車のコンプレッサーの寿命は何年?長持ちさせる方法も解説

ガイド:渡辺 剛志

冷房や暖房などのカーエアコンの効きが悪い場合、コンプレッサーに何らかの異常が発生しているケースが考えられます。コンプレッサーには寿命があるため、異常を知らせるサインに気づいたらできるだけ早く交換するのが大切です。この記事では、コンプレッサーの寿命や交換にかかる費用などをわかりやすく解説します。寿命を延ばす方法も併せて解説するので、必要なときに冷房や暖房をいつでも使用できる状態にしておきましょう。

カーエアコンが必要な時期に、普段よりも効きが悪いと感じた経験があるかもしれません。冷房や暖房の効きが悪い場合、コンプレッサーと呼ばれる機器に何らかの異常が起きているケースが考えられます。コンプレッサーが故障すると、必要なときにカーエアコンが使用できないため、異常に気づいたら早めに交換をするのが大切です。

この記事では、コンプレッサーの寿命や、交換費用などをわかりやすく解説します。コンプレッサーの調子が悪いと感じている場合は、真夏や真冬などのカーエアコンが欠かせない時期までにメンテナンスしておきましょう。

車のコンプレッサーとは

車のエンジンルームには、バッテリーやラジエーターホース、ウォッシャータンクなどのさまざまなパーツが設置されています。コンプレッサーもエンジンルームにあり、カーエアコンを快適に使用するためには必要不可欠なパーツです。

コンプレッサーには、冷却ガスを圧縮して半液化させる役割があります。カーエアコンはエアコンシステム内で気化から液化、気化を繰り返しています。気体を液化させるためには、気体の熱を奪わなければなりません。

気体の熱は、コンプレッサーで圧縮して圧力を高めることで液化がスムーズになります。エアコンシステム内でエアコンガスを循環させるためには、コンプレッサーのほかにコンデンサーやエバポレーターなどが必要です。

コンプレッサーに何らかの異常が起きるとカーエアコンが使用できなくなるため、定期的な点検とともに、必要に応じて交換をするのが大切です。

車のコンプレッサーの寿命

上記で解説した通り、エアコンガスは複数のパーツで循環させているため、コンプレッサーに異常が起きると、必要なときにカーエアコンが使用できなくなります。車のパーツの中には、 寿命を迎える前に異音や走行中の違和感などのサインが現れることも少なくありません。

しかし、コンプレッサーの場合は明確なサインが現れないケースも多いので、使用年数が判断の目安となります。コンプレッサーの法定耐用年数が7年で、カーエアコン本体のメーカー保証が5年~9年です。そのためコンプレッサーの寿命は、一般的に7年~10年だと言われています。

しかし、コンプレッサーの寿命はドライバーの使い方次第で変動するため、エアコンガスの補充を定期的に行っていれば、10年以上使用できることもあります。

エアコンガスの補充は、街の自動車整備工場やカー用品店などで依頼可能です。料金は依頼先によって異なりますが、部品代と工賃を合わせて1本あたり4,000円程度です。

故障のサイン

コンプレッサーは、寿命を迎える前に何らかの原因で故障するケースがあります。故障のおもな原因は、本体の亀裂や詰まりなどです。上記で解説した通り、コンプレッサーには寿命を知らせるサインがほとんどありません。

しかし、故障するとカーエアコンが効きにくくなるため、使用中に何らかの異常に気づくことがあります。ただし、冷却水が不足しているときにも、カーエアコンが効きにくくなることがあるので、原因が必ずしもコンプレッサーの故障だとは限りません。

冷却水不足が原因の場合は、冷却水を補充すればカーエアコンの効きが元に戻ります。街の自動車整備工場やカー用品に依頼しても数百円程度で補充できます。一方で亀裂や詰まり、寿命などでコンプレッサーが故障すると、本体の修理や交換が必要になります。

コンプレッサーの交換にかかる費用

コンプレッサーが故障したり、寿命を迎えたりすると、本体を交換しなければカーエアコンの効きが元に戻ることはありません。本体の交換にかかる費用は、50,000円~10万円程度が目安です。

コンプレッサーが寿命を迎えた場合は、本体の交換だけでは済まないケースも少なくありません。コンプレッサーが寿命を迎えるころには、エアコンシステム内に設置されているほかのパーツにも異常が起きていることがあるからです。

例えばサーモスタットやファンモーターの故障が認められる場合は、コンプレッサーの交換費用に加えて10,000円~40,000円程度の費用がかかります。コンプレッサー以外のパーツの交換が必要になったときには費用が高額になるため、廃車を検討するドライバーも多いです。

コンプレッサーの寿命を延ばす方法

コンプレッサーの寿命は7年~10年だと言われていますが、ドライバーの使用状況によっては10年以上使用できることもあります。ここでは、コンプレッサーの寿命を延ばす方法を解説します。

定期的にカーエアコンを使用する

コンプレッサーは、使用しない期間が長くなると、作動部分が固まってコンプレッサーに負担がかかるため、カーエアコンを使用しない期間が、長くなるほど寿命が短くなると言われています。

コンプレッサーの寿命を延ばすためには、定期的にカーエアコンを稼働させることが大切です。季節によってはカーエアコンを稼働する機会が少ないかもしれませんが、使用しない期間をできるだけ発生させないように心掛けましょう。

定期的に点検を受ける

定期点検をきちんと受けることは、コンプレッサーの寿命を延ばすことにもつながります。例えば、エアコンガスと潤滑剤が不足していると、焼き付きと呼ばれる状態を起こしやすくなります。焼き付きとは何らかの原因で潤滑剤が漏れ、パーツのつなぎ目が摩擦して熱を発生させた状態です。

焼き付きを起こすとコンプレッサーの寿命は短くなってしまうため、定期点検でエアコンガスと潤滑剤の不足が早期発見できれば、補充によってコンプレッサーの寿命を延ばせます。

【コンプレッサーの定期点検が行える場所】
コンプレッサーの定期点検は、街の自動車整備工場やディーラー、カー用品店などで受け付けています。焼き付きを起こしている状態でも軽度であれば、数時間で修理できるケースも多いです。

一方で重度になるとコンプレッサー本体やほかのパーツの交換が必要になるため、数日~1ヵ月程度かかる場合があります。

車のコンプレッサーが寿命を迎えたら買替えも検討しよう

車のパーツの中には、異音や走行中の違和感などで、寿命を知らせるサインが現れるものも多いです。しかし、コンプレッサーは何もサインがなく突然寿命を迎えることがあるので注意が必要です。

コンプレッサーが寿命を迎えると、必要なときにカーエアコンが稼働できないため、真夏や真冬などに使用頻度が増えるまでに定期点検を済ませておきましょう。

また、コンプレッサーの交換費用は10万円を超えることもあるため、車の年式や走行距離を考慮し、コンプレッサーの寿命をきっかけに買替えを検討するのも選択肢のひとつです。

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ガイドプロフィール
渡辺 剛志(わたなべ・つよし)
株式会社ウェブクルー 自動車関連サイト 営業担当

株式会社ウェブクルーが運営する自動車関連サイトの営業担当者。新車・中古車を問わず、マーケット動向に深い知見を持つ。

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