引越しでくん煙、くん蒸殺虫剤(バルサンなど)を使うタイミングと注意点

ガイド:船木 麻里

見えない場所に巣を作るゴキブリや、畳の奥に住むダニなどの害虫を駆除するのは難しいものです。しかし、くん煙・くん蒸殺虫剤(バルサンやアースレッドなど)であれば、部屋中に殺虫成分を拡散するため、手の届きにくいところにいる害虫もまとめて駆除できます。使用するときは、引越しで荷物を搬入する前に使用すると、電化製品などをビニールシートで覆う手間がかかりません。

バルサンやアースレッドなどのくん煙・くん蒸殺虫剤は殺虫力のある煙や霧を部屋中に拡散させることで、ゴキブリやダニなどの害虫を駆除します。

害虫駆除

引越しはくん煙・くん蒸殺虫剤を効果的に使えるタイミング

くん煙・くん蒸殺虫剤は、手の届かないところへ隠れた害虫を駆除するのに効果的です。これらの殺虫剤が効く主な害虫には、次のようなものがあります。

  • ・ゴキブリ
  • ・ダニ・ノミ
  • ・羽虫・アリ・ムカデ・ゲジ・カメムシ

目につきやすい害虫だけでなく、畳の中に棲む小さな虫、動きが早くて捕獲しにくい虫も駆除できるのが大きな特徴です。

しかし、タンスや食器棚などの家具が設置されていると煙が行き渡りにくく、また、電化製品や衣類がある場合は、煙(薬剤)が付かないようにビニールシートで覆う必要があります。そのため、引越しで家具や荷物を搬入する前がおすすめです。

くん煙・くん蒸剤の使い方と注意点

くん煙・くん蒸剤は、害虫駆除に有効ですが、使い方を間違えると、家具に煙や薬剤が付着したり、ペットの健康に害がある可能性があります。使用上の注意を確認したうえで、正しく使いましょう。

くん煙・くん蒸殺虫剤の選び方

くん煙・くん蒸殺虫剤には、煙タイプ、水タイプ、ノンスモーク霧タイプなどがあります。家の隅々まで届き、もっとも強力なのが煙タイプ。煙や臭いが少ないのが水タイプ。集合住宅でも気兼ねなく使えるのがノンスモーク霧タイプです。

それぞれ部屋のサイズに合わせてラインアップが用意されています。6~8畳用や12~16畳用、18~24畳用などと、部屋の大きさにあわせて、使用する場所に適したものを購入しましょう。また、部屋が6畳より狭い場合は使用してはいけません。

火災警報器やガス警報器が設置されている部屋で使う場合も、注意が必要です。煙が火災警報器やガス警報器に反応して、警報を出してしまう可能性があるからです。

ただし、薬品を霧状に噴射するノンスモーク霧タイプの場合、火災警報器は反応しません(ガス警報器には反応することがあります)。誤作動を避けるために、火災警報器やガス警報器を袋で覆ったり、コンセントから抜いたりしましょう。

■くん煙・くん蒸殺虫剤の種類(バルサンの場合)
煙タイプ 水タイプ ノンスモーク霧タイプ
性能 煙に含まれた殺虫成分が隅々まで届き、害虫を退治する 水を入れると煙が出る。煙の量や臭いが少ない 煙ではなく霧で殺虫成分を拡散する
警報器
  • ・熱式の火災警報器に反応しない
  • ・煙式の火災警報器に反応する
  • ・ガス警報器に反応しない
  • ・熱式の火災警報器に反応しない
  • ・煙式の火災警報器に反応する
  • ・ガス警報器に反応しない
  • ・火災警報器には反応しない
  • ・ガス警報器に反応する
※製品によって、警報器に反応することがあります。

くん煙・くん蒸殺虫剤の使い方

煙に含まれる殺虫成分が室外に出ていかないように、事前に室内の窓や扉を閉めておきます。くん煙・くん蒸殺虫剤を使用するとき、押し入れやタンスを開けておくと、その中にも煙が行き渡るので効果的です。

衣類や食品、電化製品、精密機器には、ビニールシートをかけて、殺虫成分が付かないようにしておきます。ペットや植物、観賞魚は、室外に出して、煙から遠ざけましょう。

準備が済んだら、部屋の中央の床にくん煙・くん蒸殺虫剤を置いて使用します。煙が出始めたら、2~3時間、もしくはそれ以上放置してください。

その後、窓や扉を開けて空気の入れ替えを行い、害虫の死骸を取り除くために掃除機をかけます。また、火災警報機にカバーを付けたり、コンセントを抜いたりした場合は、元の状態に戻してください。

使用するときの注意点(使用前)

衣類や食器、布団などの触れるもの、テレビやパソコンなどの電化製品、子供が遊ぶおもちゃなどは、ビニールシートやカバーを付ける、あるいは部屋の外、家の外に運び出して、煙に触れないようにしましょう。

ガス湯沸し器、ヒーター、ストーブなどは、必ず消してください。ガスの元栓も締めたほうが良いでしょう。

また、犬や猫、ハムスター、小鳥などのペットは、くん煙・くん蒸殺虫剤を使う前に外に出してください。使用後は、ペットを部屋に戻す前に、30分以上の換気を行います。

観賞魚は殺虫成分に弱いため、充分に換気してからも3日間は、使用した部屋に戻さないでください。

使用するときの注意点(使用後)

退治した害虫の死骸は、きちんと掃除機などで除去してください。放置したダニの死骸などは、ぜんそくなどの原因になります。

殺虫剤でゴキブリを殺しても、侵入経路をふさいでいなければ別の個体が入ってきます。そのため、根本的なゴキブリ対策として、侵入経路にフィルターなどを付けて、侵入を防ぎましょう。

また、くん煙・くん蒸殺虫剤はゴキブリの卵には効果がありません。そのため、卵がふ化するまで2週間ほどの期間を置いて、再度使用すると効果的です。

また、旧居から運んできた荷物にゴキブリが紛れていることがあるので、引越しが終わったら、梱包に使用していたダンボールなどは溜めておかずに、すぐに処分しましょう。


ゴキブリやダニなどの駆除に効果的なくん煙・くん蒸殺虫剤ですが、使用するときには、さまざまな準備が必要です。しかし、引越しで荷物を搬入する前など、家具や電化製品がないときは、火災警報器へ対策する程度の手間で済みます。害虫のいない気持ち良い生活を送るために、引越し前にくん煙・くん蒸殺虫剤を使用することをおすすめします。

2017年1月25日掲載

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ガイドプロフィール
船木 麻里(ふなき・まり)
家事セラピスト、整理収納アドバイザー、フリー編集者/ライター

出版社勤務を経て、出産を機に独立。雑誌、書籍等で教育や家庭生活をテーマに幅広く取材、執筆。家事セラピストとして、自分らしく気持ちのいい暮らし方を提案。「引越し9回&立ち退き2回」の経験から引越しにも一家言あり。

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