大安の引越しは得?知っておきたい縁起と料金の関係

ガイド:吉田 章

引越し向きの日として選ばれることの多い大安。しかし実は、料金の面から見ると必ずしもメリットがあるわけではないのです。引越しの日取りを決める前に知っておきたい、六曜やその他吉凶占いの情報をまとめました。

一般に、大安は縁起のいい日とされています。引越しは新たな生活のきっかけとなる重要な仕事ですから、ゲンを担いで大安を転居日にしたい、と考えるのは自然なことです。

ただ、依頼する業者や自分自身の都合によっては、必ずしも大安を選べないこともあるでしょう。そんな時、新生活の出だしで躓いてしまったように感じる人もいるかもしれません。

実は、大安に引越しをするのは必ずしもいいことばかりではないのです。本記事では、知っているようで知らない、大安と引越しの豆知識を解説します。

大安の引っ越しは得?知っておきたい縁起と料金の関係

大安と引越しの関係

まずは、大安と引越しの関係について取り上げます。

そもそも大安とは

大安とは、六曜と呼ばれる、暦の吉凶を占う六種類の語句の1つです。六曜は一日単位で割り振られ、基本的には六日おきに循環します。

種類ごとに吉凶が違うわけですが、注意したいのは、一日全体ではなく、時間帯ごとに吉凶が判断されるということ。

以下に、六曜の種類とその概要をまとめますので、目を通してみてください。

先勝(せんしょう)

「先んずれば即ち勝つ」を縮めたもので、その名の通り早い時間帯、つまり午前中は吉。午後は凶とされます。

このことから、先勝の日は重要な用事を午前中に済ませると縁起がいいとされます。

友引(ともびき)

「共引き」から転じた言葉で、朝が吉、昼が凶で、晩が吉とされます。全体としては、可もなく不可もなしの一日として扱われることが多いです。

ただ「ともびき」という音から、道連れを連想し、友引の日は葬儀を敬遠するという自治体もあり、土地柄によっては縁起が悪いと解釈されることもあります。

先負(せんぶ)

先勝の反対で、「先んずれば即ち負ける」を縮めたものです。午前中は凶、午後は、吉とは言わないまでも努力次第で吉になる、とされます。

具体的には、慌てた行動を避け、一日をゆったり冷静に使うことが推奨される日です。

また、「負」という漢字が入ることから、勝負事(宝くじや競馬、競輪など)が敬遠される傾向にあります。

仏滅(ぶつめつ)

仏が滅びる、という恐ろしい字面からも読み取れますが、六曜の中でもとくに縁起の悪い日とされています。おみくじで言う大凶で、冠婚葬祭をはじめ、催し事は敬遠されます。

一方で、すべてゼロになって新たに始まる日、という解釈もあり、趣味や勉強、事業など、新しい何かをスタートする日として扱われることもあります。

大安(たいあん)

「大いに安し」を縮めたもので、仏滅の反対、六曜の中でもっとも縁起の良い日とされています。

一日を通して陰ることなく、何をするにも安心。このことから、引越しや結婚式など、新たな門出の日として選ばれることが多いです。

赤口(しゃっこう)

陰陽道における不吉な日から転じて、六曜に組み込まれたとされる凶日です。吉は、丑の刻(11時から13時までの2時間)だけで、あとの時間は凶。

もとになった陰陽道では、人間を脅かす鬼が関わる日とされており、訴訟や契約が敬遠される傾向があります。また、「赤」から血や火を連想して、危険なものに注意する日として解釈されることもあります。

なぜ大安が引越し予定日に選ばれるのか

若い世代ほどこだわらなくなってはいますが、大安か仏滅の二択を迫られたら、おそらく多数派が大安を選ぶのではないでしょうか。

六曜は、14世紀以降、700年近くにわたって日本の文化に深く根付いた吉凶占いです。仏教とも神道とも関係のない俗信なのですが、その吉凶のイメージは広く浸透しています。六曜自体を知らなくとも、大安の日は縁起が良く、仏滅の日は縁起が悪い、という情報はどこかで耳にしていることでしょう。

また、本人にこだわりはなくとも、家族などから勧められて、六曜の吉凶をもとに引越し予定日を決定する人もいるはずです。

大安に引越しをする人が多いのは、文化的なゲン担ぎや、それに伴う同調圧力などが理由であると考えられます。

人が多い=料金が高くなるという側面も

モノやサービスの料金は、需要と供給で決まります。引越しも例外ではありません。

例えば3月、4月などの引越しシーズンは、他の月に比べて万単位で料金が変動することも珍しくありません。

利益を増やしたい、依頼の数を絞りたい、といった思惑から料金が引き上げられるわけですが、これと同じことが大安にも起こります。値上げ幅は大きくありませんが、大安に引越しをすると、縁起は良くとも料金的には損をする、ということは知っておくと良いでしょう。

料金と縁起の兼ね合いを考えることが大切

六曜以外にも、引越しの需給を変化させる要因はあります。

わかりやすいところでは、平日より休日、月初より月末の方が、料金は高くなります。前者は仕事の都合、後者は賃貸契約の都合で、そのタイミングに引越したい人が増えるためです。

こうした料金の変化は、ケースバイケースで異なります。あくまで一般論ではあるのですが、引越しの際は縁起と同時にこうした料金変動も考慮すると、よりお得な形で引越しをすることができるはずです。

大安に引っ越せない時のゲン担ぎについて

仕事や賃貸契約などの兼ね合いで、どうしても大安に引っ越せないということもあるでしょう。

引越し予定日が先勝や先負などであれば時間帯を調整すれば良いのですが、仏滅や赤口だと縁起が悪いですよね。六曜は俗信ですが、気持ちのいいものではないでしょう。

そのような時は、神仏を頼ることで、厄払いができるとされています。

六曜は俗信だが宗教の影響を受ける

六曜は、仏教とも神道とも関係のない俗信です。

ただ俗信だけあって、多くの人が信じている宗教儀式によって、縁起を上向けることができるとされています。

たとえば以下のようなことです。

お供え 引越し前の大安に、神仏にお供えする品(お花やお酒等)を新居に運び込む。
お参り 引越し前に寺社仏閣にお参りする。
お祓い 引越し前に神社でお祓いをしてもらう。

気の持ちようではありますが、もし引越し前に不吉な予兆があるなら、こういった対策をしてみるのもよいでしょう。

引越しの時期と料金の関係

上でも触れましたが、引越し料金は、時期によって大きく変動します。

需要が高いほど料金が高くなる

もっとも料金が高くなるのは、入学、就職、転勤が集中する3月中盤から4月初旬。次いで、転勤が増える9月が引越し業者の繁忙期です。

また、繁忙期ほどではありませんが、平日よりも休日、月初よりも月末の方が、料金を高く設定している引越し業者が多いです。

六曜も依頼の需給に影響を与えていて、仏滅よりも大安の方が高い傾向があります。

仏滅は敬遠されるが反面お得

大安に依頼が増える一方で、仏滅は敬遠されます。これは引越しに限った話ではなく、結婚式などの祝い事全般にも当てはまることです。

そのため引越し業者や結婚式場などは、仏滅の日に料金を引き下げることで、集客を図る傾向があります。

大安は確かに縁起がいいのですが、経済的に考えれば、仏滅に引越しをした方が出費を抑えられるわけです。一概にどちらが良いと判断はできませんが、こうした事実は、知っておいて損はないでしょう。

六曜だけじゃない?参考にしたい方位のこと

日本に根付く吉凶占いは、六曜の他にもあります。その一つが、方位に関するもの。引越しにも少なからず関係するものですから、参考までに方位の吉凶占いの基本知識を紹介します。

ベースになるのは九星気学の考え方

九星気学は、中国から伝わった九星という占術と、九星を元に明治時代に体系化された気学という占術の総称です。

九星気学では、生まれ年を一から九の星に分類し、それを元に運勢や縁起のいい方位などを占います。ちなみに、九星の種類は生まれ年の西暦年を9で割って出た余りで、以下のように判断されます。

1が余る人 一白水星(いっぱくすいせい)
割り切れる人 二黒土星(じこくどせい)
8が余る人 三碧木星(さんぺきもくせい)
7が余る人 四緑木星(しろくもくせい)
6が余る人 五黄土星(ごおうどせい)
5が余る人 六白金星(ろっぱくきんせい)
4が余る人 七赤金星(しちせききんせい)
3が余る人 八白土星(はっぱくどせい)
2が余る人 九紫火星(きゅうしかせい)

吉方位と凶方位

九星気学をはじめ、風水やその他の東洋占術では、縁起の良い方位と悪い方位をそれぞれ吉方位と凶方位と呼びます。

占いの種類によって吉方位、凶方位の判断方法は分かれるのですが、九星気学ではその人が当てはまる星に応じて、定位盤という早見表のようなアイテムを用いて決定されます。

これは、知識さえあれば頭の中だけでも判断可能。ただ、時々刻々と結果が変わる、かなり複雑なものですから、自身の吉方位を知りたい場合は専用のWebサービスやアプリを使うことをおすすめします(少し検索すれば、無料のものがすぐに見つかるはずです)。

避けるべき方位

九星気学で判断される方位の中には、五大凶方と呼ばれる、占いで言う大凶、六曜で言う仏滅のような方位があります。自身の吉方位を調べる際は、一緒に凶方位についてもチェックしておくことをおすすめします。

参考までに、五大凶方とは以下のようなものです。

暗剣殺(あんけんさつ)

予見できない災難が、自分に関わりのないところから降りかかってくるとされる方位。

努力しても避けられないことから、この方位で引越しや結婚、住宅購入をすることは推奨されません。

五黄殺(ごおうさつ)

自分が原因で災難が引き起こされる方位です。

暗剣殺と並び、六大凶方の中でも特に縁起が悪い方位で、まだ行動を起こしていない段階から影響が出始めるとされています。

引越しで言えば、新居を定めただけで不吉な出来事が、それも自分が引き金となって起こることに。元凶となる星の特性から、仕事上のミスや破壊、悪評、腐敗などに注意が必要と解釈されています。

本命殺(ほんめいさつ)

本命殺は、健康面に影響が出ると考えられている方位です。

心身ともにダメージを受けやすい状態で、具体的な病気ではなくとも、自律神経が乱れたり、気分が塞ぎがちになったりすることが危ぶまれます。

本命的殺(ほんめいてきさつ)

本命的殺は、その人が目的としていること、志していることを損なうとされる方位です。

例えばある仕事を成功させようとがんばっても、自分のミスや勘違いによって目的達成が困難になります。特にメンタル面に影響の大きい凶方位と考えられています。

歳破(さいは)

暗剣殺の少し弱い版で、破壊的な不幸が想定しない形でやってくる方位です。

突発的に自分ではコントロールできない影響が出るとされていますから、引越しや結婚、不動産の購入といった人生を左右する意思決定をするときは注意が必要です。

凶方位に引っ越す時の対策

方位を基準に新居を選ぶ人は少数派でしょう。

しかし、何かのタイミングで、自身の引っ越す方向が凶方位にあると知ってしまったら、九星気学を重視していなくともちょっと気にしてしまいますよね。

じつは、そんな時に活用できる凶方位を外す方法もあります。

方違え

凶方位は、相対的なものです。

旧居から新居に直接引っ越すのではなく、ホテルなどに一泊してから引っ越せば、方位の解釈はリセットされます。

事前に旧居からホテル、そしてホテルから新居が吉方位にあると確認しておく必要はありますが、この方法を使えば凶方位の持つ影響から逃れられると考えられています。

厄払い

神社には、方位から災難の影響を受けないようにするための方位避けをはじめ、さまざまな災難、厄をはらうための祈願があります。

身近な神社に相談をして、状況に応じた祈願をしてもらうのも、凶方位の影響を避ける一つの方法です。

縁起物はあくまでも参考程度に

たとえ凶兆が出ていようと、本人がそれとわからなければ、災難も不幸も存在しません。気の持ちようで、解釈は変えられるわけです。

人の心は不思議なもので、自分は不幸になると思い込んでいると、その方向に向かった行動を無意識に取ってしまうようなところがあります。

六曜も方位も俗信ですから、吉が出たらラッキー、凶が出たら気にしない、くらいの姿勢で参考程度に留めておくことをおすすめします。

2021年2月26日掲載

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ガイドプロフィール
吉田 章(よしだ・あきら)
株式会社ウェブクルー 引越し関連サイト 営業担当

株式会社ウェブクルーが運営する引越し関連サイトの営業担当者。引越しに関する造詣の深さを活かし、営業担当として活躍中。

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