「防災住宅」や「防災都市」に注目!自然災害から身を守る、防災性の高い住まいについて考える
甚大な被害をもたらした東日本大震災を経験したことで、住宅の防災性について改めて考える機会が増えてきました。耐震性に優れ、被災後の食料やエネルギーも確保できる「防災住宅」への関心が高まる一方、旧耐震基準で建てられた住宅が、まだ多く残っているという現状もあります。耐震診断や耐震工事に対し、多くの自治体が助成制度を設けていますので、住宅の耐震性に不安のある人は、相談窓口に問い合わせてください。また、住まいの防災を考える上では、地域全体の防災性も重要です。地域の特性に応じた防災計画を、自治体と住民が一体となって進めている地域もあります。そういった防災意識の高い地域に住むことも、災害対策として有効な方法でしょう。
東日本大震災以降、住宅の防災性に対する意識が高まっています。ここでは、防災性の高い住まいや環境、そして住まいの耐震性に関する注意点について解説していきます。
防災意識の高さを裏付ける「防災住宅」の人気
国土交通省が5年ごとに実施している「住生活総合調査」の結果(2008年実施)を見ると、「住まいにおいて最も重要と思う点」として、「火災・地震・水害などに対する安全」を挙げた世帯が15.1%と最多。「治安、犯罪発生の防止」「住宅の広さや間取り」「通勤・通学などの利便」などを上回る結果となっており、防災に対する意識の高さが窺えます。
その結果を裏付けるように、近年では、多くのハウスメーカーで「防災住宅」が販売され、人気となっています。耐震設計による建物自体の安全確保はもちろん、雨水タンク、食料保管庫、太陽光発電・蓄電システム、ITネットワークシステムなどを完備しており、被災後も自立した生活を可能にします。つまり、被災後の「居住空間」「水と食料」「エネルギー」の3つを確保できるのが防災住宅なのです。
ちなみに、「防災住宅」は、メーカー独自の特殊な設計方法を用いて建てられているものが多いことや、建物に使用している建材の質が高いことなどから、一般住宅に比べると、やや価格の高いものが多いようです。しかし、大切な家族の安全を確保するためと考えれば、積極的に検討する価値はあるでしょう。
あなたの住まいは大丈夫? 旧耐震基準で建てられている場合は、すぐ耐震診断を!
住宅の防災を考える上で重要な点のひとつに、建物の耐震性があります。新耐震基準が適用されている1981年6月以降に建設された建物は、震度6強~7に達する大規模地震でも倒壊、または崩壊しないことを基準に設計されていますが、それ以前に建設されている場合は、震度5強程度の中規模地震に対して建物が損傷しない耐震性を必要とする旧耐震基準が適用されています。つまり、1981年6月よりまえに建築された建物に関しては、震度6以上の大地震に対する耐震性をクリアしているかどうかはチェックされていないのです。
万が一、自宅が旧耐震基準で建設されている場合は、新耐震基準に基づく耐震診断を行い、診断結果に不安があれば、耐震改修工事の検討をおすすめします。多くの自治体で、耐震診断や耐震改修の費用について助成制度を設けています。助成の有無や内容は地域によって異なりますので、まずは、お住まいの地域の区役所や市役所など、自治体の相談窓口に問い合わせてみましょう。
新旧どちらの耐震基準で建てられているのかを調べる際は、「竣工日」ではなく「建築確認を受けた日」で判断しましょう。なぜなら建築物は、建築確認を申請し、実際に確認済証が交付されてから工事に着手することが決まりとされています。つまり、1981年6月1日以降に建築確認を受けていれば、耐震基準の審査内容は旧基準ではなく、新基準で行われていることが明白だからです。ちなみに、建築確認日は登記謄本に記載されているので、管轄の役所などへ行って調べてみるとよいでしょう。
安全な「街」に住むのも手! 地域で広がる「防災都市化」に注目
阪神・淡路大震災、そして東日本大震災を経て、市民と行政の協働による、震災に強い街づくりを目指す、いわゆる「防災都市計画」を策定する自治体も増えています。防災意識の高い地域を居住区に選ぶことも、今後は住まい選びの新しい基準になるのではないでしょうか。
例えば東京都では、首都直下型地震に備え、市街地の不燃化整備や建物の耐震化促進、住民主体の住みやすい住環境形成などを盛り込んだ「防災都市づくり推進計画」を策定しています。また京都市では、地震災害における地区ごとの危険性を評価して、その結果を市民に公表するとともに、地域の特性に応じた防災対策を示すなど、災害に強い街づくりに取り組んでいます。
住宅の防災性には、建物の耐震性や被災後への備え、地域の取り組みなどさまざまな要素が関わっています。いつ遭遇してもおかしくないのが自然災害。お住まいの環境に不安があるのなら、家族の生命と安全を守るために、防災性の高い住まいや環境に移り住むことも検討しましょう。
2014年5月2日掲載
株式会社ウェブクルーが運営する引越し関連サイトの営業担当者。引越しに関する造詣の深さを活かし、営業担当として活躍中。
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