車を売るときの注意点
~査定前、査定後のチェックポイント~

ガイド:山田 正昭

愛車を手放すと決めたら、トラブルなくスムーズに、そして少しでも高く売りたいと思うのは誰でも同じです。洗車をしてきれいにしたら、なるべく純正状態に近づけて、まずは査定に出しましょう。売却が決まったら必要な書類を揃えて契約します。愛車を手放すには個人売買という方法もありますが、それ自体を趣味として楽しめる人以外にはおすすめしません。

買替えなどで愛車を手放すと決めたら、少しでも高く、気持ちよく売却できるように準備を進めていきましょう。ちょっとしたことで手続きがスムーズに進み、査定額もより高額になることが期待できます。ここでは、最低限押さえておきたいポイントや注意点を紹介します。

まずは査定!でもその前にこれだけチェック

愛車を手放すと決めたら、買取店の査定を受けてみましょう。もちろん無料ですし、査定してもらったら、そのお店で買い取ってもらわないといけないわけでもありません。買替えをする場合も、査定金額がわかれば、下取りがいいか、買取りがいいか、簡単に判断できます。

査定は、車両そのものと、「自動車検査証」(いわゆる車検証)、それに「自賠責保険証明書」があればすぐに受けることができます。どちらの書類も通常は車内に常備されているはずですから、問題ないでしょう。

ただし、より高額な査定額を引き出すためには、ちょっとした準備をしておいたほうが有利です。きれいに洗車して、室内も掃除しておきます。それで車の程度がよくなるわけではありませんが、査定する人に「大切にされてきた車」という印象を与えることは決して無駄にはなりません。汚い車は「大切にされていなかったようだし、十分な整備もされていなかったのでは」と思われてしまい、あまり心証は良くないでしょう。

また、純正状態に近い車ほど高額査定になることも覚えておきましょう。社外品のアルミホイール、エアロパーツ、カーオーディオなどは、純正のものに戻しておいたほうが高額査定となります。ただし、純正状態に戻すために整備工場に出したりして、費用がかかってしまっては意味がありません。純正に近いほうが高額査定になりますが、純正状態に戻すためにお金がかからない程度のカスタムにとどめておくのが正解です。

これは車が故障したりへこんだりしている場合も同じです。事前に修理してから査定に出したほうが高額査定になるのは当然ですが、その上乗せ額で修理費用を取り戻すことはできないと考えたほうがいいでしょう。例えば、へこんだ状態で50万円の査定結果となる車を、10万円かけて板金修理してから査定に出しても、60万円以上になることはない、ということです。

自分で純正に戻せるカスタムは戻す、戻せない場合でもヘコミや故障はそのままで査定に出す、と覚えておきましょう。そして、査定を依頼するときは複数の業者にお願いしたほうが断然有利です。ウェブで一括査定を申し込めば手間もかかりません。

査定前のチェックポイント
・「車検証」「自賠責保険証明書」を用意
・洗車と室内清掃で印象アップ!
・カスタムしてある場合は純正状態に戻しておく
 ※ただし、戻すための費用がかかるならそのままで
・キズやヘコミはそのままでOK

トラブルを回避!査定後に確認すべきポイント

愛車を売却することになったら、まずは書類をチェックしておきましょう。もし書類を紛失していたりすると再発行に時間がかかるので、最初に確認しておくべきです。確認および取得する必要があるのは、以下の書類です。

  • (1)車検証
  • (2)自賠責保険証明書
  • (3)リサイクル券
  • (4)自動車税納税証明書 ※軽自動車では「軽自動車税納税証明書」
  • (5)印鑑登録証明書とその印鑑

(1)~(3)は車内に常備されているのが普通です。(4)は直近の自動車税の納付時にもらえる領収証のような書類。(5)は発行日から1ヵ月以内のものを求められる場合が多いので、査定を受けるまでに準備しておきましょう。

書類を揃えるのと同時に、車検証に記載されている「所有者」と「使用者」の氏名、住所も忘れずに確認しておきます。所有者がローン会社や販売店の名義になっている場合があり、それでも売却はできますが、ローンの返済中であれば残債相当分が査定額から差し引かれることになります。使用者の氏名、住所は取得する印鑑登録証明書と同じでなければなりません。

売ると決めたら、「車両はいつ引き渡すの?」「あとでキャンセル(契約解除)はできる?」といったことも気になります。中古車買取店による買取りでは、契約と同時に車両も引き渡すケースがほとんど。つまり、引き渡したい日が決まっているなら、その日に契約をすればいいということです。

必要な書類さえ揃っていれば、その場で契約が可能で、引渡しまですぐに終わります。ただし、売却するかどうかを後日回答したい場合は、査定してもらったときの価格がいつまで有効なのかを必ず確認してください。契約を迷っているうちに中古車市場での相場価格が変動する可能性があるだけでなく、買取店の在庫状況などが変わって査定額が下がることも珍しくありません。このようなリスクを回避するためにも、提示された査定額の有効期限は明確にしておきましょう。

「ズバット 車買取比較」に参画している車買取業者の担当者も、「査定当日に契約したほうが高価買取の可能性がアップする」「契約を先延ばしにすればするほど査定額は下がる」と回答しています。ほかにも、車買取業者が査定や売却に関する質問に回答しているので、あわせて確認しておくといいでしょう。
【車買取業者がみんなの疑問に回答!】乗り替え&売却 何でも相談室

なお、キャンセル(契約解除)については、基本的に引渡し後はできないと思っておいたほうがいいでしょう。車はただ保管しておくだけでも費用がかかるものなので、買取店では、買い取ったらすぐに流通網に流したり、販売のための整備を開始します。数日くらいならキャンセルに応じてくれることもあるようですが、幸運なケースだと考えるべきです。

査定後の注意点
・必要書類を揃えておく
・査定後、契約するかどうか検討したい場合は、査定額の有効期限を確認
・通常、契約後のキャンセル(契約解除)はできないので慎重に

個人売買やネットオークションって高く売れるの?

車を手放す方法として、「個人売買なら買取店より高く売れる」と聞いたことがある人もいるかもしれません。その具体的な方法としてネットオークションがありますが、買取店より高く売れるのではなく、「高く売れる可能性もある」というのが本当のところです。

実は、ネットオークションなどで車を売る場合、売る人にはあまりリスクはありません。ですから、手間がかかっても高く売りたい場合は、それなりに有効な方法と言えます。しかし、その「高く売る」というのが、非常に難しいのです。

中古車販売店で販売されている相場より少し安くすればすぐに売れると思いがちですが、そんなことはありません。個人売買で車を買うことには大きなリスクがありますから、よほど安くないと買う人がいないのです。「買取店の査定額を下回る価格にしてもなかなか売れない」というケースがざらにあります。

もちろん、非常に高く売れることも実際にあるのですが、可能性は低いと言えます。いずれにしても、個人売買やネットオークションは手間も時間もかかりますから、そのプロセス自体を楽しみたい人以外には、おすすめできるものではありません。不慣れな人は安易に手を出さないほうが無難と言えるでしょう。

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ガイドプロフィール
山田 正昭(やまだ・まさあき)
自動車・バイク・ITジャーナリスト/YouTuber

自動車雑誌、バイク雑誌の編集を経て、フリーランスとして独立。Webに活躍の場を移し、多数のサイトで執筆活動を展開中。カーナビやデジタルガジェットのインプレッション記事も得意とする。最近はYouTubeで車やバイクのレストア・整備・修理などを公開中(まーさんガレージ:https://www.youtube.com/user/yamada911/)。

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