「残価設定型クレジット」ってどんなもの?
知っておきたいメリット・デメリット

ガイド:山田 正昭

新車ディーラーが盛んにすすめるようになった「残価設定型クレジット」。説明を聞いてもピンとこず、使ってみたいけれど二の足を踏んでしまうという人も多いようです。残価設定型クレジットは実質的には超長期のクレジットと言えるもので、毎月の支払いは少なくなりますが、総支払額が少なくなるわけではありません。その代わりに、数年後の買取価格が保証されるというメリットがあります。また、残価設定型クレジットは銀行のマイカーローンと比べると総じて金利が高く、総支払額で考えると損をしてしまう可能性も。じっくり試算して自分に合った購入方法を選ぶことが大切です。

トヨタは「残価設定型プラン」、ホンダは「残クレ」として宣伝している残価設定型クレジット。他の新車ディーラーも同タイプのプランを積極的に展開しています。これらは数年後に車両を返却するか、新たに購入の契約をすることなどを条件に、毎月の支払負担を減らしたもの。そのメリットとデメリットを説明しましょう。

実質的には「超長期のクレジット」

まず、残価設定型クレジットについて、わかりやすく説明しましょう。車両価格300万円の車を5年(60回)払いで買うとしましょう。残価設定型クレジットでは、車両価格のうち数年後の買取価格(残価)を設定し、それを差し引いた金額を分割払いとします。

5年後の買取価格(残価)を100万円に設定したなら、残りの200万円分を分割払いとし、一定の額を毎月支払うのです。当然、300万円を60回で分割払いするよりも、毎月の支払金額は低くなります。ただし、5年後には車両を返却するか、現金一括で100万円を支払って購入するか、あるいは100万円を新たに分割払いする契約をしなければなりません。

残価設定型クレジットの仕組み

しかし、どうもピンとこないという人も多いでしょう。そこで、5年後に100万円を新たに2年(24回)払いで支払う契約を結んだと考えてみます。すると、結局のところ、300万円の車を7年(84回)払いで買ったのと同じことだと気がつくでしょう。そして、支払い回数が長くなる分だけ、金利負担も大きくなるというデメリットがあることもわかるはずです。

普通に分割払いで買った場合でも、支払い途中で車両を売却することは可能です。仮に最初から84回払いの分割払いを契約したとして、5年経過したところで売却し、残債を精算すると、残価設定型クレジットで5年経過時に車両を返却するのと同じことになります。

買取価格が保証されるのが最大のメリット

このように説明すると、残価設定型クレジットは「お得感があるように見えるだけで、実際は違うのではないか」と感じるかもしれません。一般には毎月の支払いが少なくなるのがメリットとされていますが、超長期クレジットと考えればそれは当たり前のこと。しかし、メリットはちゃんとあります。

それは数年後の買取価格が保証されるということ。車の買取価格はさまざまな要因で左右されるため、数年後にどうなるかは、誰にも予想できません。しかし、残価設定型クレジットなら、購入時に買取価格を決めるため、愛車を手放すときに「予想より安くなっていてがっかり…」というリスクを回避できるのです。

買取価格はどんな場合でも保証されるわけではなく、走行距離などに制限がありますが、それを差し引いても予想外の値下がりを回避できるメリットは大きいと言えます。また、通常の分割払いでは、84回払いなどという長期の契約は難しいのですが、残価設定型クレジットなら実質的にそれと同じことができるというメリットもあります。

金利負担を考え、銀行のマイカーローンとの比較も忘れずに

逆に、残価設定型クレジットのデメリットは何かと言えば、やはり金利負担が大きいこと。車両価格から数年後の買取価格を差し引くといっても、実際にはその分も含めて金利がかかります。つまり、300万円の車を残価設定型クレジットで購入し、200万円分のクレジット契約をする場合でも、金利は300万円分かかっているということです。

しかも、ディーラーの分割払いの金利は銀行のマイカーローンと比較すると総じて高めに設定されています。そのため、残価設定型クレジットで購入しても、実は低金利のマイカーローンで普通に購入する場合と毎月の支払額が大差ない、ということにもなりかねません。購入前によく比較検討し、総支払額がいくらになるのかを必ず確認しておきましょう。

残価設定型クレジットの詳細はディーラーによっても異なります。前述のように、買取額が保証される前提として走行距離などに制限が設けられているので、確認が必要です。特定の車種に対して、特別な低金利が適用されることもよくあります。

このようなメリット、デメリットを考慮すると、走行距離が短い人、改造やドレスアップをしない人、長期の分割払いに抵抗感がない人、新車を次々と乗り替えたい人なら、残価設定型クレジットは大きなメリットがあります。逆に、走行距離が長い人、改造やドレスアップを楽しみたい人、長く愛車に乗り続けたい人にはあまりメリットがありません。毎月の支払額だけでなく、特徴が自分に合っているのかをよく考えて利用しましょう。

2015年2月6日掲載

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ガイドプロフィール
山田 正昭(やまだ・まさあき)
自動車・バイク・ITジャーナリスト/YouTuber

自動車雑誌、バイク雑誌の編集を経て、フリーランスとして独立。Webに活躍の場を移し、多数のサイトで執筆活動を展開中。カーナビやデジタルガジェットのインプレッション記事も得意とする。最近はYouTubeで車やバイクのレストア・整備・修理などを公開中(まーさんガレージ:https://www.youtube.com/user/yamada911/)。

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