低温や霜・雪・氷から愛車を守る!
真冬の寒さに負けないメンテナンス

ガイド:山田 正昭

冬は自動車にとって厳しい季節。寒さに負けないメンテナンスが必要です。押さえておくべきポイントは、バッテリー、フロントウィンドウ、それにスリップ対策といったところ。反対にエンジンオイルや冷却水は昔と違って、特に何もする必要はありません。

冬は車にとって厳しい季節です。低い気温や霜、雪、氷は車の大敵。寒さから愛車を守るメンテナンスを心掛けましょう。

低温になるほどバッテリーの性能は低下する

車のバッテリー上がりほど嫌なものはありません。冬の朝、エンジンをかけようとしても何も起こらないあの切なさは、味わいたくないものです。バッテリーはもともと温度に比例して能力が上下する性質があり、温度が下がればどんどん弱ってしまいます。冬になったら気をつけなければいけないパーツの代表と言えます。

そこで、冬の初めにまず実施したいのは、バッテリーの健康診断。ディーラーなどでバッテリー専用のテスターを使って検査してもらえば、バッテリーの健康状態がわかります。充電不足であれば充電してもらい、それでも健康状態が良好に戻らないときは、バッテリーの寿命が近づいていると考えて新品に交換するのがいいでしょう。冬の初めはバッテリー交換をするには最適な時期です。

もしバッテリーの電圧を測ることができる工具を持っているなら、自分で電圧を測ることで健康診断ができます。一般ユーザー向けの工具は、プロが使うバッテリーテスターとは仕組みが違うので、その場でハッキリと良否を判断することはできませんが、傾向はつかめます。また、セルの回り方が弱いなどの症状がすでに出ていて、バッテリーを3年以上交換していないなら、健康診断するまでもなく、交換を考えるべきです。

霜や雪に負けないフロントウィンドウで視界を確保

冬はフロントガラスが汚れやすい季節です。朝は霜がこびりつき、雪が降れば付着します。さらに、雪道を走るときには、前走車が巻き上げる雪や泥が飛んでくることも覚悟しなければなりません。

こんな状況に備えるメンテナンスとして、まずはウィンドウウォッシャー液を確認しましょう。シャーベット状の雪道などは特に汚れるため、ウォッシャーなしでは走れないこともあります。いつも満タンにしておくのはもちろん、正常に作動するかもチェックしておき、故障していたり、ノズルにつまりがあるときは早めに修理しておきます。

ウィンドウウォッシャー液の濃度にも注意が必要で、寒冷地ではあまり薄くすると凍ってしまいます。また、最近では氷を溶かす効果の高いウォッシャー液が販売されているので、こういったものを使ってみるのもいいでしょう。

次はワイパーです。雨の拭き取りが少しでも悪くなっているワイパーブレードでは、こびりついた霜や雪を落とすことはできません。新品のワイパーブレードに交換しておきましょう。寒い地方に住んでいるなら、冬用ワイパーを選んでみるのも一案です。冬用ワイパーは低温でも固くなりにくいゴムを使っており、可動部分に雪や氷が詰まって動かなくなることがないように設計されています。

もうひとつ、視界確保のためのメンテナンスとしておすすめしたいのは、ウィンドウに撥水剤を塗っておくことです。撥水剤というと雨を弾く効果がすぐに思い浮かびますが、雪や霜、その他の汚れも付きにくくなります。雪の中を走っても雪がくっつかずに弾かれるのを体感できますし、朝の霜取りも少ない力で気持ちよくできるようになります。

エンジンオイルやラジエーター液は心配しなくてもOK

何十年も昔は、冬になるとエンジンオイルを粘度の低いものに、ラジエーター液を低温でも凍らないものに入れ替えたりしたものです。また、エンジンを低温用に調整したり、エアクリーナーボックスについているレバーを「夏」から「冬」に切り替えたりしました。そのなごりで、冬になるとエンジンオイル交換をすすめる人もいるようですが、現在はあまり気にする必要はありません。

エンジンオイルについて少し説明しておくと、冬に入れ替える必要があったのは「シングルグレードオイル」という、対応する温度の幅が狭いオイルです。しかし、現在は広い温度に対応する「マルチグレードオイル」が使われており、真夏から真冬まで1種類のオイルでカバーできます。

補足として付け加えておくと、現代の車は冬だからといって、エンジンをかけるときに特別なこと(アクセルペダルを煽るなど)をしたり、暖機運転をしたりする必要もまったくありません。こういった点では現代の車は非常に進歩しています。機械関係で寒さに対する注意が必要なのは、前述のバッテリーくらいと言っていいでしょう。

タイヤチェーンの取り付けは事前に練習を

冬と言えば、雪道や凍結した路面の対策も気になるもの。寒冷地に住んでいる人や趣味でスキーをしている人はスタッドレスタイヤに交換していることでしょう。しかし、スタッドレスタイヤと言えども万能ではありません。スタック、つまりタイヤがめり込んで動けなくなる危険は常にあります。そこで、「脱出ボード」や「スグラ(Snow Grabberの略)」と呼ばれている道具を常備しておくといいでしょう。これはスタックから脱出するためにタイヤと地面の間に差し込む板で、とても効果が高く、しかも小さく折りたためるものが2,000円くらいから販売されています。

「スタッドレスタイヤには交換しないけれど、念のためにタイヤチェーンを用意している」という人も多いはずです。でもそのチェーン、使ったことがありますか?多くの人は、購入してそのまま車に積みっぱなしになってしまうようですが、これではいざというとき困ったことになります。

最近のチェーンは簡単に扱えるように工夫されていますが、それでも取り付けはかなり大変な作業です。実際にチェーンを取り付けなければならないときの状況は、タイヤが雪に埋もれていたり、夜中だったりということが多いもの。そこで初めて箱を開け、説明書を読むというのでは、あまりいい展開は期待できません。温かい日の昼間に、1輪だけでいいので一度取り付けの練習をしておくといいでしょう。

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ガイドプロフィール
山田 正昭(やまだ・まさあき)
自動車・バイク・ITジャーナリスト/YouTuber

自動車雑誌、バイク雑誌の編集を経て、フリーランスとして独立。Webに活躍の場を移し、多数のサイトで執筆活動を展開中。カーナビやデジタルガジェットのインプレッション記事も得意とする。最近はYouTubeで車やバイクのレストア・整備・修理などを公開中(まーさんガレージ:https://www.youtube.com/user/yamada911/)。

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