長距離運転で疲労困憊…居眠り運転をどう防ぐ?
効果的な眠気覚ましの方法と居眠り運転防止技術

ガイド:矢部 亨

言うまでもなく、居眠り運転は極めて危険な行為です。ウトウトしてしまうと、自動車が道路からはみ出して何かに衝突してしまう可能性があるだけでなく、人や車などが目の前に飛び出してきたとしても、急ブレーキを踏むなどの事故回避行動がとれません。つまり、居眠り運転は大きな事故につながるリスクが高いということ。居眠り運転をしないためには、十分な休憩を取ることが最も大切です。すぐに休憩できなくても、同乗者と会話したり、コーヒーや栄養ドリンクを飲んで眠気を覚ましたりと、運転中でもできる居眠り対策があるので知っておきましょう。また、車載されている居眠り防止機能や、後付けの居眠り対策グッズなどを活用するのもおすすめです。

運転中に「ちょっと眠いな」と感じたら、早めに休憩を取るのが一番。特に、長距離運転をするときには疲れが出やすく、眠くなりがちです。しかし、すぐには車を停められない場合もあります。そこで今回は、運転中にできる居眠り対策や、自動車に搭載できる居眠り防止機能を紹介します。

重大事故のリスクが高い「居眠り運転」

車の運転中に眠くなり、無意識のうちにウトウト……。前方の車に追突しそうになったり、走行車線をはみ出しそうになったりして、ヒヤッとした経験はありませんか。

国土交通省が公開している「平成23年における事業用自動車の事故について」によると、重大な交通事故の中で、健康状態に起因するものが増加傾向にあるそうです。健康状態に起因する事故とは、疾病や体調不良、居眠り運転、疲労運転などにより引き起こされる事故のこと。この中で、居眠り運転の割合は、14.7%を占めています。

眠気が残った状態で運転したときに何より危険なのは、注意力が散漫になり、ハンドル操作がおぼつかなくなること。ハンドルを握るあいだは、前後左右に気を配る必要があり、眠気があるとその注意が疎かになります。そのまま運転を続けてウトウトしてしまったら、危険な状況でもブレーキを踏めないので、重大な事故を起こすリスクが高いのです。

運転中にできる居眠り対策で眠気を吹き飛ばそう

長時間のドライブの際は、「少なくとも2時間に1度程度のペースで休憩を取ると良い」と言われています。外の空気を吸って、背中を伸ばしたりして体を動かすだけでも、ずいぶんとリフレッシュできるものです。

とはいえ、運転中に眠いと感じても、すぐに休憩ができるとは限りません。そこで、運転中でも眠気を覚ますことができるような対策を考えてみましょう。

同乗者と会話する

運転の妨げにならず、かつ、気を紛らわせることがあると、眠くなりにくくなります。効果が高いのは、同乗者との会話です。ただし助手席の人が眠ってしまうと、誘われて眠くなる可能性があるので、「寝ずに会話してほしい」と頼んでおきましょう。

ふだんは聴かないタイプの音楽やラジオ、PodCastを流す

運転中に音楽を流す人は多いでしょう。しかし、いつも聞いている音楽だと耳が慣れてしまい、刺激として感じられなくなることも。そこで、「普段はあまり聴かない音楽」を用意しておくといいでしょう。

そのほかにも、いろいろな話題や音楽を提供してくれるラジオ番組も刺激になります。PodCast(インターネットで配信される、ラジオ番組のような音声や映像のデータ)をダウンロードしておいて、運転中に流すという手もあります。

軽い眠気ならコーヒー、ガムや飴でリフレッシュ

カフェインは眠気覚ましになるため、コーヒーを飲むのは効果があります。高速道路のSA・PAにも、コーヒーの自動販売機がたいてい用意されています。また、ガムや飴などを口に入れて、顎を動かすと神経が刺激され、眠気を感じにくくなります。特に糖分を含む飴は、脳の栄養となるので有効です。

いざというときは栄養ドリンクでしのぐ

高速道路を運転しているときに、眠気を感じているにもかかわらずSA・PAまで距離があるなら、栄養ドリンクで乗り切るのがいいでしょう。とはいえ、栄養ドリンクは最終手段。「飲んだから大丈夫」ではなく、休める状況になったらすぐに休憩するようにしましょう。

また、早く眠気を覚ましたいからといって、栄養ドリンクを何本も飲むのは危険。製品に記載されている注意事項をよく読み、一日の摂取量をきちんと確認してから飲むようにしましょう。

眠気を検知するテクノロジーで居眠り運転を防止

居眠り運転は、意図して行うものではありません。上記のような、意識的な対策はあくまでも「眠気を感じる」と自覚したときにできるものです。残念ながら、本当に居眠りしそうなときには対応できません。

そのようなときに役立つのが、最近の自動車に搭載されている「居眠り運転対策機能」。自動車メーカーによって機能名や機能の内容は異なりますが、「レーンディパーチャーアラート」「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」「ドライバーモニター」などと呼ばれています。

居眠り運転対策機能は、大きくふたつに分類できます。ひとつは、「車線逸脱警告システム」。車のふらつきやハンドル操作を監視し、ウィンカー操作なしに車線を逸脱するなどの異常が起こったときに、ハンドルを振動させたり、警告ブザーを鳴らしたりしてドライバーに通知する機能です(トヨタ「レーンディパーチャーアラート」、BMW「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」など)。

もうひとつは、ドライバーの目や顔の動きをモニタリングして、一定時間「目を閉じている」「顔が正面を向いていない」という状態を検知したら、警告するという機能です(日野「ドライバーモニター」など)。

これらの機能は、もともと車に搭載されているものですが、すでに所有している車に取り付ける製品もあります。例えば、株式会社慶洋エンジニアリングが販売している「居眠りウォッチャー ひとみちゃん」は、ドライバーの目や顔の動きをモニタリングして、居眠りやわき見を検知すると警告してくれる、後づけの機械です。これなら、居眠り防止対策機能を搭載した新車を購入しなくても、居眠り防止に役立てることができます。

「眠いな」と思ったら無理せずに休息を

さまざまな眠気対策を紹介してきましたが、何と言っても一番の対策は、「眠気を感じたら無理をしないこと」。高速道路上では次のSA・PAまで距離があったり、たどり着いたとしても、駐車場が満車で停まれないということも考えられます。休憩できるうちに早めに停まって、仮眠を取ったり、頭と体をリフレッシュさせたりすることが大切です。

なお、高速道路調査会の「高速道路での居眠り運転防止に向けた効果的な対策に関する調査研究 (中間報告)」によると、深夜(2時から4時)と午後(14時から16時)の2回が眠気に襲われる時間帯のピークとされています。この時間帯に運転をする場合は、特に居眠りに注意しなければなりません。急いでいるとついつい休憩を省きがちなので、休憩時間を考慮して出発時間を早めるなど、ゆとりを持ったドライブ計画を立てましょう。

2015年12月24日掲載

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ガイドプロフィール
矢部 亨(やべ・とおる)
フリーエディター、「Motor Magazine」「ホリデーオート」元副編集長

モーターマガジン社で「Motor Magazine」や「ホリデーオート」等の自動車雑誌やウェブサイトの副編集長、編集長を歴任。現在はフリーエディターとして、守備範囲を広げ活動中。

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