中古車の買取時は税金の還付に注意!
買取額に含まれているか確認しよう

ガイド:山田 正昭

愛車を売却するとき、忘れずに確認したいのが税金の還付です。実は車の売買を理由に還付される税金はないのですが、自動車税については還付されたと想定して「還付される予定の金額」を、買取額に含めておくのが一般的となっています。また、売却時にはリサイクル預託金も必ず戻ってくるはず。愛車の売却時には、自動車税の還付分とリサイクル預託金が査定額に上乗せされているか確認しておきましょう。

愛車を売るとき、ふと「車を売ると未経過分の税金が還付されるのでは?」と思いつくことがあります。戻らないなら仕方ないけれど、知らないばかりに損をしていた、なんてことだけは避けたいもの。ここでは、車にかかる税金がどのような仕組みになっているのか、解説していきます。

そもそも車にはどんな税金がかかっている?

これだけ車が普及し、生活必需品となっていても、税制上はぜいたく品とみられているらしく、車にはたくさんの税金がかけられています。ひとつずつ簡単に紹介していきましょう。

自動車取得税

取得価額が50万円を超える自動車を購入すると課税されます。ただし、取得価額は販売価格とは違うので要注意。消費税が10%になるタイミングで廃止されることが決定しています。

消費税

説明するまでもありませんね。車に限らずさまざまなものに課税される税金です。

リサイクル預託金

どんな車も最後は廃棄処分されますが、その際に必要な費用を予め徴収しておくのがリサイクル預託金です。購入時に支払い、売却時には全額が戻ってきます(永久抹消登録する場合は戻ってきません)。

自動車税/軽自動車税

毎年4月1日現在で車を所有している人に課税されます。抹消登録(永久抹消登録あるいは一時抹消登録)すると自動車税は月割りで還付されます。ただし、軽自動車税は還付がありません。

自動車重量税

車検時に支払う税金で、基本的に車の重さに応じて税額が決まります。永久抹消登録すると月割りで還付されます。一時抹消登録の場合は還付されません。

自賠責保険料

税金ではなく保険料ですが、自動車重量税と同じく車検時に支払います。抹消登録(永久抹消登録あるいは一時抹消登録)すると月割りで還付されます。

「永久抹消登録」と「一時抹消登録」
永久抹消登録:自動車を解体して二度と使用しないこと
一時抹消登録:一時的に自動車の使用を中止すること

車を売ったら、支払い済みの税金は戻ってくるの?

結論から言うと、「車の売却時に還付される」とされているのは、自動車税のことです(税金ではありませんがリサイクル預託金は必ず返ってきます)。ただし、何か手続きをすると還付金が振り込まれるということでは無く、還付金、厳密には還付金相当額が、買取金額に上乗せして支払われるのが普通です。

ですから、愛車を売却するときは、自動車税の還付金がきちんと買取額に上乗せされているか、しっかり確認しましょう。特に、4月から数ヵ月間のうちに売却するなら要注意。自動車税は4月1日時点の持ち主に課税されるため、4月が一番、還付額が高額になります。逆に、3月に売却する場合は、自動車税の還付はないので気にする必要はありません。

なお、自動車税の請求書は5月頃に届くため、4月に売却すると自動車税を支払うよりも先に還付があるというおかしなことになります。そのため、自動車税の納付書が来るまえに売却する売り主に対しては、還付額を買取額に含めるのではなく、「自動車税の納付書が届いたら、それを持ってきて(あるいは郵送して)くれれば、代わりに支払います」という対応をする中古車買取店が多いようです。

ところで、自動車税の還付は、なぜ「還付相当額を買取額に上乗せする」ことが多いのでしょうか。簡単に説明しておきましょう。実を言うと、自動車税の還付は売買された車すべてに発生するのではなく、買取り後に抹消登録をすると還付されます。

抹消登録とはナンバーを取り外して公道を走れないようにすることで、中古車買取店では在庫車の税金節約などのためにこうした手続きをします。しかし、しない場合もよくあるのです。そのため、本来なら、一時抹消登録したときだけ売り主に自動車税の還付分を返金することになりますが、それでは売買契約ごとに還付があったりなかったりして手続きが非常に煩雑。第一、買い取った時点では一時抹消登録するかどうかわからないこともあります。

そこで、買い取った車に対してすべて還付があると仮定して、その相当額を買取額に上乗せするのが慣例になっていまるのです。なんだか中古車買取店が損をしているように見えますが、買い取った車を中古車として販売するときに、諸経費として自動車税をプラスしますから、損をすることはありません。

リサイクル預託金は必ず返ってくる

自動車税は毎年支払うので負担感が大きく、還付があるかどうかを多くの人が気にします。一方、リサイクル預託金は購入時に支払うだけなので、あまり気にしない人が多いようです。しかし、愛車を売却するなら忘れてはいけません。

リサイクル預託金は新車を購入しても必ず支払うものですが、その一方で、リサイクルに必要な金額を負担するのは、廃車にした時点での持ち主と決まっています。そのため、車両を売買するときは、買い手がリサイクル預託金を売り手に支払うことになっています。リサイクル預託金の負担を、リレーのバトンのように次の持ち主に渡していくということです。

当然、愛車の売却時には、リサイクル預託金を中古車買取店から受け取ることができます。これは非常にシンプルで、買取店が一時抹消登録するかどうかは関係ありませんし、売却する月によって事情が変わることもありません。

ですから、リサイクル預託金は買取金額とは別途、支払われるのが筋と言えます。しかし、これも買取金額に含めるといった曖昧な処理をする中古車買取店もあるようです。

車検が長く残っている低年式車を売却するときは要注意!

新車から10年以上も経過した古い愛車を売却する場合、「処分費用がかかるけれど無料で引き取ります」という言い方をする中古車買取店があります。また、愛車の買い替えでディーラーに下取りに出す場合でも、「査定額はゼロですが、買い替えなので引き取ります」といったセールストークをされることはよくあります。

しかし、売却時期が4月からの数ヵ月以内だったり、車検が長く残っている場合は、悪質な詐欺に遭っている可能性があります。車は廃車(永久抹消登録)をすると、自動車税だけでなく、自動車重量税と自賠責保険料も還付されます。ケースバイケースですが、これら3つの合計金額が10万円を超えることも珍しくありません。

ボロボロの車を「無料で処分してあげる」と言われると得をしたような気になりますし、車1台を解体するにはとても費用がかかると思っている人も多いようです。しかし、現在では、車体の処分費用はリサイクル預託金として予め徴収されていますから、廃車時に改めて費用が発生することはありません。ですから、捨てるしかない車両を無料で引き取ってもらって得をしたつもりが、実は10万円以上も損をしているということがよくあるのです。

自分の愛車を廃車にするとどのくらいの還付があるかは、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料がわかれば、だいたい計算できます。その金額よりも明らかに低い査定をするお店には、売却しないほうがいいでしょう。

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ガイドプロフィール
山田 正昭(やまだ・まさあき)
自動車・バイク・ITジャーナリスト/YouTuber

自動車雑誌、バイク雑誌の編集を経て、フリーランスとして独立。Webに活躍の場を移し、多数のサイトで執筆活動を展開中。カーナビやデジタルガジェットのインプレッション記事も得意とする。最近はYouTubeで車やバイクのレストア・整備・修理などを公開中(まーさんガレージ:https://www.youtube.com/user/yamada911/)。

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