家賃の値下げ交渉術を徹底解説!
引越しシーズン&家賃高騰期を攻略する

ガイド:船木 麻里

賃貸物件の家賃は下がらないと考えていませんか。実は、交渉をすると意外に簡単に値下げをしてくれるものなのです。ただし、交渉をスムーズに進めるには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。まずは、家賃交渉が可能な物件と困難な物件を見分けること。建物が古い、交通の便が悪いなど、何らかのマイナス要素があれば、交渉の余地はあります。交渉を切り出すタイミングは申込みの直前で、低姿勢が基本。「5,000円安くなりませんか」などと具体的な数字を出すと、不動産会社も大家と交渉しやすくなり、成功率は上がります。

3月~4月は1年のうちで最も引越しが多いシーズンです。部屋探しをしている人も多いでしょう。毎月の家賃を少しでも安くしたいなら、不動産会社と交渉することが大切。家賃交渉がしやすい物件の見分け方や、賢い交渉術を紹介します。

賃貸物件の間取り図と家賃計算

値下げ成功の近道は「借りる意志」と「具体的な金額」の提示

部屋探しをするときに最も気になるのが家賃です。実は家賃は、一年中同じ金額ではありません。春の進学や就職に備えて部屋探しに奔走する人が増える2月~3月は、1年のうちで最も家賃の相場が高騰する時期。売り手市場になっているので、不動産会社や大家が家賃を高く設定しているケースがあったり、値下げ交渉も難しいと言えます。

しかし、家賃の値下げ交渉が絶対に無理かと言うと、そんなことはありません。不動産会社や大家の立場を考えて賢く交渉することで、数千円、数万円の値下げが実現することもあるのです。

それでは、どんなタイミングで、どのような方法を用いて交渉するのが効果的なのでしょうか。具体的な交渉のテクニックを解説していきましょう。

マイナス要素のある物件は交渉しやすい

「家賃を安く」といっても、複数の人が取り合っているような人気物件は交渉に応じてもらいづらいもの。まずは、どんな物件なら家賃交渉をしやすいのか知ることが大切です。基本的には、マイナス要素を持った物件に交渉の余地があると言えます。

  • ●築10年以上経っている
    部屋を借りる側には、築10年をひとつの節目と考えて借り控えする傾向があります。特に、築10年を少し過ぎた物件は、人気の高い新築物件に比べると設備が古いわりに、20年、30年経っている物件のように家賃を下げていないケースがあり、値下げ交渉の狙い目と言えます。

  • ●交通の便が悪い、駅から遠い
    最寄り駅までバスを使う必要がある、徒歩15分以上かかるなど、利便性が悪い物件は需要が下がる傾向があります。また、快速や急行が止まらない駅も同様。「借りたいけど、急行が止まらないから…」と、値下げ交渉を切り出せそうです。

  • ●見学時に見つけた部屋のキズや、設備の古さ
    物件見学の際は、部屋の隅々まで細かく見るようにしましょう。物件資料ではわからない部屋のマイナス要素が見つかるかもしれません。例えば、「床がギシギシと音を立てる」「両隣や上の階の音が騒がしい」「廊下などの共用部分が汚れている」など。「物件は気に入ったけれど、長く住むにはちょっと…」と、懸念点を押し出してみましょう。
  • 具体的な金額を示して申込み直前に交渉を

    次に、家賃交渉をする際のポイントについて解説します。家賃交渉のタイミングは、資料の確認や物件の見学を終えて、申込みをする直前に「あとひと声」と切り出すと効果的です。しかし、不動産会社に漠然と「安くしてくれ」と投げかけるのは無謀というもの。「ここだけは譲れない」という、自分なりの条件を決めてから交渉に当たりましょう。

    「あと5,000円安ければ申し込みます」
    「家賃が●●円まで下がるなら即決します」

    具体的な数字を出すと、不動産会社が大家に交渉しやすく、値下げ成功の可能性は高まります。目安として事前に周辺の家賃相場を調べておくといいでしょう。

    「とても気に入ったのですが、予算オーバーなんです」
    「親身になってもらったのでこちらで決めたいのですが、礼金2ヵ月は厳しいです」

    どうしても借りたいという意志をきちんと伝えて、安くなるなら借りたいという気持ちを押し出しましょう。あくまでも低姿勢で、前向きな態度を見せることが大切。相手に「ぜひとも、この人に貸したい」と思わせれば大成功です。

    注意!こんな家賃交渉は嫌われる
    ・値下げして当然という横柄な態度をとる
    ・家賃を下げて、敷金・礼金はなくして…などと要求が多い
    ・物件も見ずにいきなり値下げ交渉を始める
    ・できるだけ安くなどと、曖昧な希望しか言わない
    ・申込み後や入居審査後に交渉を始める

それでもダメなら他の不動産会社・部屋を引き合いに

それでも値下げ交渉に失敗してしまう場合は、最後の手段を使います。「他の不動産会社でも迷っている物件があるので、提示した金額が無理ならあきらめる」と切り出してみましょう。ただし、うまくいかなかったときに、その物件をあきらめる覚悟が必要です。

家賃の値下げをあきらめて、礼金の値下げに転じてみるのもひとつの方法です。礼金は法的に根拠のある制度ではありません。そのため、ほかに入居希望者がいない物件では、比較的、値下げの交渉をしやすいと言えます。「すでに入居している人の手前、家賃を下げにくい」と大家が考えている場合でも、礼金であれば交渉に応じてくれるでしょう。

家賃は、一度入居すると下げることが容易ではなくなります。その金額に納得して入居したことになるからです。もし1万円安くなれば、1年間で12万円もお得になる計算。手間を惜しまず、試してみてはいかがでしょうか。

2015年2月25日掲載

ガイドプロフィール
船木 麻里(ふなき・まり)
家事セラピスト、整理収納アドバイザー、フリー編集者/ライター

出版社勤務を経て、出産を機に独立。雑誌、書籍等で教育や家庭生活をテーマに幅広く取材、執筆。家事セラピストとして、自分らしく気持ちのいい暮らし方を提案。「引越し9回&立ち退き2回」の経験から引越しにも一家言あり。

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