シェアハウスは「寄宿舎」!?
東京都が11月25日まで建築基準見直しの意見を募集

ガイド:船木 麻里

ひとつの建物に複数人が住む「シェアハウス」は、新しい住居のスタイルとして都心を中心に広がりつつあります。そのシェアハウスが2013年9月に建築基準法上の「寄宿舎」として明確に規定されました。通常の住宅とは異なる寄宿舎とされたことで、防火対策や火災時の避難路の確保など安全基準のハードルが高くなった結果、シェアハウスのほとんどが建築基準法の規定を満たせない違法建築に。このような状況の中、東京都では条例の見直し案を取りまとめるべく、都民からの意見募集を行うなど、より現実に則した安全基準の作成に乗り出しています。

2014年11月25日まで、東京都ではシェアハウス等の寄宿舎に関わる建築基準見直しについて意見を募集しています。現状と見直しが必要な理由を解説しましょう。

法令上「寄宿舎」扱いの「シェアハウス」に見直しを求める声

ひとつの住まいを複数の住人が共有して暮らす「シェアハウス」は、新しい住居のスタイルとして注目されています。しかし今、シェアハウスの建築基準を巡って議論が巻き起こっているようです。

そのきっかけとなったのは、およそ1年前の2013年9月に、国土交通省が「違法貸しルーム」の対策に動き出したこと。違法貸しルームとは、マンションの一室を薄い壁で区切っただけの作りで、建築基準法の規定を満たしていないままに複数住人が居住実態がある部屋のことです。

国土交通省では、違法貸しルームの増加に歯止めをかける目的で、シェアハウスやグループホームも含め、ひとつの住居に複数人が居住している形態の物件を一律に建築基準法上の「寄宿舎」と規定。一般の住宅よりも厳しい防火対策を求めることで規制を強化したのです。

シェアハウスが建築基準法の寄宿舎であると明示されたため、「間仕切り壁を準耐火構造にして天井まで通す」「各部屋に窓を設ける」など、より高い防火性能が求められるようになりました。

ところが、シェアハウスの中には、一般の住宅を活用したものも数多くあります。それらのシェアハウスは、寄宿舎としての基準を満たすために、多額の費用をかけての改築が必要となってしまったのです。

シェアハウスを運営する事業者の団体である一般社団法人 日本シェアハウス・ゲストハウス連盟では、戸建住宅を使用したシェアハウスのほとんどが、建築基準法違反という状況が継続していることから、国交省に対しシェアハウスを寄宿舎とした見解についての見直しを求めています。

都民への意見募集でより現実的な建築基準の適用を

このような状況の中で、シェアハウスが多く存在する東京都では、寄宿舎の建築基準を見直す方向で動き出しています。すでに「東京都建築安全条例に基づく寄宿舎に係る建築基準等についての見直しの考え方」を取りまとめており、2014年11月25日まで、都民から寄宿舎の建築規準についての意見を広く募集中。それをもとにを東京と建築安全条例の見直しをまとめると発表しています。

シェアハウスをはじめ、住まいの選び方、暮らし方は多様化しています。既存の住宅、廃校となった学校などの有効活用を考えると、住居の規模や形態、地域の状況をかんがみて、現実的な基準を策定することが求められています。

2014年11月19日掲載

ガイドプロフィール
船木 麻里(ふなき・まり)
家事セラピスト、整理収納アドバイザー、フリー編集者/ライター

出版社勤務を経て、出産を機に独立。雑誌、書籍等で教育や家庭生活をテーマに幅広く取材、執筆。家事セラピストとして、自分らしく気持ちのいい暮らし方を提案。「引越し9回&立ち退き2回」の経験から引越しにも一家言あり。

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