【車を手放す際の手続きとは】車を手放すメリットと後悔しないための注意点

ガイド:渡辺 剛志

近年、「車を持たない」という選択肢が広がる中、さまざまな理由で車を手放す人が増えています。では、一体どのような理由で車を手放しているのでしょうか。車を手放した後、「こんなはずでは……」と後悔することがないように、車を手放すことによるメリット・デメリット、手放すときの注意点、車を手放す際の手続きなどについて紹介します。車を手放そうか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

近年、「車を持たない」という選択肢が広がる中、さまざまな理由で車を手放す人が増えています。では、一体どのような理由で車を手放しているのでしょうか。

車を手放すおもな理由

車を手放す人には、どんな理由があるのでしょうか。おもな理由としては、引越し、転職、子供の成長など、ライフスタイルの変化で不要になるケース、維持費の負担増など、以下のようなものが挙げられます。

・ライフスタイルの変化で不要になった
・車の維持費が捻出できなくなった
・高齢になり、運転を控えたいと思った
・車が古いため、増税対象となった
・事故に遭ったので、車に乗りたくない

車を手放すことにはメリットがある

車を手放すメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。以下、それぞれについて解説します。

・維持費がかからなくなるため節約につながる
・事故遭遇の機会が減少する
・運動する機会が増える

維持費がかからなくなり、節約につながる

車を持つと、行動範囲が広がり、自由に好きなところへ行けるといったメリットがある一方、車の維持費が家計に重くのしかかってきます。しかし、車を手放すと、維持費がかからなくなるため、節約につながります。

ソニー損保が実施した「2022年 全国カーライフ実態調査」によると、1ヵ月あたりの車の維持費は、平均12,800円で、昨年と比較すると、1,100円の大幅増となっています。燃料費の高騰が増加のおもな原因ですが、この調査で維持費として含まれているのは、保険料、ガソリン代、駐車場代、修理代などであり、自動車税・重量税、ローン返済、有料道路通行料は含まれていません。単純計算すると、車を手放すことで毎月12,800円、年間153,600円が節約できることになります。さらに、税金、ローン返済代金などを含めると、年間約20万円以上の節約につながります。

事故遭遇の機会が減少する

車を手放せば、事故に遭遇する機会が減少します。公益社団法人交通事故総合分析センターによると、2021年の交通事故発生件数は30万5,196件、そのうち死亡事故は2,583件となっています。自動運転の普及に伴い、将来的には交通事故のリスクは減少すると予測されているものの、車を運転している限り交通事故のリスクから逃れることはできません。

しかし、車を手放し、電車・バスなどの公共交通機関で移動するようになれば、交通事故に遭遇する機会自体を減らすことができます。特に高齢ドライバーは、車を手放すことで潜在的な事故リスクを回避できます。

運動する機会が増える

車を手放して電車・バスで移動するようになると、否が応でも徒歩や自転車で最寄り駅へ行かざるを得なくなるため、健康維持につながります。

車のある生活は便利ですが、車がなければ、必然的に歩くか自転車を使うようになるため、その結果として運動する機会が増加するはずです。車を手放しても日常生活に支障がない地域に住んでいるのなら、手放すことを検討してもよいでしょう。

車を手放すことにはデメリットもある

車を手放すことは、以下のようなデメリットが挙げられます。手放すときには、それらを踏まえた上で検討しましょう。

・緊急時の対応が遅くなる
・買い物頻度を減らすためのまとめ買いがしづらくなる
・行動範囲が狭くなる
・移動に時間がかかる

車を手放すことで生活が不便になることがあります。日常生活で車を利用していた分、車を手放した後は生活スタイルを新たに考え直す必要があります。

車を手放した後で悔やまないためのポイント

車を手放す際には、後悔のないようにしたいものです。高齢者が年齢を理由に車を手放すときには、タクシー利用券などを配布したり、地域住民でカーシェアを行ったり、レンタカーの利用を推進したりする自治体もあります。自家用車を手放した後の生活がどうなるかをイメージした上で検討し、手放すようにしてください。検討事項としては、以下のような例が挙げられます。

・車の使用頻度はどのくらいか
・自家用車以外の交通手段が整備されている地域に住んでいるか
・タクシー・レンタカー・公共交通機関の交通費が車の維持費を上回らないか
・地域で緊急時に対応してくれる友人・知人がいるか

車を手放すのにおすすめなタイミング

車を手放すタイミングによっては、費用に差が出てきます。損をしないためには、ベストなタイミングを知っておく必要があります。

■車検の前
車検は定期的に行う必要があるため、車検の費用が発生する前に手放すことは、合理的であると言えるでしょう。

■自動車税・軽自動車税が課税される前
自動車税は、毎年4月1日現在の車の所有者に対して課せられます。手放す予定の車であっても、1年分の自動車税を前払いしなければなりません。車を手放すのであれば、3月31日までに移転登録(名義変更)や抹消登録が済んでいる状態にしておきましょう。

なお、軽自動車の場合は、普通自動車と同様に毎年4月1日時点での所有者に対して軽自動車税が課せられます。自動車税は年度の途中で廃車にした場合に月割での還付がありますが、軽自動車税は還付制度がありません。そのため、軽自動車はいつ廃車にしても1年分の税金がかかることになるため注意が必要です。

■走行距離が10万km以上になる前
車を下取りや買取りに出して買い替えるのであれば、走行距離が大台の10万km以上になると、高値がつきにくくなるケースがほとんどです。手放すことを決めているのであれば、早めに査定依頼することをおすすめします。

車を手放す方法

車を手放す方法としては、以下のようなものが挙げられます。

・車買取業者に売却
・廃車買取専門業者に売却
・個人間売買
・オークション・フリーマーケットに出品する

車を手放すには、買取業者に売却するのがおすすめです。事故車、故障車、廃車などでも専門の買取業者が存在します。買取金額がたとえ0円だったとしても、廃車費用を払って処分してもらうよりも効率的です。

個人間で車を売買する方法、オークション・フリーマーケットに出品する方法もありますが、いつ売れるかわからないまま時間が経過すると、車の価値が下がってしまいます。1日でも早く売れる方法を選ぶようにしましょう。

車を手放す際に必要な手続き

車を手放す際に必要な手続きは、売却するか廃車にするかによって内容が多少異なります。しかし、いずれの場合においても、自動車保険の手続きは必要となります。以下、それぞれの手続きについて解説します。

・売却する場合の手続き
・廃車にする場合の手続き
・自動車保険の変更手続き

売却する場合の手続き

車を売却する場合の手順は、以下の通りです。

<車買取専門業者に売却する際の流れ>
(1)買取専門業者に査定を依頼する
(2)必要書類を準備する(時間がかかることがあるため、早めに行う)
(3)査定を受けて買取額を提示してもらい、金額に納得できたら売却の意思を伝える
(4)売買契約を締結し、車を引き渡す
(5)入金を確認する

<普通自動車の売却手続きに必要なもの>
・自動車検査証(車検証)
・自賠責保険証明書
・自動車税納税証明書
・自動車リサイクル券
・実印
・印鑑登録証明書

<軽自動車の売却手続きに必要なもの>
・自動車検査証(車検証)
・自賠責保険証明書
・軽自動車納税証明書
・自動車リサイクル券
・印鑑(認印可)

廃車にする場合の手続き

車を廃車(永久抹消)にする場合の手順は、以下の通りです。廃車買取専門業者を利用する際の流れと、手続きに必要なものを紹介します。

<廃車買取専門業者を利用する際の流れ>
(1)査定を依頼する
(2)契約を締結し、引取り日を決める
(3)必要書類に記入し、引取り担当者に渡す
(4)銀行口座を確認する

<普通自動車の廃車手続きに必要なもの>
・自動車検査証(車検証)
・印鑑登録証明書(発行日から3ヵ月以内のもの)
・自賠責保険証明書
・印鑑証明書
・ナンバープレート(前後2枚)
・自動車リサイクル券

<軽自動車の廃車手続きに必要なもの>
・自動車検査証(車検証)
・自賠責保険証明書
・印鑑(認印可)
・ナンバープレート(前後2枚)
・自動車リサイクル券

自動車保険の変更手続き

車を手放した後、自動車保険の変更手続きは、必ず行わなければなりません。保険会社に相談すると、担当者が対応し、必要書類などについても教えてくれます。手放すことが決まったら、保険会社に早めに連絡しましょう。

新しく車を買い替える際には、自動車保険の名義はそのままの状態で、車両を入れ替える手続きを行います。自動車保険が古いままだと万が一のトラブルにつながることもあり、最悪の場合は、保険が下りないといったこともあり得ます。

車を売却した後は、買替えを行わない場合は、解約もしくは中断の手続きが必要です。「今後、絶対に車を持たない」と決めた場合は、保険の解約手続きを行います。解約すると、残存期間分の還付金を受け取れます。車を持つ可能性が多少なりともある場合は、中断手続きを行います。「中断証明書」をもらうことで、10年間は等級情報が残ります。10年以内に再び車を所有した場合は、中断前の等級のままスタートできます。

車をローン返済の途中で手放したいときには

仮に、車を購入した際のローンが残っていたとしても、車を手放すことは可能です。ローン返済の途中で車を手放すには、まず車の名義が自分になっているかどうかを確認します。車は、所有権を持っている人しか売却できないため、車検証の「所有者」の欄を必ずチェックしてください。

一般的に、ローン返済中の車の名義は、ディーラーやクレジット会社の所有となっていることが多いです。所有者の名義を自分に変更するためには、ローンを完済しなければなりません。ただし、ローン残額分の現金をすぐに支払えなくても、車の売却代金をローン返済に充当することができます。

車を売ったお金でローンの残額を賄いきれなかった場合は、差額分を現金で支払うか、ローンを組み直すことで対応可能です。また、ローンが残っていることを買取専門業者に伝えると、手続きを代行してくれます。代行費用は、約1万円~数万円です。名義変更についても、自身で手続きをせずに任せることができます。

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ガイドプロフィール
渡辺 剛志(わたなべ・つよし)
株式会社ウェブクルー 自動車関連サイト 事業責任者

株式会社ウェブクルーが運営する自動車関連サイトの事業責任者。新車・中古車を問わず、マーケット動向に深い知見を持つ。

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