家庭でできる節水と断水対策
~取水制限でわかる深刻な東京の水不足~

ガイド:船木 麻里

蛇口をひねるだけで水は簡単に手に入りますが、無限に存在するわけではありません。地球上には大量の水がありますが、ほとんど海水か氷河で、私たちが使える水は0.01%にも満たないのです。水は大切にしなくてはいけません。しかも今年(2016年)は、水不足が懸念されており、関東地方では取水制限が実施されています。今後もさらに水不足が続くと、断水に至ることも考えられます。このようなことを防ぐために、節水の仕方と、断水時の対策について理解しておきましょう。

2016年の夏は、関東で水不足が起こりそうです。冬の降雪量が少なかったこと、春に雨の量が少なかったことが重なり、ダムの貯水量が極端に減っています。断水にならないように、ふだんの生活においても節水を心がけましょう。

取水制限にもっと注目すべき

私たちの家に届く水は、主にダムなどの貯水施設や、河川から流れてきています。しかし、極端に雨が降らなかったり、雪解け水が満足に流れ込まなかった場合、その地域全体の水が減少することがあります。そのようなときは、浄水場が河川から汲み上げる水の量を減らすことがあります。これが取水制限です。水制限についてニュースや新聞で報道するときは、「10%の取水制限を検討」や「20%に引き上げ」というように、パーセンテージで制限量が説明されます。これは、「河川から汲み上げる水を何%減らしたか」ということです。

水不足について今年はどうかというと、関東の水源である渡良瀬川では、6月11日の時点で10%の取水制限を行っています。その後も、突発的な豪雨はあっても継続的な降雨は起こらず、6月25日には20%に引き上げました。

一般に、10%くらいの取水制限では、私たちの生活に影響は出ないものとされていますが、20、30%となると給水制限や断水が行われる可能性も出てきます。また、平成8年に取水制限30%が実施されたときは、水道から水が出にくくなることもありました。

そういった事態を防ぐために、「取水制限10%」と報道されたときには、各自治体が呼びかけるように、それぞれの家庭で節水をして水の無駄遣いを抑えましょう。

節水は、どのように行えばいいのか

東京都水道局は、今年の水不足を懸念して、ひとりあたり、1日10リットルの節水を求めています。

「10リットルの節水」と言われても、なかなかイメージしにくいのですが、具体的には一体どれくらいの節水が必要なのでしょうか。東京都水道局によると、私たちが一日で使用する水の量は、平均220リットルとのこと。つまり、一日の使用量のうち5%ほど減らせばいいわけです。そしてこれは、取水制限の引き上げを防ぐことにつながります。ではどのような方法で、節水をすればいいのでしょうか。

食器を洗うときは水を流しっぱなしにしない。または食洗機を使う

食器を洗うときは、水を流しっぱなしにするのはやめましょう。すべての食器の汚れを落としてから水で洗剤を流す、洗い桶に溜めた水で洗うなどの方法で節水できます。また、一般的に食洗機を使うほうが少ない水量で食器を洗えるので、水の使用量を減らすことができます。

お風呂の残り湯を洗濯や植物への水やりに利用

一般的な浴槽は、200リットル以上の水が溜まるようになっています。この大量の水を、入浴のたびに使い捨てにせず、なるべく再利用しましょう。例えば、洗濯や植物への水やり、車の洗車などに利用できます。

また、水の汚れが目立たないのであれば、沸かし直して、また風呂に利用できます。風呂に再利用する場合は、湯船につかる前によく体を洗うなど、できるだけお湯を汚さないように気をつけましょう。

シャワーの量を意識する

シャワーは、1分間で約12リットルの水が流れます。これを15分続けると180リットルにもなり、浴槽に溜める水の量と同じくらいになってしまいます。シャワーの場合、残り湯を利用できないので、風呂よりも水を無駄に流しているかもしれません。

ただし、一人暮らしの場合、素早く浴びるのであれば、湯船に溜めるよりも少ない水量で済みます。シャワーで体を洗うときは、こまめに水を止めるなど、いま使っている水の総量(=流している時間)を意識しましょう。

断水に備えて

各家庭が節水を心がけていても、結局、断水になってしまうかもしれません。特に、夏の暑い季節に水が手に入らないと、熱中症などのリスクが上がってしまいます。そのような事態に備えて、必要な情報を集めておきましょう。

水の配付所を調べておく

断水時には地方自治体などが、水の配布を行うことがあります。東京都の場合は、非常時には半径2kmの範囲内に給水施設を開設することになっています。自宅や職場など、ふだん過ごしている地域のどこに給水施設があるのか確認しておきましょう。

東京都水道局 災害時給水ステーション

水をためておく

飲料水や料理に使う水は、清潔でなければいけません。突然の断水に備えて、非常用の飲料水を用意しておきましょう。塩素を含む水道水は、冷暗所に保存すれば、3日ほどもつとされています。断水の可能性が出てきたら、清潔な容器に水道水を入れて、保存しておくといいでしょう。水道水を沸騰させると、塩素が抜けて保存できなくなるので注意してください。

お風呂の残り湯を流さない

断水しているときは、風呂の残り湯も貴重です。洗濯はもちろん、水洗トイレや植物にやる水などに使えます。残り湯を使わない場合でも、すぐに流さず、いざというときのために備えて、次の入浴のときまで、そのままにしておきましょう。


今年は各地域で水不足になる可能性が指摘されています。水不足の深刻化を避けるためにも、自治体の発表する取水制限に注目し、無理のない節水を心がけましょう。

2016年7月29日掲載

ガイドプロフィール
船木 麻里(ふなき・まり)
家事セラピスト、整理収納アドバイザー、フリー編集者/ライター

出版社勤務を経て、出産を機に独立。雑誌、書籍等で教育や家庭生活をテーマに幅広く取材、執筆。家事セラピストとして、自分らしく気持ちのいい暮らし方を提案。「引越し9回&立ち退き2回」の経験から引越しにも一家言あり。

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