賃貸マンション・アパートの「火災保険」を有効利用!
日常生活での損害賠償もカバーしてくれる

ガイド:船木 麻里

賃貸住宅に入居する際には、火災保険への加入を求められるのが一般的です。2年契約の物件では、入居手続きの際に2年分の保険料を一括で支払うのが通例になっています。しかし、その補償内容をきちんと把握している人はほとんどいないのではないでしょうか。補償内容を知らないせいで、大きな損をしているかもしれません。
賃貸住宅への入居時に加入する火災保険には、「借家人賠償責任保険」と「個人賠償責任保険」がセットになっているケースが多々あります。注目は「個人賠償責任保険」。これは「誤って他人の車にキズをつけてしまった」「自転車で人にぶつかってケガをさせてしまった」といった日常生活における損害賠償をカバーしてくれるものです。「入居するための義務」程度の認識しかないかもしれませんが、日々の暮らしに存在する「万が一」を幅広くサポートしてくれるのが、賃貸住宅の火災保険なのです。

賃貸住宅への入居時に加入する火災保険には、通常、「借家人賠償責任保険」と「個人賠償責任保険」がセットされています。補償範囲は意外に幅広く、日常生活でのトラブルもカバーしてくれるものなので、ぜひ一度、補償内容を見直してみてください。

何のために火災保険に加入するの?まずは基本を確認

まずは、賃貸住宅に入居する際、なぜ火災保険への加入が必要になるのかを確認していきましょう。

火災保険に加入する理由は大きく分けてふたつあります。ひとつは「自分の家財を守る」ためです。そもそも賃貸住宅の建物自体には、不動者会社や大家などの貸主が火災保険をかけている場合がほとんど。そのため、たとえ火災が起きて建物が消失したとしても損害は補償されます。

しかし、入居者が持ち込んだ家財は、貸主がかけている保険が適用されません。また、たとえ隣家から出火した火事で自分の家財が損害を受けたとしても、隣家に重大な過失がない限り損害賠償を請求することができません(「失火責任法」による)。部屋の中にある家財道具の損害をカバーするためには、自分で火災保険に加入しておく必要があるのです。

ちなみに火災保険では、「火災」「落雷」「爆発」「風災」「水災」「雪災」「盗難」などによる損害を補償してくれるのが一般的です。

もうひとつの理由は、自分が建物に対して与えてしまった損害をカバーするため。火災などを起こしてしまうと、建物に大きな損害が発生します。この損害は失火責任法によって免れることはできず、入居者が貸主に賠償をしなければなりません。なぜなら、賃貸契約には「原状回復義務」があり、借りた物件を元の状態で貸主に返す義務があるからです。

そこで通常、火災保険にセットされているのが「借家人賠償責任保険」。この保険に加入しておくと、貸主に対して損害賠償責任が発生したときに保険金が支払われ、万が一、火災や水漏れを起こしてしまったときに備えることができるのです。補償範囲は保険商品によって異なり、失火や水漏れだけでなく、室内の破損を補償してくれるものもあります。

日常生活のさまざまなトラブルを「個人賠償責任保険」でカバー

さらに注目してほしいのが、賃貸住宅入居時に加入する火災保険にセットされていることが多い「個人賠償責任保険」です(特約で付帯する場合もあります)。

これは、契約者本人やその家族が、他人にケガを負わせてしまったり、他人の物を壊してしまったりしたときに、その損害を補償してくれるもの。前述した建物に対する補償とは性質が異なり、日常的に起こり得る以下のようなトラブルの損害賠償が補償の対象となります。

  • ●子供が誤って他人の車にキズをつけてしまった
  • ●自転車に乗っていて他人にぶつかりケガをさせてしまった
  • ●ベランダのプランターを落として駐輪場の自転車を壊してしまった
  • ●ペットの犬が隣人に噛みついてケガをさせてしまった
  • ●洗濯機が水漏れを起こして階下の部屋を汚してしまった

「誤って他人の物を壊してしまった」といったトラブルはよくあるものです。そんなとき皆さんは、自費で弁償をしなければならないと思い込んではいないでしょうか。実は個人賠償責任保険によって、保険金が支払われるケースもあるのです。

火災保険は、賃貸物件の入居者なら誰もが加入している保険です。ところが、多くの人は、契約内容をよく知らなかったり、契約したことすら忘れています。自分が加入している火災保険に個人賠償責任補保険が付帯しているかどうか、ぜひ一度確認してみてください。

退去時には火災保険の解約手続き忘れずに
退去時の解約手続きを忘れないようにしましょう。解約手続きを忘れると、銀行口座から継続して火災保険料が引き落とされてしまう場合があります。また、賃貸契約の期間中に退去する場合は、火災保険も途中解約することになるので、残りの期間に応じた解約返戻金を受け取ることができます。解約時は、保険会社に連絡をし、書面で手続きを行うのが一般的です。
※保険・特約、その他の名称や補償・サービス内容は、保険会社、契約内容によって異なる場合があります。詳細は各保険会社の重要事項説明書、約款等をご確認ください。

2013年10月25日掲載

ガイドプロフィール
船木 麻里(ふなき・まり)
家事セラピスト、整理収納アドバイザー、フリー編集者/ライター

出版社勤務を経て、出産を機に独立。雑誌、書籍等で教育や家庭生活をテーマに幅広く取材、執筆。家事セラピストとして、自分らしく気持ちのいい暮らし方を提案。「引越し9回&立ち退き2回」の経験から引越しにも一家言あり。

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