最安値での引越しを実現する7つのコツ

ガイド:吉田 章

引越しはやり方次第で、掛かる費用を万単位で節約することができます。そのためには少々特殊な引越し業界の諸事情を理解しておくことが大切。この記事では、最安値での引越しを実現するために押さえておきたいポイントを7つに絞り、それぞれわかりやすさを心掛けて解説しています。

厳密な意味で、最安値の引越し業者を探すのは不可能です。引越しは条件によって費用が大幅に変わる上、値切りなどによって料金を安くしてもらえる余地が少なからずあるからです。

ただ、相応の知識を持って業者選びをすれば、最安値レベルに近づけることは可能。本記事では、そんな引越し料金を抑えるために役立つ知識を、7つのポイントに絞って解説します。

1. 引越し業者のプランの仕組みを知る

引越し業者の公式サイトには料金プランが紹介されていることが多いですが、具体的な金額はほとんど紹介されていません。

というのも、距離や荷物の量、時期など、さまざまな条件によって作業に掛かるコストが大幅に異なるから。案件ごとに条件を確認した上でないと、確定料金が出せないわけです。

また、数字が出ていない上に、プランやパック、混載便というように、用語が入り乱れているのも混乱しやすい点です。文脈だけではどうしても理解できない部分があると思いますので、業者選びをする前に、一度プラン回りの用語を整理しておきましょう。

「単身パック」について

業者によってニュアンスが違うこともありますが、ほとんどの場合は、専用コンテナに一人分の荷物を載せ、それを複数個まとめてトラックで運搬する、という形のプランを単身パックと表現します。同じ方向に引っ越す依頼主同士で、トラックを共有するイメージです。

コンテナの大きさは、幅110cm前後、奥行き110cm前後、170cm前後程度。容量は決して大きくありませんが、荷物量が少ないのであれば、トラックを丸ごと一台チャーターする一般的な引越し業者より、ずっと割安で引越しをすることが可能。単身で最安値の引越しを望むなら、もっとも有力な選択肢となるでしょう。

<単身パックの料金例>
ヤマトホームコンビニエンス(https://www.008008.jp/moving/single/) 21,000円 ※平日かつ専用ボックス1本で、東京-神奈川間の場合
日通(https://www.nittsu.co.jp/hikkoshi/moving-s/tanshinpack-s-l/) Sサイズ18,000円 Lサイズ20,000円

ちなみに単身パックに限らず、単身で引っ越す場合の最安値ラインは2万円前後です。

これより安い料金を明示している業者もありますが、建物の階数や作業内容等に細かい条件が設けられていることが多いため、検討の際は料金だけでなく内訳もしっかり確認しておくことをおすすめします。

混載便について

単身パックも混載便の一種ですが、単に混載便という場合は、ファミリーも含めたより幅広い層に向けたプランを指すことが多いです。

引越し業者は、荷物量に応じたサイズのトラックを用意するわけですが、容量ぴったりになることはほとんどありません。

万が一積み残しが出たら大変ですから、ある程度の余裕を持ってトラックを用意します。ただそうすると、少なからず容量が余った状態で運搬することになります。

混載便は、複数案件の荷物を一台のトラックにまとめることで、こうした容量の無駄をなくし、効率的に運搬を行うために考え出されたプランと言えます。

時間帯の指定が柔軟にできない、同一方面への依頼がないと請け負ってもらえない、といったデメリットはありますが、そのぶん料金が安いのが大きな特徴。家族の引越しで最安値を目指すなら、混載便がおすすめです。

単身プラン・家族プランについて

単身プラン、家族プランというように表記されている場合は、チャーター便で運搬するプランを指します。

引越し業者に対応してもらえる作業によって、プラン内容が細分化されていることが一般的です。引越し業者の作業は荷物の搬出・搬入だけと思われがちですが、梱包や家具の配置、家電の配線、掃除、開梱など、付帯する作業はたくさんあります。これらを業者に任せるかどうかで、プランの料金が変わってくる、というわけです。

最安値を意識するなら、搬入・搬出だけのシンプルなプランを選ぶのが無難でしょう。

2. 引越し料金が決まる仕組みを知る

引越し料金が決まる条件は複雑ですが、関係している費用項目はどの場合でも共通しています。以下の4つがそれです。

基礎運賃

文字通り、荷物を運搬するのに掛かる賃金です。国土交通省によりモデル料金が提示されているため、この料金が業者間で大きく違う、ということはまずありません。基礎賃金の算出には時間制、距離性という2つの方法があり、100キロ以内であれば時間制、それ以上であれば距離制が適用されます。

もっと詳しく知りたい、という方は、こちら(引越し料金はどうやって決まる?見積もりにおける料金の決定基準とは https://www.zba.jp/hikkoshi/cont/hikkoshi-price/)を参照してみてください。

割増料金

依頼主の都合で作業が遅延したり、休日や夜間(22時〜翌5時)に作業が必要だったりする場合は、割増料金が発生します。

こちらも条件ごとに上限が定められており、ほとんどの場合は基礎運賃の2割程度(夜間作業の場合は3割程度)が上乗せされます。

また、複数の割増条件に該当する場合は、それぞれの割増率を掛けた数字が適用されます。

実費

人件費や段ボール代、高速道路等の料金、トラック代など、引越し業者の利益を含まない実作業の料金です。荷物が多いと、そのぶんトラックが大きくなり、また人件費や資材費などが嵩むことに。

引越し費用を最安値に抑えるための工夫として、よく「荷物量を減らすべし」と言われますが、あれはこの実費を抑えるのにもっとも有効な手段であるためです。

余談ですが、ほかにも梱包資材を自分で用意する、有料道路の使用を控えてもらう、といった交渉をすることで、料金の引き下げが見込めます。

オプション

基本プランとは別に、要望に応じて追加できるサービスの料金です。たとえば家電の設置や掃除、粗大ゴミの処分・買取りといった作業項目が該当します。

どこまでをオプションとするかは業者によって異なり、ある業者では無料の作業が、ある業者では有料、ということもあります。

最安値を意識して数字ばかり見ていると、こうした違いを見落とす恐れがあります。見積もりの際は、数字だけでなく、作業の内訳もチェックしておくことが大切です。

3. なるべく荷物を減らす

最安値での引越しを目指すなら、荷物の量を減らす努力をしましょう。必ず報われるわけではありませんが、荷物の量は引越し業者の実費に直結する項目です。少ない方が、料金を抑えられる可能性が高まります。

特に、買い替えを迷っている大きな家具・家電があるなら、引越しを機に思い切って処分してしまうのも良いでしょう。

単純に処分するとお金が掛かりますが、スマホアプリやSNSなどを活用して売却すれば、引越し料金を節約しながら、臨時収入が得られるかもしれません。

万全を期すなら、引越し業者に見積もりを取ってもらう段階で、荷物量を減らすことで値引きできないか確認してみることをおすすめします。具体的な数字を見てからの方が、判断もしやすいことでしょう。

4. 繁忙期を避ける

引越し予定日を調整できる場合は、依頼が集中する時期を避けることで、引越し料金を節約できる可能性があります。

引越し料金に限らず、モノやサービスの料金は、需要と供給のバランスによって上下します。需要が高まるほど上がり、低くなるほど下がるわけです。

引越し業者の需要がもっとも高まるのは、入学・就職シーズンである3月中旬から4月初旬。この時期の引越し料金は、平常時と比べて数万、場合によっては十万円近く上振れすることもあり、その負担は軽くありません。次点では転勤の辞令が出る9月から10月初旬も、料金が高くなる傾向にあります。

ほか、繁忙期ほど大きく変動はしませんが、平日より週末、仏滅より大安の方が、料金が高くなる業者が多いです。可能な限り引越し料金を抑えたいなら、こうした依頼が集中する時期を避けるのが無難です。

5. 相見積もりをする

引越し業者の最安値は、相見積もりなしでは判断できない、と言っても過言ではありません。案件ごとの条件に金額が左右される以上、業者ごとに見積もりを出してもらうしか、料金を比較する方法がないからです。

相見積もりを依頼する方法にはいくつか種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。以下にまとめますので、参考にしてみてください。

電話

電話で各社に見積もりを出してもらう方法です。

一社ごとに見積もりに必要な情報(引越し予定日、引越し先住所、引越し元住所、荷物量等)を伝えなければならず、手間も時間も掛かるのがデメリット。反面、見積もり金額をすぐに算出してもらうことができ、またサービス内容等に関する不明点・疑問点をまとめて解消できるのがメリットです。

電話でのやりとりに抵抗を感じない人に向いた見積もり依頼の方法と言えます。

問い合わせフォーム

引越し業者の公式サイトなどにある問い合わせフォームから見積もりを依頼する方法です。

必要データを入力したり、選択肢をクリックしたりしてフォーマットを埋めていく形式が多く、パソコンやスマートフォンの操作に慣れていないと時間が掛かってしまう点がデメリット。

一方メリットとしては、時間や場所を問わずに問い合わせでき、また、連絡方法を指定できるという点が挙げられます。メールで連絡を受け取れば、業者からの回答を形に残すことができ、あとで複数業者を比較する際にも便利です。

多忙で、相見積もりを取るまとまった時間が取れない人に向いた方法と言えるでしょう。

一括見積もりサービス

電話や問い合わせフォームは、依頼を考えている複数の業者に個別に連絡しなければなりません。候補となる業者の数だけ、問い合わせに掛かる時間や手間が増えます。

一括見積もりサービスは、その名の通り複数業者に一括で見積もりを依頼できるウェブサービス。必要な情報を一回入力するだけですから、相見積もりに掛かる手間を大きく削減できます。

ただ、サービスによって提携されている引越し業者が異なる、というデメリットも。引越し業者を探す手間を省ける一方で、一括見積もりサービスを選ぶ手間が発生してしまう可能性も考えられます。

各業者に個別に依頼するよりも効率的であることは間違いありませんが、すでに候補に考えている業者がいるなら、上記の点に注意することをおすすめします。

6. 値下げ交渉を知る

最安値で引っ越したいなら、相見積もりをして一番安い業者を選ぶだけでは不十分です。

引越しの見積もりは、実際に荷物や建物の状況を見てみないことには、金額を確定できません。そのため、荷物量が少なく、明らかに最小の人員・設備で運搬できる場合を除き、概算見積もりの後に訪問見積もりが必要になります。

問い合わせ時に得られる見積もりは概算見積もりですから、それだけの情報で依頼する業者を決定すると、損をしてしまう可能性が。確実を期すためにも、三社程度に訪問見積もりを依頼し、そこで得た確定料金で依頼業者を決定するのが無難です。

またその際は、問い合わせ時に提示された見積もりが高い業者から、順番に訪問してもらいましょう。最安値を引き合いに出して交渉することで、値切りしてもらえる可能性が高いからです。値切り交渉に抵抗を覚える人もいるかもしれませんが、大抵の引越し業者は、契約を勝ち取るために値引き余地を残しています。

相見積もりを見越して、即決を条件に値引きをする、というケースも少なくありません。ある意味ではお互い様ですし、頭ごなしに交渉しない限り、不快に思われることはないはずです。

7. できることは自分でやる

引越し業者の料金は、基本プランにオプションプランを上乗せする形が一般的です。用意されているオプションプランは業者によって異なりますが、例えば掃除や梱包、家電の配線など、引越しに関連する細かいニーズに対応するものが多いです。

そのためオプションを追加しないのが、最安値で引越しする上での基本になります。

注意したいのが、他社でオプションプランに該当するものが、基本プランに組み込まれている業者もいる、ということ。作業項目次第では、自身が対処することを条件に、値引きしてもらえる可能性も考えられます。

もちろん、単純に業者の手伝いをするだけでは値引きは見込めません。あらかじめ交換条件を持ちかけ、依頼業者と合意しておくことが大前提です。スケジュールに余裕がないと難しいかもしれませんが、自分が手を動かすことで値引きが見込める可能性がある、という事実は知っておくと良いでしょう。

2020年12月27日掲載

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ガイドプロフィール
吉田 章(よしだ・あきら)
株式会社ウェブクルー 引越し関連サイト 営業担当

株式会社ウェブクルーが運営する引越し関連サイトの営業担当者。引越しに関する造詣の深さを活かし、営業担当として活躍中。

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