タイヤのメンテナンスは超重要!
空気圧・異物のチェック方法と保管時のコツ

ガイド:山田 正昭

非常に重要で、しかも劣化するパーツでありながら、メンテナンスを忘れてしまいがちなのが「タイヤ」。安全を確保するため、空気圧のチェックはこまめに行いましょう。それによってタイヤの寿命が伸び、燃費も良くなるので経済的にもプラスとなります。また、マイカーを所有するのなら、使用していないタイヤの保管方法についても知っておくべき。タイヤを劣化させずに保管するためには、保管場所の明るさと湿度、タイヤの空気圧に注意し、ホイールの有無に応じて置き方を変えることが重要です。

タイヤは、自動車と道路を繋ぐたったひとつのパーツです。エンジンのパワーもブレーキの制動力も、それにドライバーの操作も、すべてはタイヤを通じて路面に伝えられます。その重要性と、負担の大きさは推して知るべし。常に気を配ってメンテナンスしておかなければなりません。

タイヤの空気圧の低下がトラブルを招く

ほとんど故障しなくなった現代の自動車ですが、タイヤのトラブルは意外に多いことをご存じでしょうか。例えば、2014年度のJAFの出動理由を見ると、1位がバッテリー上がり、2位がタイヤ関連のトラブルです。高速道路での出動理由に限ると、すべての出動理由の約30%がタイヤ関連となっており、トラブルの発生率は驚くほど高いと言えます。

では、タイヤ関連のトラブルとは具体的に何を示すのでしょうか。誰でもすぐに思い浮かぶのは「パンク」でしょう。路上に落ちている釘などによるパンクは、タイヤにとって宿命的に避けられないトラブル。しかし、タイヤのトラブルの中でパンクはそれほど多くありません。特に高速道路では、パンクよりもタイヤが破裂する「バースト」が多いのです。

タイヤが突然破裂するバースト。「そんなことがあるの?」とびっくりする人もいるかもしれませんが、高速道路ではありふれたトラブルと言えます。その原因はズバリ、空気圧の不足。すり減った古いタイヤがバーストしやすいと思っている人がいるかもしれませんが、タイヤの摩耗はバーストとはほとんど関係ありません。

バーストはタイヤの側面であるサイドウォールから起こります。空気圧が不足したまま走行すると、タイヤが激しく変形する「スタンディングウェーブ現象」がおき、その変形に耐えられなくなったサイドウォールが破断、そしてタイヤ全体がバーストするのです。

ところで、最近のタイヤは空気圧が減っていても気づきにくいということをご存じでしょうか。タイヤの空気は正常でも少しずつ抜けていきますし、パンクによって抜ける場合もあります。そんなとき、昔のタイヤであればまともに走らなくなり、見た目からも異常が明らかなため、すぐに気がつきました。

一方、最近のタイヤは全体が硬く丈夫に作ってあるため、ある程度空気が抜けても普通に走る上に、外観もあまり変化しません。スポーツカーなどに装着されているロープロファイルタイヤ(低扁平率タイヤ)では、完全に空気が抜けていても見た目がほとんど変わらず、ゆっくりなら支障なく走れるほどです。

しかし、たとえ気が付かなくても空気圧の低下による弊害は確実にあります。その最たるものが、突然のバースト。このような事態は絶対に避けなければいけません。

空気圧・異物のチェックが最重要。ツヤ出しはほどほどに

前述のとおり、最近のタイヤは空気圧の低下を感じ取りにくくなっています。ですから、タイヤのメンテナンスで最も重要なのは空気圧をチェックすること。タイヤの適正空気圧を取扱説明書などで確認しておき、エアゲージを購入して自分でチェックするか、ガソリンスタンドなどでチェックしてもらうといいでしょう。

空気圧を適正に保つことは偏摩耗の防止にもつながり、タイヤが長持ちするだけでなく、燃費にも直結します。空気圧が少しでも低いと、燃費は大幅に悪化するのです。このように、空気圧をきちんとチェックすることで安全性を確保できるだけでなく、環境面や経済面でも大きなメリットがあります。

空気圧のほかに、摩耗のチェックや、釘などの異物が刺さっていないか、ヒビ割れがないかを点検するのもタイヤのメンテナンスの基本。ただし、異物のチェックはジャッキアップしないと完全にはできませんし、摩耗をどこまで許容するかも意外に判断が難しいものです。自分では無理だと思ったらディーラーなどに任せたほうがいいでしょう。

もうひとつ注意したいのは、タイヤをピカピカ、キレイにしたいなら、よく考えて行うこと。実は、美観の問題を別にすれば、タイヤは水か中性洗剤で洗うだけに留めるのが最もいいのです。カー用品店に行くと「タイヤワックス」というものが売られており、それを使用すればタイヤがピカピカになりますが、基本的にこれらは見た目だけを良くするもの。もちろん、使用方法を守る限り悪いものではありませんが、とにかく塗ったほうがいいだろうと乱用すると、タイヤの寿命を縮めかねません。

タイヤを劣化させずに保管するコツ

冬になるとスタッドレスタイヤに履き替える人は多いでしょう。その際に心配なのは、タイヤの保管方法。あまり神経質になる必要はありませんが、タイヤをなるべく傷めない保管方法があるので覚えておきましょう。

暗くて湿度の低い場所に保管する

保管場所は暗くて湿度の低い場所が理想的。それが無理でも、できるだけ日光や雨には当てないようにしましょう。倉庫など屋内での保管がベストですが、屋外に置かざるを得ない場合は雨を避けられる軒下などに置き、専用のカバーを掛けておきます。また、タイヤに水分や油分が付着していると劣化が早まるので、あまりにも汚れているようなら洗って乾燥させてから保管します。

空気圧を適正値の半分程度に

可能であれば、タイヤの空気圧を適正値の半分程度にしておくとタイヤの劣化を最小限にすることができます。ただし、空気を抜くのは簡単ですが、入れるにはポンプ(空気入れ)が必要になります。ポンプがなければ、少しだけ低めにしておく程度にとどめたほうがいいでしょう。

ホイール付きなら平積み、タイヤのみなら縦置きに

タイヤの置き方には特に決まりがあるわけではありませんが、ホイールをはめたまま保管するのであれば、横に倒した状態で平積みにしたほうが変形のリスクを減らせます。一方で、ホイールにはめていないタイヤの場合は縦置きが鉄則。押しつぶされて変形するのを防ぐことができます。

車に装着したまま保管するなら、ときどき移動させる

長期にわたって自動車を保管する場合、タイヤの接地面を変えずにいるとタイヤが変形してしまい、走行時に振動が発生します。また、空気が抜けてしまったり、ゴムが硬化してひびが入ったりする可能性も。

変形を防ぐためには、30センチメートルでもいいのでときどき自動車を移動させて、地面に接している部分を変えてあげるのが効果的。それが無理な状況だったり、数年単位での長期保管をするのであれば、走行するまえにタイヤを交換するべきです。

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ガイドプロフィール
山田 正昭(やまだ・まさあき)
自動車・バイク・ITジャーナリスト/YouTuber

自動車雑誌、バイク雑誌の編集を経て、フリーランスとして独立。Webに活躍の場を移し、多数のサイトで執筆活動を展開中。カーナビやデジタルガジェットのインプレッション記事も得意とする。最近はYouTubeで車やバイクのレストア・整備・修理などを公開中(まーさんガレージ:https://www.youtube.com/user/yamada911/)。

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