震度6以上の揺れに見舞われる確率が上昇!?
「地震に強い」部屋を選ぶポイントは

ガイド:船木 麻里

関東地区などで、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が上昇したというニュースが流れ、話題を集めたのは記憶に新しいところです。地震に備えて住まいや部屋を選びたいときには、どんなことに気をつければいいのでしょうか。住まい選びに関しては、「耐震」「制震」「免震」という構造の耐震レベルに注目。また、周辺環境にも二次被害に繋がる要素が多く潜んでいるので、地域ごとの地震時の災害危険度や避難経路、延焼の可能性などにも目を向けてみましょう。

住まいや部屋を選ぶとき、広さや間取りも大切ですが、「地震に強い」ことも大きなポイントです。具体的にはどんなことを確認すればいいのか紹介します。

「耐震」「制震」「免震」、構造レベルの地震対策に注目

文部科学省の地震調査研究推進本部が2014年12月に、「全国地震動予測地図2014年版」を発表。推定方法などが変わったことにより、関東地区をはじめ、北海道南部、青森県の太平洋側などで、今後30年以内に震度6以上の揺れに見舞われる確率が上昇しています。では、住まいや部屋を選ぶ際、どんな部屋が「地震に強い」と言えるのでしょうか。

まず確認しておきたいのが、新耐震基準への対応。1981年(昭和56年)、日本の耐震基準は震度6強〜7程度の大地震を意識したものに変更されました。この新耐震基準に合致した住宅は、平成20年時点で全体の79%。新耐震基準に合致しない住宅は徐々に少なくなっており、国は、平成32年までに住宅の耐震化率を95%に引き上げることを目標にしています。

しかし、この基準はあくまで「建物の倒壊を防ぎ、人命が守られる」ことを前提に考えられたもの。そのため、最近では耐震基準だけではなく、住宅の「耐震」「制震」「免震」という構造レベルでの地震対策が注目されています。地震のあとに建物や家具を使い続けられるのかどうかがポイントのひとつです。

免震 制震 耐震
方法 建物と基礎を切り離す 柱や壁に振動吸収装置を組み込む 壁など建物全体を硬く固定
効果 揺れを建物に伝えにくくする 建物の揺れを吸収する 衝撃に耐える
揺れの削減 ◎ ○ △
家具転倒の予防 ○ △ △
建物損傷の予防 ◎ ○ △
ポイント 建物の損傷や家具転倒がほとんどなく、地震後も建物が使える可能性が高い 建物の損傷や家具転倒の可能性が軽減する 建物の揺れはあるが、倒壊の可能性が軽減する

耐震グッズでも家具の転倒を防止!震度7相当の揺れにも対応

家具の転倒は、耐震グッズの使用でも防止することができます。代表的な耐震グッズは突っ張り棒型のストッパーですが、それ以外にも粘着型やベルト型など、部屋や対象物に合わせて選べるグッズが豊富に販売されています。震度7相当の揺れに対応する耐震グッズを紹介していきましょう。

T型のストッパーは背丈が高い家具や家電の転倒防止に

背丈が高い冷蔵庫や食器棚の転倒防止に最適なストッパーです。強力な粘着テープで貼り付けるだけなので、家具や壁を加工することなく、家具の移動も必要ありません。T型で強度が強い上に目立たないのが嬉しいところ。
(スーパー不動王ホールド/販売:不二ラテックス株式会社)

強力なベルトでOA器具などの転倒・落下を防ぐ!

パソコン、プリンタなどの転倒・落下に適したベルトタイプのストッパー。強力なベルトを固定し、左右からがっちりと支えます。ベルトは粘着パッドあるいは皿ネジで固定でき、着脱も可能。
(耐震用ストッパー/販売:サンワサプライ株式会社)

薄型テレビやパソコンなどに簡単取り付け&水洗いで再利用

ストッパーが取り付けづらい形状の物にも使える粘着ゴムで、固定したい物の底に貼るだけの手軽さが特徴。優れた粘着性で上下・左右・前後のあらゆる揺れに耐えます。写真のタイプは四隅の粘着で70kgまでの物に対応。水洗いで再利用でき、約5年間もちます。
(透明両面粘着ゴム/販売:サンワサプライ株式会社)

住宅の周辺環境が、二次災害を受けるか否かを左右する

建物の倒壊や家具の転倒を防止しても、地震対策が万全とは言えません。地震が起きると、津波や火災などの周辺環境が原因となる二次被害も多いのです。そこで、自治体などが公開しているハザードマップなどをチェックしてみましょう。その地域で起こりうる二次災害の危険度、被害の大きさなどを確認できます。

例として、東京都で公開されている津波ハザードマップや避難施設の地図を紹介します。自分の住んでいる街・住みたい街で、こういったデータが公開されていないかをぜひ確認してください。

■東京都・港区 津波ハザードマップ
津波の高さが最大になると予測される元禄型関東地震(マグニチュード8.2)を想定。防潮施設がすべて損傷した場合、液状化による地盤沈下が起こりうる場所や、浸水の深さなどを示しています。
「東京都・港区 津波ハザードマップ」を見る

■東京都・渋谷区 地震防災マップ(揺れやすさマップ)
近い将来、起こりうる可能性の高い東京湾北部首都直下地震(マグニチュード7.3)を想定し、地域ごとの揺れやすさを示したマップです。避難場所はもちろん、一時(いっとき)集合場所、帰宅困難者支援(受入)施設、高齢者支援施設など目的に合わせた施設の場所もわかりやすく表示されています。
「東京都・渋谷区 地震防災マップ(揺れやすさマップ)」を見る

また、近隣の建物が火災に弱い木造ではないか、そのような建物が密接していないか、という点も確認したいところです。木造住宅が密集した地域を「木密地域」といいますが、これらの地域では道路や公園などの都市基盤が不十分で、老朽化した木造住宅が多いことなどから、地震による火災被害が大きいとされています。

地震大国といわれる日本では、どこに住んでいても少なからず地震のリスクを抱え続けなければなりません。大切なことは地震に備える意識であり、引越しは地震について考えるいい機会ともいえます。今回紹介したことを参考に、部屋探しをしてみてはいかがでしょうか。

2015年1月30日掲載

ガイドプロフィール
船木 麻里(ふなき・まり)
家事セラピスト、整理収納アドバイザー、フリー編集者/ライター

出版社勤務を経て、出産を機に独立。雑誌、書籍等で教育や家庭生活をテーマに幅広く取材、執筆。家事セラピストとして、自分らしく気持ちのいい暮らし方を提案。「引越し9回&立ち退き2回」の経験から引越しにも一家言あり。

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