悪質な不動産会社に注意!
おとり広告、事故物件、わけあり物件を避けるポイント

ガイド:船木 麻里

新居を探すとき、頼りになるのが不動産会社です。しかし、契約できない物件をウェブサイトなどに掲載したり、告知義務のある事故物件を隠して契約しようとしたりする悪質な不動産会社もいます。そういった悪徳不動産会社に騙されないよう、よく使われる手口を覚えておきましょう。ちなみに、宅建免許に記された番号を見れば、長く事業を行っている不動産会社かどうかわかります。さらに、国土交通省のウェブサイトを見れば、過去に起こした問題などを調べられます。情報を集めて、信頼できる不動産会社かどうかを見極めましょう。

引越し先の物件を探すとき、ほとんどの人が不動産会社に頼ることになります。ところが、不動産会社の中には、悪質な方法で契約を結ぼうとする会社があります。今回は、そういった悪徳不動産会社の手口について紹介します。

不動産会社

覚えておきたい要注意物件

良心的な不動産会社があれば、そうではない不動産会社もあります。悪徳不動産会社は、おとり広告を使って引越しを検討している人を誘い込んだり、物件の不備などを隠したりして契約を結ぼうとすることがあります。

実際には契約できない物件を載せる「おとり広告」

不動産情報のウェブサイト、あるいは不動産会社の店頭に貼られたチラシなどに、実際には契約できない物件情報が掲載されていることがあります。こういった広告のことを、「おとり広告」と言います。おとり広告には、「家賃が安いのに、条件がいい」と目を引く物件が多く掲載されています。

消費者庁の「不動産のおとり広告に関する表示」によると、(1)実際には存在しない物件、(2)取引できない物件(売約済みの物件など)、(3)存在していても取引する意思のない物件の3タイプがおとり広告とされています。

おとり広告につられて実店舗に行くと、その物件とは契約できないので、不動産会社に「ついさっき、その物件は別の人が契約してしまった」と言われてしまいます。目当ての物件がないからと帰ろうとしても、不動産会社は「ほかに良い物件がある」と、別の物件を紹介しようとします。おとり広告の物件は、実際に引越しを考えている人を誘い出して、営業をかける手法なのです。

おとり広告の対策はひとつだけ。「その物件は、売約済み」と言われた段階で、さっさと立ち去ることです。長居しても、別の物件の紹介を受けるだけです。

ちなみに、不動産のおとり広告は、「不当景品類及び不当表示防止法」で禁止されています。違反した場合は、不当表示により一般消費者に与えた誤認の排除や今後同様の違反行為を行わないことを命ずるといった「措置命令」などが行われます。こういった不法な手段を行う不動産会社は信用できないので、別の会社で物件を紹介してもらったほうが良いでしょう。

事件や犯罪などがあった「事故物件(心理的瑕疵物件)」

自殺や殺人、火災など、何らかの問題のあった物件は、「事故物件」として、「契約にあたって告知する義務」があります。また、事故物件を借りる人は少ないので、「通常より安く契約できる」とされています。自殺や殺人のように、住むのに問題はなくても、心理的に受け入れにくい事故物件のことを、特に「心理的瑕疵物件(しんりてきかしぶっけん)」と言います。

誰かが自殺した部屋、殺人事件が起こった部屋に住むことに抵抗があるのは当然です。ただ、そういったことを気にしない人であれば、条件のいい物件を安く借りるチャンスです。実際、不動産会社では、事故物件であることを明示して、納得した人と安く契約を結ぶ例もあります。

問題は、事故物件だと告知が必要な期間について、法律で明確に定められていないことです。重大な事件や事故の場合は、2~3年程度は告知義務があるとされることが多く、賃貸契約を結ぶには、不動産会社が入居希望者に事故物件であることを伝えなくてはなりません。

ところが、告知期間が明確でないことを都合よく解釈し、事故物件であることを隠して、賃貸契約を結ぶ不動産会社がいます。そうすれば、不動産会社は、借りる人の少ない物件を、家賃を下げることなく貸すことができるわけです。過去には、住み始めてから事故物件だと知り、裁判になったケースがあります。

ほかにもある「わけあり物件」に注意しよう

住むにあたって、何らかの問題がある物件のことを「わけあり物件」と言い、過去に床下浸水があった、シロアリが住み着いているなど、建物そのものに問題がある物件、法律によって建築に制限がある地域の物件、周辺にゴミ処理施設などがある物件などが含まれます。

いずれも、契約するときに不動産会社が告知する義務があります。これらの問題を隠して契約しようとする、悪徳不動産会社もあるので、契約する前に一つひとつ確認しましょう。きちんと告知をして、価格、条件を納得して契約するのなら問題はありません。

宅建免許の番号で不動産会社の信頼性を確認

信用できる不動産会社を見抜くポイントは、宅建免許証を見ることです。不動産業を営むには「宅地建物取引業法」に準拠し、「宅地建物取引業者免許(宅建免許)」が必要になります。免許証はたいてい不動産会社のオフィスで、消費者から見える場所に掲示されているはずです。

注目して欲しいのは、「国土交通大臣免許(■)○○号」と記載されている宅建業免許番号です。■の部分に書いてある数字が免許の更新回数で、免許は5年おき(1996年より前は3年に一度)に更新されます。つまり、数字が大きければ大きいほど、長く事業を継続してきた証となります。

悪徳不動産会社は、悪いうわさが広がるたびに、会社を潰して別の社名で再出発することがあります。そのため、数字が小さいところは、用心して話を聞くほうがいいでしょう。

ただし、設立して間もなくても誠実な会社はあるので、更新回数だけで判断しないことも留意しておきましょう。

国土交通省のネガティブ情報等検索システムを利用すると、都道府県知事が行った監督処分情報を県別、年度別に調べることができます。過去におとり広告をした、告知義務違反をしたなど、行政指導を受けた不動産会社はこのウェブサイトで調べられます。

国土交通省ネガティブ情報等検索システム<宅地建物取引業者>

2017年4月7日掲載

ガイドプロフィール
船木 麻里(ふなき・まり)
家事セラピスト、整理収納アドバイザー、フリー編集者/ライター

出版社勤務を経て、出産を機に独立。雑誌、書籍等で教育や家庭生活をテーマに幅広く取材、執筆。家事セラピストとして、自分らしく気持ちのいい暮らし方を提案。「引越し9回&立ち退き2回」の経験から引越しにも一家言あり。

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