料は瓶詰めになっていることが多いほか、使いかけだと蓋が開いてダンボールの中でこぼれてしまうこともあります。

醤油やお酢など瓶タイプの調味料は、蓋をテープなどできっちりと止めてから新聞紙などの緩衝材で包むようにしましょう。可能であれば1本1本ビニール袋に入れておくと安心です。

塩や胡椒などの小瓶は、全体をラップで包んでから新聞紙で包むのがおすすめ。砂糖や小麦粉などの粉物は、密閉できるタッパーに移すか、袋の口をきっちりとめて一つずつビニール袋に入れておくと、漏れたり飛び散ったりするのを防ぐことができます。

電化製品

洗濯機や冷蔵庫などの大きな電化製品はそのまま運んでもらうことができますが、炊飯器やポットなどの小型の家電は、ダンボールに梱包して運びやすい状態にしておきましょう。

購入した時に入っていた箱があればそれに入れるのが良いですが、ない場合はできるだけ同じサイズの箱に入れて、隙間に緩衝材を詰めて固定します。

鏡

鏡台など、取り外しができない場合はそのまま運んでもらうことができます。しかし、全身鏡や小さな置き型の鏡などはきちんと梱包しなければいけません。

小さな鏡は、緩衝材などで包んでダンボールに詰めましょう。できるだけダンボール内に隙間がなくなるようにタオルなどを詰め込んでおくと安心です。

全身鏡は緩衝材で二重、三重に包みます。緩衝材がない場合は、バラしたダンボールで包むのがおすすめです。

そのほか注意すること

荷物を梱包する際は、緩衝材を使ってきっちり物を包むこと、ダンボール内は隙間がないように詰め込むことが重要です。

また、ダンボールを組み立てる際は、十字型にガムテープを貼ると底が抜けてしまう可能性があるため、より強度が増すようH型に貼るのがおすすめです。

安心して任せられる引越し業者の選び方

事故なくスムーズに引越しを終えるためには、安心して任せられる引越し業者を選ぶことが大切です。より良い引越し業者を選ぶための3つのポイントをご紹介します。

スタッフの対応をみる

引越し業者を選ぶ際、サービスの内容や料金に目がいってしまいがち。しかしより良い引越し業者を選ぶためには、スタッフの対応もしっかりチェックしておきましょう。

特に見積もりの際の対応は要チェック。こちらの質問や要望にきちんと答えようとしてくれているか、真摯な対応をしてくれているかで、安心して引越しを任せられる業者かどうかを判断することができます。

口コミ評判をチェックする

業者の評価をチェックするためには、実際にその引越し業者に依頼をした人の口コミ評判を見るのがおすすめです。

中には、トラブルが起きてしまった際の対応について書き込まれている口コミもあります。万が一のトラブルに備えて、どんな対応をしてくれたかをチェックしておくと安心です。

複数の業者と比較する

引越し前は何かとバタバタするため、さっさと業者を決めてしまいたいと、焦って契約をしてしまう方も多いかもしれません。しかし大切な荷物を任せることになるため、できれば複数の業者を比較して、一番良いと思える業者に依頼をしたいものです。

業者を比較する際は、一括見積もりサービスを使うと便利。一度に複数の業者から見積もりを取ることができるため、時間も手間も省くことができます。

また、スタッフの対応についても、複数の業者を比較することで良し悪しを判断しやすくなります。

業者を使わず自分で引越しをする際に注意したい事故

引越し業者を使わずに引越しをするのであれば、事故が起きないよう、より注意が必要です。自力の引越しでよくある事故についてご紹介します。

家具や家電の破損

引越し業者は、これまでたくさんの引越しを経験しているプロですから、大きな家具や家電などを運ぶノウハウがあります。しかし自力で引越しをする場合は、慣れない梱包、養生、荷物の搬入・搬出、運搬などの作業を全て自分自身で行わなければいけないため、注意が必要です。

友人や家族に手伝ってもらうという人もいるかもしれませんが、思わぬトラブルで関係性が悪くなってしまうことにもなりかねません。自分の荷物量や家具・家電の種類を考慮して、心配な方は引越し業者に依頼をした方が良いでしょう。

物件の共用部の破損

家具や家電は、自分自身のものですから、万が一壊してしまったとしても他人に迷惑をかけることはありません。

しかし、賃貸物件の壁や床などを傷つけてしまった際には、修繕費用を支払うことになります。自力引越しの場合、もし作業中に破損などのトラブルが生じても補償が受けられないため、全て自腹で支払わなければいけないのです。

引越し費用を節約するために業者に依頼しなかったにもかかわらず、結局は余計な出費が発生することに。そうならないためにも、壁や床の養生はしっかりと行いましょう。

レンタカーの破損

自力で引越しをする際、レンタカーを借りるという方も多いでしょう。しかし、普段運転をあまりしない方は注意が必要。慣れない運転で事故を起こしてしまう可能性があります。

また、普段から運転をしている方でも、乗り慣れない車だと運転しづらいもの。特に引越しに使うトラックは車体が大きいため、事故が起こりやすいといえます。

レンタカーの運転に自信がない方は、車の運転に慣れた人に手伝ってもらうか、業者への依頼を検討することをおすすめします。

2021年2月26日掲載

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ガイドプロフィール
吉田 章(よしだ・あきら)
株式会社ウェブクルー 引越し関連サイト 営業担当

株式会社ウェブクルーが運営する引越し関連サイトの営業担当者。引越しに関する造詣の深さを活かし、営業担当として活躍中。

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