忘れずにチェック!
見逃してはいけない 賃貸契約書 5つのポイント

ガイド:船木 麻里

就職や大学進学などで、多くの人が4月から新生活をスタートさせます。これから住む部屋が、初めて契約する賃貸物件という人も多いでしょう。物件の契約をするとき、家賃や敷金、礼金、共益費などの金額と契約期間は誰もがチェックすると思います。しかし、賃貸契約書には、それ以外にもさまざまなことが書かれています。のちのちトラブルにならないように、契約するときは、契約書に書かれている金額以外の重要なポイントも確認しておきましょう。

賃貸物件を借りるときには、賃貸契約書を交わします。その賃貸契約書にはさまざまなことが書かれています。あとからトラブルにならないように、契約書にどんなことが書かれているか確認しておきましょう。

見逃してはいけない!賃貸契約書の重要ポイント

賃貸物件で問題になりやすいのが「修繕」や「禁止事項」、「退去」に関することです。契約するときに、よく確認しておきましょう。

修繕は誰が行うか?

建物は、普通に住んでいても、徐々に劣化していきます。そのため、通常の使い方で劣化したり、破損したりする箇所については、大家さんの負担で修繕することになっています。しかし、通常の使い方という認識が、大家さんと住人で異なる場合があるでしょう。そのため、退去するときに、大家の負担で修繕か、住人の敷金で修繕するかで揉める可能性があります。

どこまでが大家さんの負担で、どこからが住人の負担なのか、目を通しておきましょう。記述がなければ、具体例を上げて確認しておきましょう。

なお、口約束ではトラブルが起こったときに「言った」「言わない」の問題になって、堂々巡りになってしまうことがあります。文書にしたり、会話を録音したりして、証拠として残しておきましょう。

備え付けの設備はどれか?

見逃しがちなのが、備え付けの設備に関する項目です。エアコンやお風呂、シャワー、ガスレンジなどが備え付けられている場合は、家賃にそれらの使用料が含まれています。そのため、それらが壊れて修理が必要になったときは、大家さんの負担で対応してもらえます。どこまでが賃貸契約の範囲なのかを、必ず確認しておきましょう。

設備で誤解しやすいのが、前の住人が置いていったものです。特に、学生向けアパートなどでは、前の住人が卒業して実家に帰るので、不用になったものを残していくケースがあります。それらのものは契約に含まれていないので、壊れても大家さんの負担では修理されません。粗大ゴミとして捨てたり、新しい物に買い換える場合も、住人の責任になります。部屋に置いてあるからといって備え付けの設備とは思い込まず、契約書の設備に関する項目をよく確認しましょう。また、前の住人が置いていったものは、不用であれば入居前に大家さんに言って、処分してもらうといいでしょう。

禁止事項は何か?

物件によって禁止事項が異なるので注意が必要です。「ペット禁止、同居人禁止、楽器禁止、事務所利用禁止、石油ストーブ禁止」などの禁止事項を確認しておきましょう。それを破ると、契約解除となり、退去を求められる可能性があります。

退去の連絡はいつまでにするか?

大家さんは、住人が一定期間住む(家賃収入がある)ことを期待して、契約します。ところが、急な転勤などの理由で、住人が契約した期間を満了せずに退去することがあります。

家賃の無料期間があるフリーレントのように、特別な契約をしている場合、一定期間内での退去については違約金が発生することがあります。通常の賃貸契約の場合、違約金が発生することはあまりありません。契約書の「○日前までに申し入れを行うことにより、本契約を解約することができる」といったことを書かれている項目を確認しておきましょう。

退去時の原状回復の範囲は?

退出時には、住人が「原状回復しなければならない」と契約書に書かれています。しかし原状回復とは、賃貸開始時とまったく同じ状態に戻すという意味ではありません。前述のように、通常に使っている範囲内での劣化や破損は、住人が回復する義務はありません。

ただし、住人の故意や不注意によって物件を破損させた場合は、住人が修繕する義務があります。そのときトラブルになりやすいのが、「住むまえからあった破損かどうか」です。入居まえに、物件の傷などは写真に撮って記録に残しておくといいでしょう。大きな傷であれば、大家さんに確認してもらうことをおすすめします。

また、原状回復とは別に、退去時のハウスクリーニングが住人の負担になっていることがあります。この場合、敷金からハウスクリーニング費が引かれることになります。退去するときにトラブルにならないよう、予め確認しておきましょう。


トラブルが起こったときに、賃貸契約書を基にして話し合うことになります。そのため、契約書の内容をちゃんと確認し、理解しておく必要があります。また、何が禁止されているのか、どちらが負担することになっているのかなどを把握しておくことで、トラブルを未然に防ぐことにもなります。文章が分かりにくいからと敬遠せずに、重要な項目はしっかりと見ておきましょう。

2016年2月12日掲載

ガイドプロフィール
船木 麻里(ふなき・まり)
家事セラピスト、整理収納アドバイザー、フリー編集者/ライター

出版社勤務を経て、出産を機に独立。雑誌、書籍等で教育や家庭生活をテーマに幅広く取材、執筆。家事セラピストとして、自分らしく気持ちのいい暮らし方を提案。「引越し9回&立ち退き2回」の経験から引越しにも一家言あり。

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