音楽ファン・オーディオビギナー必見!
引越し・住居購入で始めるオーディオルーム

ガイド:下玉利 尚明

スマートフォンや携帯型のデジタル音楽プレイヤーで音楽を聞く人が増えてきました。音楽を手軽に楽しめるようになった一方で、昔ながらのレコードが見直されています。アナログ音源であるレコードには、「CDのデジタルな音よりも味わいがある」と昔からのファンがいますし、若い世代にも、レコードの音に魅了されるファンも増えています。また、デジタルの音楽データでも、高音質のハイレゾ音源が注目されています。これまでは、スタジオで録音した高音質のデータを、CDに収録するために音質を落としていましたが、パソコン、スマートフォンなどでハイレゾ音源が再生できるようになり、スタジオの音質に近いレベルで市販されるようになってきたのです。ただし、高音質を楽しむために大音量で音楽を流すのは近所迷惑です。オーディオにこだわるなら、防音や防振、電源対策のしっかりしたオーディオルームを検討してみましょう。

アナログレコードの復活やハイレゾ音源の普及により、音楽をもっとハイクオリティで鑑賞したいと考える人が増えてきています。しかし、音の広がりや表現を存分に楽しむには、パソコンのスピーカーや携帯音楽プレイヤーでは不十分。今回は、自宅で心ゆくまで音楽を鑑賞するためのオーディオ専用ルーム作りについて考えてみましょう。

レコード、ハイレゾ音源…魅力的な音源を揃えても、鑑賞環境に問題あり?

1960~70年代に盛り上がったオーディオブームが、2015年に入って再加熱しています。例えば、ごく一部の音楽マニアのものだったアナログレコードが、一般の人からも注目され始めているのです。その勢いは、アイドルグループの「ももいろクローバーZ」の新曲が、CDだけでなく、アナログレコードでも発売されるほど。

また、スマートフォンやパソコンで鑑賞する、デジタルの音楽データにも変化が訪れています。従来のデジタル音楽プレイヤーの音質はCDと同程度でした。ところが、最近はCDよりも高音質なハイレゾ音源(高解像度音源)が登場し、オーディオファンから注目されています。

魅力的な音源が増えてきている一方で、オーディオファン、特にビギナー層で課題になっているのが、鑑賞環境です。レコードやハイレゾ音源の表現力を最大限に引き出すためには、それなりのオーディオセットや、防音オーディオルームが必要になります。しかし、こちらの方面にはあまりお金も頭も向けない人が少なくないのです。せっかくの高品質音源が、環境次第で台無しになってしまうこともあるので、注意したいところです。

オーディオルームを作るなら防音、防振と電源をしっかり対策

オーディオ機器に関しては、その性能に頼るほかありませんが、オーディオルームに関しては個人の工夫も大切。

例えば、優れたオーディオセットが奏でる高音質なサウンドを心ゆくまで楽しむには、それなりの音量も必要になりますが、木造の日本家屋で大きな音を流すと、家の外に漏れてしまいます。一軒家ならまだしも、アパートやマンションなどの集合住宅では、近所迷惑になるでしょう。防音対策を欠かすことはできません。

もちろん音質をできるだけ高めるための設計・設定も重要です。音による部屋の振動対策、安定した電源の確保、そして音の広がりを楽しむための空間も考慮しましょう。新築やリフォームが必要になるような、ハードルの高いものもありますが、音にこだわる人は覚えておくことをおすすめします。

壁や床、天井の防音、防振対策

壁や床、天井を二重の浮き構造にすると、防音効果を高められます。浮き構造とは、その部屋を、建物と直接接続せずに、浮いたような状態にすることです。すると、建物の壁とオーディオルームの壁による二重壁ができあがります。壁と壁の隙間に、防音効果のある壁材や防振材、緩衝材などを入れることで、音の伝達を抑制するのです。

また、壁だけでなく、窓を二重サッシに、ドアに振動を抑えるタイプのものを選ぶことで、より高い効果を得ることができます。

電源の確保

音質をさらに高めるには、安定した電源の供給も必要です。電源とは、コンセントと壁の中の電気配線のこと。オーディオは、コンセントや電源ケーブルの影響で音質が変わると言われます。オーディオへの電源供給は、テーブルタップなどを使わずに、直接、コンセントにつなぎましょう。

また、オーディオは電気配線を通して、ほかの部屋で使っている電化製品などの影響を受けると言われています。オーディオルームへの電気配線は、ほかの部屋と分配するのではなく、ブレーカーからオーディオルームまで専用に引くといいでしょう。コンセントの数は、オーディオ機器の数に合わせて多めに用意しておくことをおすすめします。

十分な部屋の広さとスピーカーの配置

部屋が狭いと、音が壁や床に反射して、美しい音を再生できません。せっかくオーディオルームを作るのなら、ある程度の広さを確保しましょう。

スピーカーの配置位置

ステレオ(2チャンネル)の場合、左右のスピーカーと自分の位置が正三角形になるように設置します。この三角形が小さいと、左右のスピーカーが近すぎてステレオの効果が発揮できません。また、スピーカーの背中や横も、壁にぴったりにつけるのではなく、50cm以上は離しましょう。

また、スピーカーを床に直接置くと、音が床に反射してしまいます。音が反射しないように、スピーカーを専用のスタンドに載せて、床から離しましょう。さらに、スピーカーを耳の高さと同じになるように設置すると、きれいな音が耳に届きます。

賃貸住宅で本格オーディオを楽しむには?
マンションやアパートのような集合住宅の場合は、「ピアノ・楽器可」を謳っているような、ある程度の音を出すことを想定した物件を探しましょう。そのような物件であれば、他の住民も「隣の人が多少音を出す」ことを覚悟しているでしょうから、通常の物件よりは近隣の音に対して寛容でしょう。

ノウハウを持つオーディオショップにアドバイスを求めよう

新築、リフォームの際、設計する業者に「オーディオに向いた仕様に」と依頼しても、希望通りの部屋ができるとは限りません。オーディオルームには、通常の住宅とは異なるオーディオ特有のノウハウが必要で、しかも部屋が完成してからでないと、実際に室内で音を確認することができないからです。

そこでおすすめなのは、ノウハウを持ったオーディオ機器専門店のスタッフに、設計段階から関わってもらうことです。専門店のスタッフなら、的確なアドバイスが期待できます。「クラシックに向いた設計に」「ロックが楽しめる仕様に」などといった、自分の音楽の好みも設計に反映できるでしょう。

2016年1月22日掲載

ガイドプロフィール
下玉利 尚明(しもたまり・たかあき)
ジャーナリスト/株式会社タンクフル 代表取締役

株式会社タンクフルの代表取締役兼ジャーナリスト。引越しサイトの企画・制作に深く携わり、マーケット、流通といったマクロの側面から引越しを語ることができる稀有な存在。

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