自分以外の名義になっている車を売却するには?名義変更の方法は?
車を売却できるのは、車検証の「所有者」に記載されている人だけです。しかし、時には自分が所有者でなくても、車を売却しなければならないことがあります。車を購入した販売店名義になっている場合は、中古車買取業者などの売却先に任せましょう。ただし、購入したときの販売店が倒産していると弁護士に頼らざるを得ない場合も。また、離婚相手の名義になっているといった場合は、気まずくても連絡をとって書類をもらう必要があります。亡くなった人の車を売却する場合は、相続人全員の合意が必要となることも覚えておきましょう。
さまざまな理由で、自分以外の名義の車を売却しなければならないことがあります。例えば、「ローンで購入した車なので所有者が販売店やローン会社になっている」「離婚時に自分が引き取った車の所有者が元の配偶者の名義だった」「所有者が亡くなってしまった」などなど。いずれも避けたい話ですが、実際にそういった事態に直面したら、どうすればいいでしょうか。
ケース1. ローンで購入したので販売店の名義になっている場合
販売店のローンを使って車を購入すると、その車の所有者は販売店の名義になるのが普通です(ローン会社の場合もあります)。こういった場合、個人売買で車を売ることは非常に難しいですが、中古車買取業者に持ち込めば、問題なく売却できます。ただ、こうしたケースからトラブルに発展することもあります。
まず、よく耳にするのは、ローンを完済したので所有者を自分に名義変更してもらおうと販売店に依頼したのに、取り合ってくれないケース。販売店としては、名義変更に応じないことで、買い替えの際にまた自店を利用してもらう、つまり、顧客をつなぎ止めたいという思惑があるようです。
名義変更を取り合ってもらえないと、ほかの店には売れないと思い込んで困り果ててしまう人もいるようですが、こういった場合でも買取店に持ち込めば問題なく売却できますので、心配はいりません。
本当に困るのは、所有者になっている販売店が倒産してしまったケースです。この場合は、破産管財人や清算人を通して名義変更に必要な書類をもらえばいいのですが、言うは易し、行うは……素人にはなかなか難しいでしょう。利用したローン会社に相談して、解決しなければ行政書士や弁護士に相談するのが得策ということになります。
ケース2. 「所有者」に記載されている人と連絡が取れない場合
「離婚したときの財産分与で車を自分が引き取ったが、その後、売却しようとしたら、所有者が別れた配偶者になっていたことに気がついた」「車を個人売買で購入したが、売り主が名義変更に必要な書類を渡さないまま連絡が取れなくなった」など、持ち主と連絡が取れない車を売却しなければならないケースがあります。
こういったケースでは、例えどんなに気まずくても「なんとかして」と連絡を取り、名義変更に必要な書類を渡してもらうことが最良の方法です。本当にまったく行方がわからない、あるいは書類を渡すことにどうしても応じてくれない場合は、弁護士に相談するしかありません。弁護士は人捜しも得意ですので、所有者を見つけてくれることもありますし、取り合ってくれなかった所有者も弁護士から連絡があるとすぐに対応してくれたりします。
それでも所有者と連絡が取れない場合は、最後の手段、訴訟となります。訴訟を起こして勝訴判決を勝ち取れば、名義変更、つまり売却が可能となります。勝訴を勝ち取るといっても、所有者が行方知れずなら負ける心配はありません。ただし、判決までの時間や弁護士費用はかなりかかります。
ケース3. 亡くなった親族の車を処分したい場合
ここまで紹介した中で、これが最も多いケースでしょう。親族が亡くなって遺族が手続きをする場合、「まったくやましいことはないので簡単にできるはず」、と思う人が多いようです。しかし、実際には非常に難しくなるケースが多々あります。
書類の説明だけをすれば、こういった場合には、車の売却に必要な通常の書類に加えて、相続人全員の戸籍謄本、所有者が亡くなったことを証明する除籍謄本、それに遺産分割協議書などが必要になります。しかし、これは書類が揃えばいいという話ではありません。
所有者が亡くなった瞬間に、その車は遺産となりますので、相続人全員の合意がなければ売却も処分もできません。その合意を書面にしたのが遺産分割協議書ですので、実質的に最も重要なのは書類ではなく、相続人全員の合意ということになります。
相続人が近くに住んでいる家族だけならいいのですが、遠方にも相続人がいる場合は、書類や実印をやりとりするだけでも手間がかかります。まして、その人が車の処分に合意しないと、非常に難しい事態になります。「故人の遺品をすぐに換金するなどもってのほか」といって売却に合意しない相続人がいるケースがよくあるのです。
相続人全員の合意さえあれば基本的には問題ありませんが、それでも複雑な手続きになることに変わりなく、必要な書類もケースによって変わることがあります。例えば、相続人の誰かにいったん名義変更しないと売却ができないのですが、その名義変更をするためには、車庫証明が必要になります(ただし、相続人が故人と同じ住所に住んでいれば必要ありません)。ところが、同じ住所でも別世帯になっていると車庫証明が必要と言われることも。このように、ややこしい状況下で判断に迷った場合は、必要な書類を運輸支局などに事前に問い合わせるか、買取店とよく相談するといいでしょう。
自動車雑誌、バイク雑誌の編集を経て、フリーランスとして独立。Webに活躍の場を移し、多数のサイトで執筆活動を展開中。カーナビやデジタルガジェットのインプレッション記事も得意とする。最近はYouTubeで車やバイクのレストア・整備・修理などを公開中(まーさんガレージ:https://www.youtube.com/user/yamada911/)。
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