初めて引っ越しの申し込みをする人のための基本ガイド

ガイド:吉田 章

一般的に、引越しは頻繁に行うものではないため、業者への申し込みの流れについてわからない人も多いと思います。 今回は、引っ越し業者に申し込みをする際の基本的な流れや、見積もりでの値切り交渉のコツ、キャンセルする場合の連絡方法などについて解説します。

引っ越しは、頻繁に繰り返すものではありません。たとえ何度か経験があっても、業者への申し込みの流れや、見積もりの仕組みなどについて詳しく説明できる人は少数派でしょう。

また、スマートフォンなどで少し検索すれば、山のように引っ越し業者の情報が出てくる時代です。流れるままに、目についた業者に依頼する人も少なからずいます。

しかし引っ越しというのは、基本的な情報を押さえているかいないかで、掛かるコストが違ってきます。本記事では、そうした知っておくと得をする引っ越しの基本知識を解説してみたいと思います。

初めて引っ越しの申し込みをする人のための基本ガイド

引っ越しの申し込みまでの流れ

引っ越しに限らず、最初に全体の流れを把握しておくと細部をスムーズに理解できます。まずは、業者に申し込みをするまでに行うことをざっと見ていきましょう。

引っ越し先や予定日を決める

業者と契約するには、まず引っ越しの諸条件を共有し、その上で見積もりを出してもらう必要があります。提示された見積もり金額に納得できたら、必要書類にサインや捺印をして契約締結となるわけです。

そのため、業者探しに先立って、新居や引っ越しの予定日を決定しておかねばなりません。

目安としては、少なくとも一ヶ月半ほどは余裕を見て、新居を確定しておきましょう。

ちなみに、引っ越し先の具体的な住所が決まっていなくとも、大まかなエリアだけが分かれば見積もりの申し込みはできます。ただその場合、住所が確定した段階で見積もり料金が変動する可能性が。また、曖昧な見積もりとなるため、業者比較が満足にできないというデメリットがあります。

引っ越し業者を5~6社ほど見繕う

新居が決まったら、引っ越し業者を探します。こちらは、遅くとも二週間前には作業を始めましょう。

格安業者を除き、荷物を梱包する段ボールは、契約した業者から受け取ることになります。あまりギリギリだと、荷詰めの時間が限られてしまいますし、混雑状況によってはそもそも対応可能な業者が見つからないかもしれません。

新居が決まった段階で、早めに行動することが大切です。

業者を探す際の注意点

引っ越し業者の選び方ですが、料金だけに捉われず、サービス内容までしっかり吟味しましょう。

引っ越し業界には定額というものがありません。移動距離や荷物量、荷物の種類、依頼する時期など、細かい条件によって料金が変わるからです。そのため、単身者で荷物量が少ない場合を除き、見積もりが必須となります。

一般的なサービスや商品であれば、料金を基準に比較しても問題ありませんが、引っ越し業者の場合は、業者Aでは無料の作業が業者Bでは有料、ということが考えられます。

見積もりで提示してもらった数字だけでなく、そこに含まれる作業の内訳を踏まえて、業者を見極めることが大切です。

概算見積もりを出してもらう

前述のように、引っ越し料金を把握するためには見積もりが不可欠です。ただ、正確な荷物量を把握するには、訪問してスタッフに目視してもらわねばなりません。

契約するかどうかもわからない状況でそこまでの手間を掛けるのは、少々負担ですよね。

そこでおすすめしたいのが、訪問の前に概算見積もりを出してもらうことです。もちろん正確な見積もりではありませんが、複数の業者の概算見積もりを比べることで、大まかな相場感を把握することができます。

概算見積もりを出してもらう方法には、大きく以下の2つの方法があります。

個別問い合わせ

問い合わせフォームや電話などを利用して、業者に個別に問い合わせる方法です。直接やりとりをすることで、スタッフの対応力も含めて判断することができます。

時間と手間が掛かること。また、業者によっては口頭での概算見積もりに対応してもらえない可能性があることなどが、デメリットと言えます。

一括見積もりサービス

ウェブサービスを通して、複数の業者に一括で見積もりを依頼する方法です。

いちいち電話を掛けたり、問い合わせフォームに細かい条件(荷物の種類や量など)を入力しなくて済む一方、候補に考えている業者が、必ずしもそうしたサービスと提携しているわけではない点が、デメリットです。

訪問見積もりを依頼する

目ぼしい業者を見繕ったら、自身の予算や希望するサービス内容を踏まえて三社程度まで絞り込み、訪問見積もりを依頼します。

概算見積もりを出してもらっている場合は、高い順になるように予定を組むようにしましょう。競合会社の見積もり額を提示した方が、値引き交渉しやすいからです。

また、訪問する業者が顔を合わせないよう、時間に配慮することも大切。訪問見積もりは、平均して30分ほどの時間が掛かりますから、同時に見積もりを出してもらって手間を省きたいと考えるのも無理のないことです。

しかし、ダブルブッキングは基本的に歓迎されません。業者からすれば、他社の説明を聞いている時間が無駄ですし、自社の説明にしても、第三者がいては柔軟な提案(こうすればもっと安くできる等)がしづらいでしょう。

手間は掛かりますが、一社一社丁寧に対応することが大切です。

初回問い合わせ時に注意すべきこと

続いて、初めて問い合わせをする時の注意点をまとめます。

あらかじめ見積もりに必要な情報をメモしておく

引っ越し業者に正確な見積もりを出してもらうためには、できるだけ詳細に情報を共有する必要があります。

例えば、以下のようなものです。

  • 引っ越し予定日
  • 荷物の種類と量
  • 新居、旧居の状況(階数、廊下の幅、エレベーターの有無等)
  • 建物周辺の道路事情

中でも気をつけたいのが、荷物の種類と量です。

まずは、段ボールに入り切るかどうかを一つの基準として、入りきらない荷物は片っ端からリストアップしておきましょう。段ボールに入りそうな小さい荷物は、そのまま段ボールの箱数に換算します。

電話で見積もり依頼をするにせよ、問い合わせフォームや一括見積もりサービスを利用するにせよ、頭の中だけでこうした情報を処理するのは難しいものがあります。

新居での間取りを考える際の参考にもなりますから、メモに書き出して、形に残しておくことをおすすめします。

引っ越し業者のオプションサービスを把握しておく

引っ越し業者は、業者ごとにオプションプランの内容が違います。梱包材ひとつとっても、料金に含まれている場合とそうでない場合があります。

また、希望するオプションが必ず用意されているとも限りません。家具・家電の設置や清掃まで対応して欲しい場合、選ぶ業者を間違えると別途専門業者(不用品買取業者や掃除業者等)を探さねばならないかもしれないわけです。

多くの場合、オプションプランは公式ホームページに明示されていますから、あらかじめ目を通して、希望を叶えてくれる業者かどうかをしっかり見極めるようにしましょう。

繁忙期は早めの行動が大切

引っ越しには、さまざまな手続きが付きまといます。時間に余裕を持って計画的に行動しないと、土壇場になって慌てることになってしまうでしょう。

特に注意したいのは繁忙期に引っ越す場合です。平常時であれば、たとえ当日の依頼であっても、トラックや人員が空いていれば対応してもらえる可能性があります。

しかし繁忙期である3月中旬~4月初旬は、スケジュールが空いている引っ越し業者を見つけるのが非常に困難になります。それこそ、料金やサービス内容などで、業者を選んでいる余裕はありません。

引っ越し予定日が繁忙期に該当するなら、新居探しの段階から早めに手続きを進めておくことをおすすめします。

訪問見積もり時に注意すべきこと

訪問見積もりの際にも、押さえておきたいポイントがいくつかあります。

すべての荷物をチェックしてもらう

当たり前と言えば当たり前なのですが、滅多に使わない収納の奥にある荷物や、屋外に置いている荷物などは見逃してしまいがち。

見積もり時に見落としていて、荷詰めを始めるタイミングや引っ越し当日に気づく、という事態も考えられます。料金が上がるだけならいいのですが、万が一トラックに乗り切らないような荷物だと目も当てられません。

訪問見積もりの前に、運搬する荷物を一度総ざらいしておくことをおすすめします。

値引き交渉を行う

初回に提示される見積もりには、値下げの余地があります。引っ越し業界は相見積もりによる料金比較で依頼業者を選ぶというのが一般的ですから、それを見越して金額に余裕を持たせておく業者が多いからです。

また、将来的な不確定要素(需要の変動やトラック、人員確保など)により、業者側のコストが膨らんだ場合に備えるという意味でも、料金は多めに見積もられる傾向があります。

値切り交渉をしないのは損、とまでは言いませんが、引っ越しの前後には出費が嵩むものです。引っ越し料金は決して安くありませんから、コストを抑えられる余地があるなら試してみるのが得策でしょう。

他の業界に比べ、契約前に交渉することが多いですから、よほど高圧的な態度に出ない限り、業者側も快く対応してくれるはずです。

即決しない

値下げを条件に、契約の即決を求めてくる引っ越し業者がいます。

それが本当に納得できる内容なら良いのですが、まだ他社を検討する余地が残っている場合は、心を強く持って保留したい旨を伝えましょう。

繁忙期で、すぐに決めないと他に業者が見つからない、というケースを除き、料金と作業内容の内訳は入念に比較・検討することが、損をしないコツです。

申し込みをキャンセルする場合に知っておきたいこと

何らかの事情で、引っ越しが中止になったり、延期になったりすることも考えられます。引っ越し業者への申し込みをキャンセルする時の基本的な知識も押さえておきましょう。

キャンセルは何日前までに伝えるか

国土交通省が公開している引っ越し約款によると、解約手数料(または延期手数料)が発生する条件は、解約や延期の連絡が見積書に記載された日付の二日前以降に行われた場合に限る、という条件がついています。

つまり、遅くとも引っ越し予定日の三日前までに連絡をすれば、手数料なしでキャンセルすることが可能です。

ちなみに同約款では、手数料が発生する条件の前提として、業者側が依頼主に対して、三日前までに契約実行の意思確認をすることを求めています。もしこの連絡がなかった場合は、連絡のタイミングに関わらず、手数料は発生しません。参考までに、覚えておくと良いでしょう。

違約金のルールについて

違約金の金額ですが、連絡するタイミングによって以下のような比率で決定されます。

  • 前々日の連絡:見積もり金額の20パーセント以内
  • 前日の連絡:見積もり金額の30パーセント以内
  • 当日の連絡:見積もり金額の50パーセント以内

ほか、それまでに利用しているオプションサービスがあれば、その分も加算されます。

このルールも、国土交通省が公開している標準引越運送約款 に記載されているものですが、すべての業者がこの約款を採用しているわけではありません。自社独自の約款を採用している業者も存在します。

解約や延期の可能性が少しでもあるなら、契約時にその旨を伝え、キャンセル・延期の際のペナルティを確認しておくことをおすすめします。

どういう形で断れば良いか

どのような種類のものであれ、一度した約束をキャンセルすることには心理的な負担が付きまといます。商取引では消費者が優位ですが、だからと言って気まずいことには変わりありませんよね。断り方に迷ってしまう人もいることでしょう。

基本的には、延期やキャンセルの理由をそのまま伝えれば問題はないのですが、どうしても気まずいようであれば、メールやFAXで解約の旨を伝えるという方法があります。大抵の場合、見積もりの際に名刺を受け取っているはずですから、そこに記載されているメールアドレスに送れば問題はないでしょう。

もしアドレスやFAX番号がわからなければ、代表電話に連絡して、伝言という形で担当者に伝えてもらう手もあります。

段ボールはどうするか

契約時に段ボールを受け取っている場合、使用済みかどうかでその後の対応が分かれます。

未使用であれば、引き取りに来てもらうか、元払いで配送するのが一般的。一方、すでに梱包に使ってしまっている場合は、そのぶんの料金を指定口座に振り込むという形が多いです。

引っ越しの申し込みと並行して行うべきこと

引っ越し業者を押さえれば、荷物の運搬はできます。しかし引っ越しは、荷物だけを移動すれば良いというものではありませんよね。

最後に、引っ越しの申し込みと併せて行う諸手続きについて解説します。

管理会社への退去連絡

立ち合い不要のケースもありますが、多くの場合、退去時は管理会社の担当者と一緒に物件内の傷や汚れを確認します。そのため、荷運びが完了するタイミングを見越して、計画的に段取りを組んでおく必要があります。

また、退去連絡に関しては、入居時に交わした賃貸借契約書にルールが記載されているはずです。一般的には一ヶ月前までに申し入れをする、とされていることが多いですが、場合によっては期間がもっと長いことも。退去理由や契約期間などによっては違約金が課されるケースもありますから、管理会社への退去連絡に先立って、賃貸借契約書には目を通しておくことをおすすめします。

ライフライン等の解約または住所変更

官民問わず、住所を登録している各所の届けを忘れないようにしましょう。

住民票や免許証をはじめ、電気、ガス、水道、インターネット回線など、生活に密着しているものはすぐに思い当たるかと思いますが、銀行やクレジットカード会社などは意外と見落としてしまいがちです。

最近はほとんどのサービスがネットでの住所変更に対応していますから、時間を見つけてまとめて手続きしてしまうと良いでしょう。

不用品の処分

小さいものであれば通常のゴミ出しで構いませんが、粗大ゴミの場合は必ずしも自分のタイミングで処分できるとは限りません。基本的には地方自治体のルールにしたがって業者を手配し、所定の日に所定の場所へ持っていくことになるからです。

民間の業者を頼ったり、自分で直接処分場まで持っていったりする方法もありますが、その場合、不必要なお金や手間が掛かかります。

余裕を持って、早め早めに荷物の整理を進めましょう。

新居のレイアウト決め

新居のレイアウトをあらかじめ決めておくと、何かと便利なことが多いです。

例えば引っ越し作業。新居のレイアウトを前提に荷物を梱包しておけば、何をどこに搬入するかを引っ越し業者に指示出しできます。闇雲に運び込むより、開梱・収納が格段に楽になることでしょう。

また、引っ越しをきっかけに家具や家電を新調したり、買い足したりすることもよくあります。手元にレイアウトがあれば、家族の動線や配置場所を検討するのに役立つはずです。

2021年2月18日掲載

引越し見積もりを複数社へ依頼

1回の入力で最大12社に一括見積もり!
引越し業者と直接相談・交渉することで、一番安い引越し業者が見つかる!

ライフラインの手続きを依頼

「Smyb引越し手続き」は、電気・ガス・水道などの手続きが一括でできる!
引越し手続きをまとめてカンタンに!

無料 一括手続きを依頼する
ガイドプロフィール
吉田 章(よしだ・あきら)
株式会社ウェブクルー 引越し関連サイト 営業担当

株式会社ウェブクルーが運営する引越し関連サイトの営業担当者。引越しに関する造詣の深さを活かし、営業担当として活躍中。

このページを読んだ人は次のページも読んでいます

そのほかのおすすめコンテンツ

のほかのカテゴリ

注目のタグ一覧

疑問・解決 申請・変更 マナー チェックポイント 基礎知識 注意事項 子供 準備 引越しプラン サービス 防犯・防災
ページトップ