住宅街の騒音をチェック!
草野球、お祭り、町工場…意外とうるさいのは?

ガイド:船木 麻里

家の近くに大きな川があり、河川敷が広がっていると、散歩コースとして最適です。河川敷だけでなく、公園も気分転換に向いています。しかし、河川敷では、週末になると草野球やサッカーなどのスポーツを楽しむ人が大勢集まります。公園も、夏や秋になるとお祭りや盆踊りが開催され、騒々しくなります。近くに河川敷や公園のある物件は魅力的ですが、人によっては、にぎわいの音にストレスを感じるかもしれません。物件を選ぶときは、周辺の施設などが自分にとってストレスになる騒音を出すかどうかをチェックしておきましょう。

駅前の騒音を避けて、閑静な住宅地に引っ越したとしても、周辺の施設からはさまざまな音が聞こえてきます。それぞれ、どれほどの騒音なのかを確かめてみました。

草野球はうるさい?

新居を探すときは近所の施設の騒音をチェック

住宅街で聞こえてくる騒音には、さまざまなものがあります。草野球のように週末だけ騒々しいものがあれば、お祭りや盆踊りのように1年で数日だけで騒音がひどくなるものもあります。防災無線のスピーカーは、朝や夕方だけ騒々しく鳴り響きます。

人が生活する以上、何らかの音が発生してしまうのは仕方ありません。しかし、強くストレスを感じるようであれば、そういった騒音を感じる物件は避けたほうがいいでしょう。

今回は、いくつかの施設やイベントから出る音量をスマートフォンのアプリを使って測定してみました。騒音の大きさを表す単位には「db(デシベル)」を使用しています。一般的に、80dbを超えると「うるさくて我慢できない」レベル、60~70dbは「うるさくてストレスを感じる」レベルといわれています。これから紹介する測定値を、物件選びのときの参考にしてみてください。

早朝スポーツ、防災無線、街の中の工場…一番うるさいのは?

スポーツをする音、お祭りなどの行事やイベントから発生する音、住民に対して行政が放送で伝えるメッセージなど暮らしの中にはさまざまな音があります。それらの音は、どのくらいの音量なのでしょうか。

早朝に行われる河川敷の草野球

一部の公園や河川敷にはグラウンドが併設されており、週末になると、野球やサッカーなどの練習、試合が行われることが多いようです。早朝から利用できる場所なら、朝6時~7時頃からトレーニングをする声が響くこともあるでしょう。このような音は、「週末くらいは昼までゆっくり寝ていたい」という人には、騒音になります。そういった人が引っ越すときは、周辺に野外スポーツをする場所がないか、確認したほうがいいでしょう。

そこで、草野球の練習試合中の騒音を調査しました。場所は、河川敷にあるグラウンド。測定は土手の上から行いました。

選手同士の掛け声よりも、打球音や、ミットにボールの入る音が大きく響いていました。大人は力があるので、ボールを打つ音、キャッチする音が響くようです。もちろん、メンバー同士で掛け合う声も小さくありません。

ピークは、打者がヒットを打ったとき。守備側の選手が一斉に声を掛け合い、攻撃側のベンチからも歓声が上がると測定値が最高になりました。

少年野球の試合

同じ河川敷のグラウンドでは、別の曜日に早朝から少年野球の練習や試合が行なわれています。同じく土手の上で音量を調べてみました。プレイしていたのは、小学生のチームです。

数値的には大人とほとんど変わりませんが、子どもの声が細いためか、体感的には音量が小さいように感じました。ボールをグローブでキャッチする音も大人ほど響きません。

ちなみに、土手を越えると子供の声はほとんど気にならないレベルになりますが、成人男性の掛け声は多少小さくなるものの土手を越えても気になりました。

野球の騒音

防災無線のスピーカーから流れる子供に帰宅を促す童謡

防災無線のスピーカーから災害情報は毎日流れませんが、夕方になると決まった時間に、子供たちに帰宅を促す童謡とメッセージが流れます。この防災無線のスピーカーは、行方のわからなくなった高齢者を探す放送や、選挙の投票への呼びかけなどに使われることもあります。

放送は、地域全体に聞こえるように流すので、音量は大きめに設定されています。閑静なのが良いと思っていても、防災無線の音が聞こえないのは問題といえます。

今回は子供に帰宅を促す童謡が流れるときに、スピーカーから30メートルほど離れた場所で測定してみました。

最低値は童謡だけが流れているとき。最高値は童謡とアナウンスの声が重なったときです。遠くからでも聞こえるメロディーにしては、小さめの音量といえるかもしれません。

平日の日中稼働する、住宅街にある食品工場

住宅街の中に町工場が建っていることがあります。そこで、街の中にある食品工場前の道路で計測してみました。道路に立っていても、工場内の機械の稼働音、モノを運ぶ台車が移動する音、作業員が指示を出す声などが聞こえてきました。

機械の稼働音は常に聞こえているので、最低の値は機械の音だけが響いているところです。最高値は、荷物を載せた台車が建物から別の建物へ移動するときの音が重なったときでした。

ちなみに、草野球の試合では「打った瞬間」などに、騒音が急に大きくなって驚かされるのですが、食品工場の場合は一定のレベルの音量が絶えず響いてくるので、意外に「うるさい」という印象は受けませんでした(個人差があるかもしれません)。

防災無線と工場の騒音

運動会やお祭りなど、年に1回開催されるイベントの騒音

普段は静かな場所でも、イベントの開催地が近くにあると、年に1度か2度は騒がしくなります。イベント開催中にどの程度の音が出ているのか、測定してみました。

町内会の運動会

学校のグラウンドを使った町内会の運動会も、年に1回とはいえ、それなりに騒々しくなります。参加者は、子供から高齢者までさまざまで、100人程度が集まっていました。

競技の最中は、「天国と地獄」などの運動会でおなじみの曲やアイドルソングが、大きなボリュームで流れていました。また「次は小学生の100m走です」「次は借り物競争です」といったアナウンスも、音楽に負けない大音量でした。測定は、グランド横にある道路からフェンス越しに行いました。

ピークは、競技の合図である号砲の「バーン」という音が響いたときです。最低は音楽の切れ間のとき。それでも多くの参加者が盛り上がってガヤガヤ騒いでいるので、かなりうるさいという印象を受けました。

町内会の運動会の騒音

駅前で開かれるお祭り

首都圏のベッドタウンの駅前で開催されるお祭りで、出店が立ち並び、道路を埋め尽くすほどたくさんの人が集まっていました。子供やおばさんの声、屋台の客寄せ、音楽が常に響いている状態です。

計測はふたつのパターンで行いました。ひとつは、歩行者天国になっていた道路横のベンチで、もうひとつは、人だかりの中を歩き回りながら計測しました。

お祭りの騒音お祭りの騒音

グラフで見ると上下の差がありますが、実際にお祭り会場の中にいると、隣の人との会話も困難で、あまり音量が上下している印象はありません。出店の人の呼び声も大きく、集まっている人たちも大声で話しているので、かなりうるさく感じます。

ちなみに、運動会には号砲があるため最高値は上ですが、お祭りのほうが騒々しさを感じました。


騒音の感じ方は、人によってさまざまです。野球が好きな人にとって、試合中の音はそれほどストレスを感じないかもしれません。しかし、そんな人でも、お祭りや運動会の音にはストレス感じる可能性があります。それでも、参加者になってしまうと、騒音とは感じないでしょう。騒音がストレスでも、年に1回か2回のことであれば、そのときだけ家を離れてしまうのもひとつの方法です。

なお、幹線道路や高速道路、鉄道などの騒音調査は、昨年実施しました。ぜひ、あわせてご覧ください。

引越し後に気づいても、もう遅い! 高速道路、幹線道路、電車の騒音レベルはどれくらい?

今回の騒音計測には、多くの人が気軽に使える点を考慮し、前回と同じくスマートフォンアプリ「騒音測定器」を使用しました。このアプリはAndroid用で、最大値、最小値、平均値を出せるのが特徴です。引越しを控え、新居探しをしている人は、使ってみてはいかがでしょうか。iPhoneユーザーは類似のアプリを探してみてください。

※ 騒音の大きさは場所や条件によって異なります。また、今回の測定数値は、スマートフォンアプリを使用した簡易的のものです。専用機器を使用した実測値とは異なる場合があります。

2016年10月31日掲載

ガイドプロフィール
船木 麻里(ふなき・まり)
家事セラピスト、整理収納アドバイザー、フリー編集者/ライター

出版社勤務を経て、出産を機に独立。雑誌、書籍等で教育や家庭生活をテーマに幅広く取材、執筆。家事セラピストとして、自分らしく気持ちのいい暮らし方を提案。「引越し9回&立ち退き2回」の経験から引越しにも一家言あり。

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