中古車査定士とは?資格を取得してキャリアアップを目指そう

ガイド:渡辺 剛志

中古車査定士とは、一言で言うと中古車査定のスペシャリストです。自動車業界への就職や転職を目指しているなら、押さえておきたい資格のひとつでしょう。この記事では、中古車査定士の仕事内容や取得方法などをまとめて解説します。資格を取得するメリットも併せて解説するので、中古車査定士に興味がある人は必見です。

車を売却するときには、ディーラーや中古車買取専門業者などで査定を受けるのが一般的です。しかし、中古車の査定員すべてが特別な資格を取得しているわけではありません。そのため、中古車査定士の資格がなくても中古車の査定を行うことは可能です。

査定士には設置義務のような法的な役職はありませんが、中古車査定士の資格を取得するとさまざまなメリットがあります。この記事では、中古車査定士の仕事内容や取得方法などを徹底解説します。中古車査定士に興味がある人は、この記事を読んで資格取得のために役立ててください。

中古車査定士とは

最初に中古車査定士がどのような資格なのか、どのような仕事を行うかをわかりやすく解説します。続けて資格を取得するメリットを解説するので、自分に適しているかどうかをチェックしてみてください。

中古車査定のスペシャリスト

中古車査定士とは、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が主催する中古自動車査定士技能検定に合格した人に与えられる資格です。一般的に中古車査定士と呼ばれることもありますが、正式名称は「中古自動車査定士」です。

自動車業界には、自動車整備士や車体整備士などの国家資格が必要な職種もあります。中古車査定士の位置づけは、国家資格ではなく民間資格です。査定できる車の大きさによって、小型車査定士と大型査定士の2種類に分けられます。

最近では、ライフスタイルの多様化に伴って数年に一度のペースで車を買い替える人も増えています。車の買い替えに応じて査定の依頼件数も増えるため、中古車査定士へのニーズは増加傾向です。

中古車査定士の仕事内容

中古車の買取りや下取りを行う際には車の情報や状態をチェックし、中古車市場での適正価格(査定額)を導き出します。この作業を行うのが中古車査定士です。

査定でチェックが行われるおもな項目は、次の通りです。

・メーカー
・車種
・年式
・走行距離
・内装
・外装
・エンジン周り など

中古車ごとに情報や状態は異なるため、細かい部分までくまなくチェックするのが中古車査定士の仕事内容です。

中古車査定士を取得するメリット

中古車の査定員は法的に設置が義務づけられているわけではないため、無資格でも査定が可能です。しかし、中古車査定士は査定分野の専門技術を身につけているため、ユーザーからの信頼度がアップします。

一方で、ディーラーや中古車買取専門業者でも、査定員には専門知識や技術力がある中古車査定士を求める傾向があります。なぜなら、修復歴や事故歴がある中古車は査定額に大きく影響し、判断を誤ると会社の損失につながる可能性があるからです。

そのため、資格を取得すると自動車業界への就職や転職、キャリアアップに有利に働く可能性が高くなります。

中古車査定士の合格率は70%程度

合格率は、小型車査定士と大型査定士で10~20%の違いがあります。

【小型車査定士】

試験実施年 受験者数 合格率
2017年 13,233人 80.3%
2018年 12,586人 79.0%
2020年 9,226人 72.0%

【大型車査定士】

試験実施年 受験者数 合格率
2017年 137人 95.6%
2018年 195人 95.4%
2020年 98人 91.8%

小型車査定士は概ね70%代の合格率で、80%に達した年もありました。一方の大型車査定士の合格率は小型車査定士よりも高く、ここ数年では90%を超えています。

中古車査定士の資格を取得する方法

中古車査定士の資格を取得するには、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が主催する中古自動車査定士技能検定に合格する必要があります。受験資格があるため、これから資格取得を目指す場合は以下の内容を確認しておいてください。

受験資格と試験内容

中古車査定士には受験資格があるため、誰でも受験できるわけではありません。受験資格は次の通りです。

・自動車運転免許保有
・自動車の販売または整備の経験半年以上
・協会所定の研修を修了

自動車運転免許は、小型車査定士と大型車査定士で異なります。

小型車査定士 普通運転免許以上
大型車査定士 大型第1種免許以上

試験では、学科試験と実技机上試験の2種類が行われます。学科試験の内容は次の通りです。

・中古自動車査定制度
・中古自動車査定基準、同細則及び加減点基準
・自動車の構造、機能及び取扱い
・保安基準、その他自動車に関する法規
・その他査定に関する事項

実技机上試験では、実際に行った査定の実技が評価されます。

実施時期と受験料

試験の実施時期や受験料は、小型車査定士と大型車査定士で異なります。

試験区分 実施時期 受験料
小型車査定士 毎年6月と12月の年2回 17,280円
大型車査定士 毎年6月の年1回 18,090円

受験料には、3日間の研修受講料と教材費が含まれています。ただし、協会支所によって金額が異なることもあるため、事前確認が必要です。

申込み方法と必要書類

試験の申込み先は、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)または一般財団法人日本中古自動車販売協会連合会の各協会支所です。申込みに必要な書類は次の通りです。

・技能検定申請書
・写真2枚
・運転免許証の提示または写し
・事業主の証明のある経歴証明書
・合格証書または技能者手帳

技能検定申請書は、各協会支所の窓口で受け取れます。公式サイトからのダウンロードができないため、各協会支所に取りに行かなければなりません。合格証書または技能者手帳は、今回の受験区分と異なる中古車査定士と整備士の有資格者のみ必要です。

合格後は登録が必要

中古車査定士の試験に合格後、査定員として業務を行うためには一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)へ登録する必要があります。登録の条件は次の通りです。

・中古車査定士試験の合格
・年齢が20歳以上
・古物営業法に基づく自動車販売店に所属していること

中古車査定士として登録するためには、査定士登録申請並びに査定士証記載事項変更届・査定士証交付申込書に必要事項を記入して郵送します。申請書類は一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)からの郵送、または公式ウェブサイトからダウンロードすることで入手可能です。

申請書類に記入する項目は次の通りです。

・申請年月日
・企業の名称
・企業の住所
・企業の代表者氏名
・企業の代表者の押印
・申請事由
・事由の生じた年月
・査定士番号
・査定士の氏名
・査定士の生年月日
・査定士の住所

なお、登録手続きは郵送のみで受け付けています。申請書類の郵送後は、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が古物営業法に基づく自動車販売店に所属しているかの確認を行います。確認がとれると、氏名や住所、所属会社などが「査定士登録簿」に記録されて登録完了です。

中古車査定士の資格には有効期限がある

中古車査定士には3年間の有効期限があるため、更新手続きが必要です。更新するためには、毎年7月~8月、10月に実施される技能向上研修会の受講が義務づけられています。受講の際には、古物営業法に基づく自動車販売店に所属していることが条件です。

有効期限は、中古車査定士として登録された後に送付される「査定士証」の有効期間の箇所で確認できます。

車査定士は自動車業界で働くなら持っていたい資格

中古車査定士は国家資格ではありませんが、資格を取得しているとユーザーだけでなく会社からの信頼度が高くなります。中古車の適正価格を提示できるので、技術力の高さを積極的にアピールできるポイントになるからです。

そのため、中古車査定士は査定業務を行う査定員だけでなく、営業担当者や店舗スタッフも取得したい資格のひとつです。転職やキャリアアップにも有利に働くため、自動車業界で働くなら中古車査定士の資格取得を目指しましょう。

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ガイドプロフィール
渡辺 剛志(わたなべ・つよし)
株式会社ウェブクルー 自動車関連サイト 事業責任者

株式会社ウェブクルーが運営する自動車関連サイトの事業責任者。新車・中古車を問わず、マーケット動向に深い知見を持つ。

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